赤でもなく青でもなく
夕焼け檸檬の文化祭
丸井とまと
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刊行日 2021/09/18 | 掲載終了日 2021/09/09
ハッシュタグ:#赤でもなく青でもなく #NetGalleyJP
内容紹介
大人になった、君にも届け。
これは私たちのための、極上の青春小説。
☆ ☆ ☆
校了前のデータを元に作成しています。 レビューなどでお話の真相やオチについて本文を引用する際には、発売後の製品版をご利用ください。 (発売までの改稿で差異が生じる可能性があります。) また、発売日前の「外部書評サイトへのレビュー投稿」は極力お控えいただけますよう、ご協力のほどよろしくお願いいたします。 ※※発売後であれば問題ありません。※※
☆ ☆ ☆
【あらすじ】
「これから半年以内に、貴方の運命を変える出来事が起こるわ。
その時が来たら、その人の手を取りなさい」
高校一年生の遠藤彩(えんどう・あや)が、不思議な占い師にそう言われてから数日後。確かに運命は変わりはじめた。
周りから浮かないように、ピンク系メイクで自分を隠す彩と、
黒髪でさわやかさの鎧を着けた石垣渉(いしがき・わたる)は、クラス内でも目立つ存在だ。
お互いに苦手意識のあった二人だが、
ある日、彩は渉が同性の恋人に振られたばかりだったことを知る。
「……気持ち悪いって思うだろ」
「思わないよ。誰に恋しようと、そんなの自由じゃん」
秘密を知られて動揺する渉にそう告げた彩にも、実はある秘密があった。
そんな二人が、高校生活初の文化祭で、クラス担任からいきなり指名され、
「文化祭名物《伝説の富士宮やきそば屋》」のリーダーを任されることに。
「どうしてリーダーに選んだんですか?」
「選ばない理由がなかったからだよ」
人を食ったような発言をした担任の高井戸先生は、どうやら何かを企んでいるようで――。
おすすめコメント
◆文化祭というイベントを通して、バラバラだったクラスメイトの心がひとつに結ばれていく過程を描いた、王道の青春ストーリー!
さまざまな形での恋愛や家族問題なども描かれ、「ああ、わかる!」と思わず感じてしまうエピソードが満載です。
◆文化祭伝統の「富士宮やきそば屋」を受け継ぐ現役生たちを、かつての在校生であった周囲の大人たちがサポートしつつ見守る姿は、
大人になった「かつての高校生」の方の心にも、懐かしくも優しい気持ちを呼び起こしてくれること間違いなし!
【改稿初期にいただいた、年齢別のご感想を一部公開!】
■10~20代
「友情や恋愛部分はさわやかで、とてもキュンとする」
「親や周りの大人とのやり取りも、ちょっと前の自分と重ね合わせて読めてよかった」
「自分たちも、当時こんなふうに周りから温かく見守られていたのかな……というような新たな気付きもあり、感謝の気持ちがわいた」
■30~40代
「さわやかだし泣ける。大人が楽しめる青春小説となっている」
「番外編(本書籍用書き下ろし)の話があることで、登場人物全員が救われて、後味がとても良かった」
「やきそば屋をやるにあたり『損益分岐表』が出てきたりするところなど、実際の自分たちのリアルな仕事とも重ね合わせられる部分もあって、
どれだけ彼らが真剣にこのお店を成功させよう! と頑張っているのかが、とてもよく伝わってきて、目がうるっとなってしまった」
■50代
「作中の大人たち(先生や卒業生など、かつての在校生たち)が、現役生を見守る気持ちにとても共感できる」
「作品のキーアイテムである『富士宮やきそば』が本当においしそう!」
■著者
丸井とまと(まるい・とまと))
東京都出身。2016年『素直になれない7センチ』(スターツ出版)にてデビュー。他に『檸檬喫茶のあやかし処方箋』(一二三文庫/ボーイミーツガール大賞受賞)、『青くて、溺れる』(KADOKAWA/カクヨム×魔法のiらんどコンテスト受賞作)、『青春ゲシュタルト崩壊』(スターツ出版/第5回noichigo大賞受賞作)など受賞歴及び著書多数。
■装画
まかろんK
Twitterでイラストシリーズ「恋の痛みを知る人へ」が24万いいねを獲得、連載「#ぼくらのワルツ」も大好評の、今人気急上昇中のイラストレーター。
販促プラン
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《拡材用の応援レビュー募集期間》
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《特設サイト応援レビュー募集期間》
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◎作品の拡材や指定配本をご希望の書店様は 恐れ入りますが直接<販売営業部>までお問合せをお願い致します。
出版情報
ISBN | 9784867161869 |
本体価格 | ¥690 (JPY) |
NetGalley会員レビュー
大人になってなかなか経験出来ない事の1つ「文化祭準備」。高校時代の懐かしい思い出が作品を読みながら思い出して涙が出ました。作品の登場人物の様に、色々悩み、悲しみ、喜び、怒りなどの喜怒哀楽が1番激しい年代だったことを思い出しました。男女という括りに縛られず、「文化祭成功」という目標に向かい試行錯誤する姿は素敵です。
「人は一人では生きていけない。手と手を取り合って共存していく素晴らしい体験」を作品を通じ、感じることが出来ました。
言いたいこと言っちゃえばいいの。自分に共感してくれる人が1人でもいれば幸せなことですね。
あーもう1度高校時代に戻って青春したい!!文化祭いっぱい堪能したいな。
今まさに文化祭の準備が始まりつつある時期なのでずーっと話に入り込んでしまいました。いつの時代も文化祭の前は校内が準備で盛り上がってくる情景は目に浮かびます。
入学して2か月でお互いの距離感もつかめないまま、なんとなく過ごしているクラスメートが文化祭を通じて心が繋がっていく様子は熱くなりました。それ以上に生徒の力量を感じ、適材適所に文化祭のリーダーを配置した担任の高井戸先生がすごいと感じました。読んでいる間は高井戸先生になった気分で彼らを見守ってしまいました。
誰もが欲している「誰かの一番になりたい」という気持ちが痛々しく、みんなに「本当の自分を素直に出せるただ1人の人」が現れるのを切に願ってしまいます。何事も経験、ぶつかって腹割って笑いあえる時がきますように。
装画が楽しみです。彼らの心の色まで描かれそうで、赤でもない青でもない素敵な色で!
普通という枠にはまらない事は不安だし勇気が必要だと思う。赤でも青でも無い自分の色を大切に思えた時に気持ちにも人との関係にも変化が生まれる。読み終わった後に改めて自分が大切にしたいものは何なのか確認がしたくなった。
私の学生時代にも高井戸先生みたいな先生に居て欲しかったな。
たまたま好きになったのが・・
周囲のイメージ通りに振舞ってしまう高校生・遠藤彩は文化祭のクラスリーダーに指名される。副リーダー・石垣渉の秘密を偶然知ってしまい、それをきっかけに彩にも渉にも変化がおとずれていく・・
思春期の恋愛、家族観、他者とのつながりが瑞々しく描かれている。ぶつかるが故の痛みに対する怖さ、ぶつからないが故のもどかしさに対する怖さ、後に成長してみると些細なことだったと思えることまでもが大切なこの時期を懐かしく思い、羨ましくも思えた。また焼きそばの香ばしい香りと共に、教師や先輩たちの心にくいフォローが心まで温めてくれるようだ。
あの頃の気持ちを思い出させてくれる良作。
高校一大イベントの文化祭を通し、入学したてのまだぎこちない一年生のクラスが次第に団結していく青春物語。
ヒエラルキーが定まったクラス内で、普段絡む事のない人との関わりが刺激になり、多感で不安定な心に少しずつ彩りが加わり視野が広がる姿に感銘を受けた。偏見を捨て同じ目線で対話する事の大切さを教える作品。
静岡B級グルメ「富士宮やきそば」が凄く美味しそうで、作中でもいい味が出てました。
「赤でもなく青でもなく」というタイトルがラストが近づくにつれて腹落ちする。
現代社会だからだろうか、コミュニケーションが苦手な子たちを主人公グループに据えるというのは。
でもみんなそれぞれ噛めば噛むほど味がするというか、ほどよいキャラクター。
自分自身の学生時代にもう一度戻りたくなる作品です。
(文化祭って楽しかったよなぁ)
好きになるのに理由なんかいらない。それなのに好きになってしまったことに「なんで」悩んでしまう。同性を好きになってしまった葛藤と周囲の偏見に心を閉ざす彼と彼女が、勇気を出して振り絞って踏み出した一歩に心を動かされました。読んだ後の視界が鮮やかさといったら……!この本を読む前には気づかなかった世界のさまざまな色に、気付かされます。この本に出会えた事が嬉しいです。
他人と違うことを思い悩み、本心を隠して我慢を続けたり、人からどう見られるかと個性の間の板挟みでもがく高校生たちが、文化祭を通してクラスメイトと一緒に成長していく物語です。
LGBTをテーマにしていますが、それほど重くならず読みやすいと感じました。思春期の子どもは友達との距離も近く、同性の友達に対して異性に抱くような感情が芽生えることはままあることだと思うので、彩と石垣くんには、そんなに悩まなくても大丈夫、と声をかけてあげたくなります。
央介を「うるさい!」と一喝する場面と、家族に向けて「ふっざけんな!」と爆発する場面は、悩みを乗り越えて彩が強くなるのが嬉しく、読んでいてスカッとしました。
央介の心情にも番外編で触れられていて、チャラくて嫌な奴で終わらなかったので後味は良かったです。
作中の富士宮やきそばが美味しそうで食べてみたくなりました。どこかで見つけたら買いたいです。
子どものころから「女の子は赤、男の子は青」って、何の疑問もなく決めつけられてきたけど、それっておかしくない?お姉ちゃんだから我慢しなさいって言われたり、同性と付き合うのは気持ち悪いって言われたり、そんなことどうして勝手に決めつけるの?
2人はそれまで誰にも言えなかった心の中の嫌なものを、わかってくれる人がいるということに救われます。
文化祭に向ってクラスのみんなで力を合わせていくということに、少しずつ楽しさを見出し、自分がそこにいて役に立っているという充実感が生まれていくところが良かったなぁ。それまで知らなかったお互いのことを知るって、楽しいですもの。
試験前にクラスで勉強会をやっているシーンでは、自分の高校生時代を思い出しました。クラスの中でその科目が得意な人がプリントを作って、説明してくれる勉強会は楽しかったなぁ。文化祭の出し物の企画とか、合唱祭の練習とか、楽しいことを沢山思い出しました。
自分が他人と違っていることをコンプレックスに感じてしまっている人が多いのは何故なのでしょうね。それぞれに個性があって、それぞれの良いところを見つけられればいいのになぁ。もし足りないところがあったら補い合えばいいんだしね。そういうのが不得意な人は、ひとりでいる自由だってあるし、ホントは何でもありなはずなのを邪魔しているのは、誰なのでしょうか?
そんなことをいろいろと考えつつ、学生時代って楽しかったなって思いにふけっております。
「その時が来たら、その人の手を取りなさい(だけど運命の人ではない)」と彩は占い師に言われた。恋人、友達、親に本当の自分を言葉で現せない。それは遠慮か?空気を読んでいるのか?たまたま聞いてしまった石垣くんの過去。そしてそれは自分にもあり、ジェンダーとは違い「たまたまその時、その人に惹かれた」「対象にたまたま同性も含まれていた」だけの事。幼い頃から「男の子は【青】、女の子は【赤】」という認識がある中で、彼女に手を差しのべ、彼女が手を取るべき人は確かにいた。お互いが理解できる存在、それはとても大きくて大切で必要な出会い。気づいていないだけで、きっと誰にでも自然にある「心の中にある性別にとらわれない【自分の色】」を胸を張って堂々と表す事ができる未来が彼らの中にきっとある!と信じて。
読み終わったとき、タイトルの意味がすとんと心に入ってきました。
主人公達の半年間、懐古も含めれば一年近くの時と心の動きを丁寧に描写することで、赤でもなく青でもない、彼らが納得した結末を読者も喜ぶことができました。
LGBTQ、アウディング、といった用語は本文中一度も出てこないけど、人を愛する本質とは何かを教えてくれます。
学校図書館に推挙したいし、中高生の学級文庫や読書タイムにもおすすめしたい。手に取りやすい表紙のイラストもいいですね。めっちゃ良書です。
読ませていただき、ありがとうございました。
一言でいうと、高校の学園祭を通じて成長する話なのですが、登場人物の気持ちが非常に上手にリアルに描かれています。自分のことを好きになってくれたから好き。酷いことを言われても、関係を切れない。自信がなく、そんな恋愛をしていた主人公が、周りとの信頼関係を作っていく中で、自信を持って自分らしさを取り戻していくところに、心を打たれました。好きで付き合っていても、自分をさらけ出してくれない彼女に苛立って大人気ない態度を取ってしまった彼の話も、良かったです。
文化祭準備で深まる友情、青春ですね。甘酸っぱくてキュンキュンします。同世代の読者にとっては、身近に感じられるテーマでしょうし、大人にとっては、懐かしいのに新しく感じられるテーマかもしれません。作中に出てくる富士宮やきそばが美味しそうでした。
高校生の青春モノはあまり得意ではない私だが、本作はあっという間に読んでしまった。見た目が今時の女子高生と、男女共に人気のある爽やか系男子のそれぞれの視点で物語は進む。学校の一大イベントである文化祭の為に奮闘する中で様々な出会いがあり、誰にも言えなかった悩みから少しずつ解放されていく。ウケの良い自分を演じて、本当の自分を隠し続けるのは苦しく辛い事だと思う。本来の自分に戻っても自分を愛し、必要としてくれる人はいるか。自分とは違う人も異質ではなく個性として受け入れられる世の中になって欲しいと思う。
こんな青春、私も欲しかったなぁー!あぁ、なんて甘酸っぱいのーーっ!!笑
私が通っていた高校の文化祭はどんなだったのかな?『文化祭』という、懐かしくて、大人にとっては気恥ずかしいテーマだけど、夢中で読んでしまいました。
はじめに彩と渉が、そしてクラスのリーダーたちにその熱量が伝染するように、クラスが一つになって文化祭での『富士宮やきそば』を完成させていく。
一つの目標に向かって協力して完成を目指す高校生たちの姿は大人の私が読んでも胸がギューッとなった。
高校生ならではの恋愛や、友達や先生や家族との関係、学校内でのヒエラルキーなど、いろんな構成要素があって共感できる箇所もたくさんあった。
そして何より『富士宮やきそば』が美味しそうで思わずお腹がぐぅ~っとなりました笑
赤でもなく、青でもなく
自分だけの色、そしてまた誰かのその人だけの色を尊重する。そんなことをこの本に教えてもらいました。
「赤は女の子、青は男の子」そんなイメージをいつから持つようになったのでしょう。
小さい時から当たり前のように、赤と青が振り分けられていた気がします。思春期だからこそ、悩む周囲の声。こんな頃あったなと共感しました。
文化祭のキラキラした日々は、大人になった今でも良い思い出。
その文化祭に向けての高校生達。
高校生の頃を思い出す大人に向けて。
そして、今年文化祭を迎える若者にも向けて。
きっとこの本に出会えたら、かけがえのない日がさらにキラキラしたものになるのではないのでしょうか。
この世代特有のモヤモヤや葛藤、衝突がうまく描かれており、あっという間に読了しました。コロナ禍で現実の文化祭は縮小や中止を余儀なくされる昨今。小説を通して擬似体験することもできました。誰か1人が主人公というわけではなく、場面場面や章ごとに一人一人のキャラクターがスポットライトを浴びるシーンがあり、誰もが誰かに自分を投影できるそんな小説でした。
本作は、性の悩みや友だち関係など、思春期ならではの問題と向き合う高校生の葛藤が描かれている。かといって、LGBTを主にしているわけではなく、文化祭の準備に奮闘する彼らの爽やかな姿は、読者をいつの間にか高校時代にタイムスリップさせてくれる。
登場人物の彩は、クラスで浮かないようにヘラヘラと周りの反応をうかがいながら生きていて、心の奥にしまった秘密を誰にも相談できずにいた。私も高校時代はどう在りたいのか分かっていなかったし、彼女のように周りに合わせて過ごすほうが楽だった。でも、彩やクラスのメンバー達のように、痛みを伴いながらも自分と正面から向き合う姿はとても眩しくて、ちょっぴり羨ましいと思った。
タイトルを見て読み始める前は、もうすぐ40歳になる主婦の私に高校生の気持ちが分かるかなぁと少し不安だった。だけれど、現役高校生だけでなく、私のような親の世代の大人も手に取って読んでみてほしい。きっと、甘酸っぱいメロンソーダのようなワクワクした気持ちになって「わたし」と向き合い、相手にぶつかっていく勇気をもらえるはず。