未来は予測するものではなく創造するものである
考える自由を取り戻すための〈SF思考〉
樋口恭介
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刊行日 2021/07/07 | 掲載終了日 2021/08/10
ハッシュタグ:#未来は予測するものではなく創造するものである #NetGalleyJP
内容紹介
「ここではないどこか」への想像力を解放せよ。
意味や価値のわからない仕事を再生産し続ける「制約事項」を爆破し、「本当のイノベーション」に向かって考える自由を取り戻すために。
気鋭のSF作家であり、ITコンサルタントである著者が贈る理論と実践の書!
SF思考、あるいはSFプロトタイピングとは、単一の未来を先取りするための手法なのではなく、複数の未来のうちから「ありうる未来」を幻視するための手法です。もっと詳しく言えばそれは、既定路線を進む現実の中に意図的に事故を紛れ込ませ、つまらない現実を撹乱する手法、あるいは、あなたがあなたのまま、あるがままに思考し、あるがままに語ることを後押しすることで、あなたが本当に望む未来を描くための手法なのです(「まえがき」より)
「事例は?」「エビデンスは?」「効果は?」
形骸化したルールや管理指標に絡めとられ、日本社会はいま停滞の中にある。
イノベーションの経験も、その記憶すらも失われつつある。
前例主義は過去を縮小再生産し、過去でできた現在を未来にすりかえる。
妄想を、理想を恐れないこと。イシューからはじめないこと。
「世界は変えられる」と本気で信じる想像力を持つこと。
物語の力とともに、出口の見えない退屈な現実を打破し、自由な思考と戯れるために。
【目次】
まえがき 未来とは、「予測する」ものではなく「創造する」ものである
パート1〈SF思考〉とは何か?
1.物語の力
2.オルタナティブを思考/志向する〈SF思考〉
3.世界におけるSFとビジネスの関係
パート2 〈SFプロトタイピング〉をはじめる
1.自由な思考・議論のためのマインドセット
2.SFプロトタイピングのプロジェクト進行
3.物語のアプローチを考える
4.物語を生み出すコツ
パート3 〈SFプロトタイピング〉のケーススタディ
ケース1.未来の服を考える「母を着る」
ケース2.未来の都市を考える「ペーンポーイ文明における都市型演算機構の活用事例(『ペーンポーイ民俗史研究』第二七号 掲載)」
ケース3.COVID-19以降の社会を考える「踊ってばかりの国」
あとがき 奇跡を信じること
【著者プロフィール】
樋口恭介(ひぐち・きょうすけ)
1989年生まれ。岐阜県出身、愛知県在住。早稲田大学文学部卒業。外資系コンサルティングファームに勤務。現在はテクノロジー部門のマネージャーを務め、DX戦略を中心とする案件を手掛ける。並行して、スタートアップ企業 Anon Inc. にて CSFO(Chief Sci-Fi Officer)を務め、多くのSFプロトタイピング案件を手掛けるとともに、SFプロトタイピングに関する情報発信を行い、日本国内におけるSFプロトタイピングの普及と発展を推進する。『構造素子』(早川書房)で第5回ハヤカワSFコンテスト大賞を受賞して作家デビュー。同作は第49回星雲賞にノミネートされる。その他の著書に評論集『すべて名もなき未来』(晶文社)。ジャンルを問わず寄稿・講演等多数。文芸・テクノロジー・ビジネスの垣根を越えた言論活動を展開している。
出版情報
ISBN | 9784480864765 |
本体価格 | ¥1,800 (JPY) |
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NetGalley会員レビュー
予測することと創造することは違う。
妄想と理論のあいだを絶えず往来することで、人の心が動くと著者。
ここにはこうなったらいいなという「欲望」があり、物語としての「希望」がある。
SF思考とは、冒険の書に臨むそれぞれのストーリーの思いや希望を、意図としないコマンドに細分化したようなもの。
私はそのように読み取った。
SFプロトタイピングのケース1〜3を読んだだけでも、胸がワクワクしてくる。
過去から回避を学ぶというよりは、過去を踏み台にし、そこからヒントを得る。
当たり前のようなことだが、なかなかこれができない。
つまりは、創造力に乏しくなっているからだ。
自分に生まれ、自分のストーリーに自信を持てない。
そんな私が、論理的にストーリーを描くことができる方法。
生命の賛歌さえも感じた1冊である。