聖女ヴィクトリアの考察
アウレスタ神殿物語
春間タツキ
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刊行日 2021/08/24 | 掲載終了日 2021/08/27
ハッシュタグ:#聖女ヴィクトリアの考察 #NetGalleyJP
内容紹介
第6回角川文庫キャラクター小説大賞 〈奨励賞〉受賞作!
霊が視える少女ヴィクトリアは、平和を司る〈アウレスタ神殿〉の聖女のひとり。しかし能力を疑われ、追放を言い渡される。そんな彼女の前に現れたのは、辺境の騎士アドラス。「俺が“皇子ではない”ことを君の力で証明してほしい」この奇妙な依頼から、ヴィクトリアはアドラスの故郷へ向かい、彼の出生の秘密を調べ始めるが、それは陰謀の絡む帝位継承争いの幕開けだった。皇帝妃が遺した手紙、20年前に殺された皇子――王宮の謎を聖女が解き明かすファンタジー!
おすすめコメント
異世界ファンタジーの読みやすさと、意外な謎解きを組み合わせた快作!
魔術、呪い、バトルなどファンタジーの鉄板要素でワクワクさせられるうえに、出生の秘密から不審な死という気になる謎も加わります。最後に披露される謎解きも気持ちよく、「こういうファンタジーを待っていた!」となること間違いナシです。
ヴィクトリアのマイペースな性格と、アドラスの真っ直ぐ揺るぎない格好良さも魅力的。2人の絶妙な距離感にニヤニヤしてしまうはず。
サービス精神満載の他にない面白さを、ぜひ楽しんでください!(担当編集)
出版情報
ISBN | 9784041115251 |
本体価格 | ¥640 (JPY) |
関連リンク
NetGalley会員レビュー
無能とされ聖女の資格を剥奪され追放されかけたヒロイン・ヴィクトリアと、身に覚えのない出生の秘密を問われ命を狙われている辺境騎士アドラス。アドラスの真実を謎解きしていくヴィクトリアが巻き込まれる国を揺るがす冒険―――。
このヒロイン、自身で能無しだと諦観しているせいか、ちょっと落ち着きすぎているというか…なんか独特の魅力があるんです。そんな彼女に負けず劣らずマイペースで真っ直ぐなヒーローとのバランスが面白い。良いな、この2人。なんというかとにかく良い。
王国の跡継ぎ問題といい、複雑に絡み合った世界観は1巻だけで終わるのは勿体ないと思わせてくれる。
絶対こういうファンタジー好きな人いますでしょう?私は好きです。
アウレスタ神殿の聖女のひとりであるヴィクトリアは霊の見える少女
言いがかりで能力を疑われて投獄される
そんな彼女の前に辺境の騎士アドラスがあらわれ「俺が皇子ではないことを証明してほしい」と言われ牢を脱出しアドラスの故郷へ・・・
と言うお話
異世界のファンタジーであるが異世界という世界を派手なドタバタに使わず
読ませるミステリーになっていてすごく楽しめました
聖女様が正義でも救済でもなく真実を解き明かすファンタジー
主人公のヴィクトリアの能力が周りには理解しがたいだけで、何も出来ないマイペースなだけの聖女ではなく案外したたかなところや芯の強さも感じられ好感を持って読み進めることが出来ました。
続編もあるのならアドラスとの関係も気になるところです。
パズルを解いている感じで読める小説です。
辺境の騎士アドラスから自分が皇帝の実子ではないことを証明して欲しい(?)という依頼を受けたアウレスタ神殿の聖女のひとりであるヴィクトリア。
ヴィクトリアの聖女としての能力は、霊的なものが視え、話ができると言うこと。しかしながら霊を呼ぶことができるわけではなく、亡くなっているのにこの世を去ることができない霊とは大抵まともな話ができない。除霊ができるわけでもない。余り役立たない能力である。そのため、聖女の資格を剥奪されようとしているばかりか、そんな無能な身分で聖女に選ばれたのは不正があったからだと教会から追放処分をうけ軟禁状態なのである。ともかくも両者の利害が一致し、ヴィクトリアは教会を脱走しアドラスの住む辺境の国に向かう。
ハラハラドキドキの展開で一気読みで最後までいってしまうが、戦闘シーンも悪役の描写も淡々と描かれており、fantasyと言うより謎解き推理小説のおもむきな本である。敵役やライバルは登場するが、どうしようもないドロドロ性悪な悪役はでてこない。
ヴィクトリアの聖女としての能力は、やはりほとんど役立たず。謎解きの材料は包み隠さずでてくるので、読者もビィクトリアとイコールコンディションで推理ができる。自分でも推理しながら読むのが好きな人にはおすすめ。そうでない人でもなるほどね、というエンディングを読むことができる。
ちょっと変わったタイプの小説なのでシリーズ化があっても面白いだろう。忘却探偵シリーズ的なテイストがだせそう(世界観が随分違うが)。
「綺麗事と真実この世はこの世は救われない」とする主席聖女オルタナと、「偽りを塗り固めて至った先には、必ず綻びが生じる」とするヴィクトリアとの勝負の先が楽しみでもある。
カクヨム作品「無能聖女ヴィクトリア」を改稿改題したそうだが、「聖女ヴィクトリアの考察」というタイトルは作品内容にマッチしていると思う。
一気に読めたのでストーリー的には面白かったです。謎解きは何度もページを戻り読み返し考えました。異世界ファンタジーですが異世界感控えめで全体的にミステリー要素の方が強かったので、ファンタジーが苦手な人でもとっつきやすい本だと思います。
聖女を追放されそうになっているヴィクトリアを頼りにやってきたアドラスの頼みは「自身の出生の否定」だった。
世界観がファンタジーなので、ファンタジー要素強めのミステリかと思いきや逆でした。ヴィクトリアは「視える人」なので、その能力を使った推理展開になるのかと思いきや、推理自体は手紙の内容や、これまでの経緯を踏まえたものとなっていたのが驚きました。
ヴィクトリアの「視える世界」は、幽霊や精霊だけでなく「俯瞰」もだったということなのかなーと思いました。幽霊や精霊に話しかけるシーンを使った推理を楽しみにしていたのでちょっと残念でしたが、ヴィクトリアでなくても解けるのにヴィクトリアでなくては解けない、という点が彼女の良さを引き立てていたのではないかと思います。
個人的には、アドラスの勇敢さや精悍さが好きです。彼のどうしようもない立場から描かれるキャラの魅力が素敵でした。
王宮ファンタジー&謎解き。面白かった!無能だと言われ聖女の座を剥奪されかけているヴィクトリア。辺境の騎士アドラス。アドラスにはまさかの出生の秘密がある様子。秘密には陰謀がついて回るのが、どの時代、どの国にもあるらしい。アドラスの母マルディナが彼に込めた思いは、たとえ真実ではなくとも計り知れない愛を感じた。「人は見えたままに解釈してしまう」ものであり、「偽りを塗り固めて至った先は、必ず綻びが生じる」のは何事にもつきもの。全ての真実が明らかになった時、ヴィクトリアはもう無能な聖女ではなく、アドラスは本来のあるべき姿へ。
自分が見たいように物事を解釈してしまう先入観、真実は必ずしも人を幸福にしないという盲点。しかし偽りで塗り固めればいつか綻びが生じる。豊かな観察眼と洞察力でそれらをみごとに見通し、すべての謎を解き明かした時、無能と誹られた少女は紛うことなき「物見の聖女」として立つ。
自分にいったい何ができるのか、自分はいったい何者なのか。聖女ヴィクトリアと騎士アドラス、それぞれが『自分』を探しだす過程を丹念に描く謎解きミステリ。幽霊や精霊が視える力を持つ聖女が主人公、ということで、心霊探偵的展開を期待させておいて、頼みの霊感がまったく役に立たないという、ある意味思い切った設定でそこが独特の面白さを生んでいる。物語の展開はサクサクと進められるRPGのようにテンポが良く、いつだって事件は彼女を中心にしておこる、と言われるヴィクトリアと彼女に大きな波乱の予感をもたらすアドラスの、これからの物語に期待が膨らむ。地に足ついたファンタジーといったところ。