死者の告白 30人に憑依された女性の記録
奥野修司
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刊行日 2021/07/13 | 掲載終了日 2021/07/12
ハッシュタグ:#死者の告白 #NetGalleyJP
内容紹介
震災後、30名を超える死者に憑つかれた20代の女性――。
その体験を、除霊した古刹の住職と、彼女の証言から書き起こした、彷徨える魂の記録。
『魂でもいいから、そばにいて』の大宅賞作家、渾身作!
人が死ぬとき、合理的に解釈できない不思議なことがしばしば起こる。
がんなどで死に逝く場合もそうだが、2万2000人余という人が亡くなった東日本大震災のような過酷な状況下では尚更だろう。
しかし、いきなり霊的ともいえる予想外のことが起こると、それを体験した人は誰にも相談できずにひどく苦しむ。
金田住職のところへ、高村英さんが混乱状態で電話してきたのは2012年の蒸し暑い6月の夜だったが、彼女もやはり誰にも相談できずに苦しんでいた。
<本文より>
除霊した古刹の住職と、彼女の証言から書き起こした、
彷徨える魂の記録の、第1章を限定公開!!
≪奥野修司(おくの しゅうじ)≫
ノンフィクション作家。『ナツコ――沖縄密貿易の女王』で、講談社ノンフィクション賞と大宅壮一ノンフィクション賞をダブル受賞。『ねじれた絆――赤ちゃん取り違え事件の十七年』『心にナイフをしのばせて』『魂でもいいから、そばにいて――3・11後の霊体験を聞く』ほか著書多数。
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出版情報
ISBN | 9784065234037 |
本体価格 | ¥1,700 (JPY) |
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NetGalley会員レビュー
私はこういう体験を信じる人間です。死者が本人の同意なく入り込むことは紛れもない暴力です。
でも死者の立場からすると救われたい気持ちが強いので、それに近い人間に救いを求めるのだと思うのです。
死後の苦悩は計り知れないものがあり、宗教観・死生観を考え直すきっかけとなりました。
このレビューは第1章のみの感想になります。
本書は、今年、2021年に10年目となる東日本大震災で亡くなった人30人が憑依した事例であること、憑依された高村さんと彼女を除霊した曹洞宗通大寺の金田住職の双方に聴き取りしていること、の2つの観点から非常に貴重な内容になっています。第1章の最後には、憑依現象を研究している京都大学のデ・アントーニ教授の解説が書かれています。
第1章の前半では、宮城県に住むある女性、高村さんが、東日本大震災の津波で亡くなった高校生や、太平洋戦争当時に米軍の爆撃で亡くなった海軍兵士など30人に憑依され、苦しみのために金田住職に除霊してもらうまでの体験を著者が聴き取りした内容が書かれています。そして、第1章の後半では、同じ体験を金田住職に聴き取りした内容が書かれています。
私は、昭和時代に『新耳袋』を読んでから実話怪談を読んだり聞いたりするのが好きで、今でも YouTube の動画で怪談を聴いています。本書で語られるような不思議な話を聞いたり読んだりするのが好きなので、本書の内容には非常に魅かれるものがありました。
東日本大震災から今年で10年という長い年月が経過し、東日本大震災が人々の記憶から徐々に薄れていく中、
この10年間に起こった不思議な現象、つまり心霊現象を語っていくことも、震災のことを忘れないために必要なことではないでしょうか。
いま、YouTube を中心に、怪談がブームになっています。怪談師として怪談語りをしている「いたこ28号」さんが「怪談には不謹慎な面があり、特に被害者の多い震災に関する話は10年以上経たないと怪談として語ることが憚られる」と言っていました。今年で10年が経過した東日本大震災に関しての怪談も、これから少しずつ語られていくのではないでしょうか。
本書は怪談ではなく、実際の体験談ですが、怪談が好きな人であれば、興味を持つ内容だと思います。まだ読んでいない2章、3章の目次を見ると、東日本大震災での悲惨な話が書かれていると思われます。しかし、この大震災のことをいつまでも忘れないためにも、最後まで読んでみたい内容でした。
実話である。
取材された女性の実体験は、霊の存在が云々とかそういう次元の話ではなく、あるからある、である。
私もそれはあることだとわかっている。あまりに似た話を聞くから。不思議ではあるけれど。地域性があると文中にあったけれども、昔から続く信仰、観想のなせる力なのではないか?と思う。
しかしそれだけでは説明しきれない人たちの話。
読んでどう感じるか、自分の心と対話しながら読む一冊。
ノンフィクションですが、小説の様な感じで読みやすかったです。
霊の存在や憑依、除霊などは信じない人には作り話の様に思えるのだと思います。そしてそれが分かっているから霊を感じる人はあまり公言しないのでしょう。この本で多くの霊に憑依された体験を語る高村さんも自分一人でどうにもできなくなって初めて助けを求めています。何人もの死者の辛さと自分自身の身体が思う様にならない辛さは相当の物だったのだろうと思います。第一章だけの感想ですが、恐らくこの後はもっとたくさんの辛いお話になるのでしょう。興味本位の怪談ではなく事実として最後まで読んでみたいと思いました。
お寺でこの様な除霊をしてくれるところがあると初めて知りました。助けてくれる住職さんが居てくれて良かったです。
私はこの手の話は感覚的には怖いと思うが、理性としてはあまり信じる気にはならない。この高村さんのケースは、多重人格と統合失調症による幻覚や妄想のようなもので説明できないだろうか。そうでないことが証明されてこそ、初めて本当に怖い話となる。私が懐疑的なのは、彼女に帝国海軍の兵隊が憑依した話がある。また東日本大震災で大量の例が憑依した話もある。そうすると、東京や広島と言った場所は歩けないことになる。何しろ戦時中に10万人規模の死者を出しているのだから。そもそも人類が発生して以来、いったいどのくらいの死者が出たというのだろう。このように、理性では否定するのだが、感覚的にはやっぱり怖い。
世の中には証明されていないことが
たくさんある。
だから私はこの本に書かれている内容を
信じる信じないではなく、そのような
体験をする人もいるのだという観点で
読んでみた。
死は必ず訪れる。
だがそれが今日だとは考えないものだ。
エンディングの準備をしていない人たちに
ある日突然訪れる「死」。
その時、思考があるのだとすれば
きっとどんな手段を使っても
自分の思いを伝えようとするのでは
ないだろうか。
これはそういう人たちの
ラストメッセージだ。
本当にこのようなことがあるのだろうか?と思うよりも前に、奥野修司さんの抑えた文章によって描写された高村さんの体験談に引き込まれて一気に読んでしまった。
また金田諦應住職の除霊に対する姿勢は人としてとても誠実なものであり、日常の人間関係についてもこうあるべきという、普遍性のあるものなのではないかと思う。
私自身はいわゆる霊感体質では全くないのだが、東日本大震災という圧倒的な自然災害の前には、死してなお戸惑い彷徨う魂がいるのだろうという思いは自然と芽生えていたため、高村さんの体験談はある意味とても素直に受けとめることが出来たのかも知れない。
東日本大震災の後、いくつかの怪談が聞こえてきた。
沖縄戦の後も不思議な出来事が多かったと聞くから、そういう事もあるのかもしれないと思う。
本書に登場する高村さんは死者やあの世の仲介者として役割を与えられてしまった人らしい。自分の意思とは関係なく、役割を与えられるというのはかなりハードだ。
霊は高村さんの体にどのような目的で入ってくるのだろう。彼女は媒介する事をどう受け止めているのだろう。また本書の著者に語る事で何を伝えたいのだろうと疑問は尽きない。
ただ、彼女を通して救われた存在もいるのかもしれないというのは、未だ復興が終わらない震災の救いのような気もする。
この本はホラー物ではない。ノンフィクションであり、実際に起きた事柄を書いたもの。幼い時から霊を見たり、感じたり、時には接触してしまう今回の語り手。上手くコントロール出来たいたのが東日本大震災を境にコントロール不能となってしまう。怪奇現象を扱っ番組や映画、読み物と違い恐怖は感じない。それよりも切なさや、憑依されていて辛いのにも関わらず罪悪感に苦しむ状態を知って驚きと共に悲しい気持ちになる。いるか、いないかよりも、その人を受け入れるという住職の懐の深さには感銘を受けた。
自分自身が全く霊感がなく、このような体験にとても興味があったので新しい世界を見るような感覚でよめた。続きもとても気になるので是非購入したいと思う。おにぎりの男子高校生が怖がっていた二人の霊が何なのか知りたい。
見える人には霊と生きている人間の区別があまりないと言うのを聞いたことがあったけれどこの女性もその様だからきっとそうなのだろう。自分は見えないのでその言葉を信じるしかない。でも見えないからと言って霊がいないとは言えない。そして憑依と言うものもありえないとは言い切れない。
現実にその状況を見ていないので 信じるか? と言われると首を傾げてしまいそうだが、震災で亡くなった方々が自分の死を受け入れられず生に、家族に執着する姿に思わず納得してしまう。
鬼気迫る追体験に終盤は犠牲になった方々が安らぎを得る事を祈らずにはいられない。
心霊、超自然と言うよりも震災の恐ろしさを改めて、それもよりリアルに知ることができる貴重な一冊だと思った。