ペンギンのバタフライ
中山智幸
この作品は、現在アーカイブされています。
ぜひ本作品をお好きな書店で注文、または購入してください。
出版社がKindle閲覧可に設定した作品は、KindleまたはKindleアプリで作品を読むことができます。
1
KindleまたはKindleアプリで作品を閲覧するには、あなたのAmazonアカウントにkindle@netgalley.comを認証させてください。Kindleでの閲覧方法については、こちらをご覧ください。
2
Amazonアカウントに登録されているKindleのメールアドレスを、こちらにご入力ください。
刊行日 2021/11/06 | 掲載終了日 2021/08/02
ハッシュタグ:#ペンギンのバタフライ #NetGalleyJP
内容紹介
あなたの小さな決断が、どこかの誰かを幸せにする――
昔好きだったミュージシャンの事故に巻き込まれて死んだ妻を取り戻すため、佳祐はあの坂道を自転車で逆走して時間を遡ることに成功したのだが。(「さかさまさか」)
「名前をもらってくれませんか」――台風の夜、妻の出産のために訪れた病院で出会ったのは、幼い時に死別した父親だった。(「バオバブの夜」)
「ぼくね、きみの生まれ変わり」と白髭の太った老人から言われて……(「ふりだしにすすむ」)
なぜか2年後からメールをくれた彼女の、やっかいな願いごととは。(「ゲイルズバーグ、春」)
他人の未来が見えてしまう俺は、自分が神だと思っていたのだが……(「神様の誤送信」)
以上、5つの短編小説が複雑に絡み合って、「バタフライ効果」の如く“奇跡”を生み出していく。あたたかい涙が思わずこぼれる、少し不思議な物語。
出版情報
ISBN | 9784569901626 |
本体価格 | ¥700 (JPY) |
NetGalley会員レビュー
大好きな作家さん。ハードカバーでも持っているくらい大好きな本。
満を持しての文庫化!やったー!待ってました!!
短編集かと思いきや、全話がほどよく絡み合う優しく不思議な物語。
久々に読み返しましたが、やっぱり大好きだな。
『ペンギンのバタフライ』というタイトルから「バタフライ・エフェクト」を連想したので読ませていただきました。
なぜペンギンがタイトルにつくのか、最初はよくわからなかったのですが、読みすすめていくうちに、「ペンギンが引き金だった」と気付くような展開が素敵でした。
物語も温かさであふれており、登場人物たちの密やかなつながりがよかったです。
『バタフライ・エフェクト』というSF設定を用いた物語にも関わらず、非常に読みやすかったです。
ちょっと不思議で最後には温かい気持ちになる連作短編集です。
5つの話は主人公も違い、設定も違うのですが
ほんの少し、他の話と繋がるところがあり
思わず読み返してしまいます。
5つの話の中で私が一番好きなのは
「バオバブの夜」
現実にはあり得ないかもしれないけれど
ひょっとしたら
パラレルワールドかもしれないけれど
そんな神業のような出会いが
在ってもいいんじゃないか
いやぜひそんなことがあって欲しい
スピリチュアルが苦手な人も
SFチックで楽しめます。
短編集だけど登場人物が少しずつ繋がっていく大好物な小説でした。輪廻転生とか、未来が見えるとか、全部面白かった。一度読みでは難しいものもあったので、発売されたら是非、紙で、何度でも読んでみたいです。キャラとしては椎名君が好きです笑
短編集、でも連作で登場人物が移り変わって、その繋がりを知るのが面白かったです。どのお話もただのハッピーエンドではなく、苦労を乗り越え、前向きに進んでいく様子が素敵でした。自分も頑張ろう!と勇気をもらえるお話でした。
5つの短編集からなる物語。
バタフライエフェクト!
もしかしたら、今日の私の言葉や行動で何かが変わっていたのかもしれない。
知らずに通りすぎる、あの人も
もしかしたらわたしに関係する人かも?!
なんとも温かくて不思議な物語でした。
5編から成る『時間』をテーマにした物語。それぞれの物語が不思議で、それでも『もしかしたら自分が気付いてないだけであるかもしれない』なんて思わされてしまう。読み進めていくとそれぞれ独立した物語でありながも交差していくのがとても面白い。どんな過去も未来もその人自身であり、人と関わる事で変わっていく。もし、過去に戻れるなら、もし、未来を知る事が出来るならどうしたいだろうと考えてしまう。
物語のキーワードは、伝説のバンドとして登場する「ファブヒューマン」と「バタフライ効果」だろう。
登場人物や場面や年代や性別の違いを超えて、5つの物語は微妙にかかわりあい、物語の一つ一つが何かを作り出し、その何かがまた新たな物語を生み出していく。
理不尽なことは許せないし、懐かしい人には会いたいし、やり直せるものならやり直したいし。なんかコロナ禍の今だからなのか、不思議な気持ちで読み終えた。
#ペンギンのバタフライ #NetGalleyJP
「あの時」の後悔は誰にでもあるはず。そして自分が「違う行動」「違う言葉」だったら、未来は少し変わっていたのか。そんな思いがこの物語の核心ではないかな。後悔をした先(未来)の自分だからわかる。だからタイムスリップし、未来や過去と繋がる人の姿をし、自分に伝えたい。人は誰でも「後悔」を抱えていても、この物語のようにはならないから、「この時の今が自分の全て」なんだと思える話しでした。『バオバブの夜』が特に好き♪
どの話しにも全てに藍子がデザインしたペンギンが関わったバタフライ効果の短編でした。
ペンギンが繋ぐバタフライ・エフェクトのような5編。微かなリンクが心地よい。
「ペンギン氏」の栞が人々の時間を繋げ、過去も未来も、今も、そうだったかもしれない出来事を思わせるところに、不思議な幸福感が宿る。
人ひとりの人生に起こりうることの全てに、別の道が繋がっていたのかも、いるのかもしれないけれど、今ここにいることが愛おしくなる物語たち。
戻りたい過去も、こうあってほしい未来もあるけれど、その全ては今ここにあるのだな。
悪くない、今日まで生きてきたことが小さな奇跡の連なりのように感じられるのが、ちょっと嬉しい。
誰でも未来や過去には行って見たいとおもうのではないでしょうか?とりわけ過去に思いを馳せる方は多いのではないでしょうか?もう一度あの頃に戻ってやり直したいと思う方は結構いらしゃるのではないでしょうか?この本はそんな思いの中に人間のほのぼのとしたものがあり、一見それぞれが独立した物語のようでありながら、ペンギンの栞を軸として繋がっていて、それがあったかいものとしてさざなみのように伝わってきます。
“小さな決断が誰かの未来を変える。”そんな素敵なことがあったってイイ。
ファイブヒューマンとペンギン氏の栞、このアイテムが軸となって時空を越えて物語が繋がる。
どのお話もよいけど、亡くなった父親の思いを知る「バオバブの夜」、実は2年後メールを送ってくれていた彼女と自分の後悔と願いが描かれた「ゲイルズバーグ、春」、他人の未来が見えてしまう自分が神だと思ってしまう俺が描かれた「神様の誤送信」が好みかなぁ。
それぞれ見ず知らずの人が別の人を幸せにしていたり・・・。
心配していた二人のその後も知れて、ほっこり😊
ちょっとずつ絡み合う5つの短編集。時空が捻れて過去に戻ったり未来の人と通信したり、不思議なストーリーでしたが、どれも面白くて心地よいストーリーでした。初めて読んだ作家さんでしたが、読みやすくて私の好みでした。
SF短編集、設定はすべて面白い。最後の未来予知の能力の話しが一番好きだった。未来からの通信、タイムスリップ、死んだ父親に名前をつけてもらう、前世の人とあうとかいい感じです。妻が死んで、その前にタイムスリップし妻の死をなかったものにしたいと思う男の「さかさまさか」とかも面白かった。短編集だけど、色々とつながっているのも良い。神のような能力があっても、誰も助けられない。これは不幸なのかもしれない。
バラフライは水泳のバタフライじゃなくて、蝶のことだったんですね。バタフライエフェクト「ブラジルの1匹の蝶の羽ばたきがテキサスで竜巻を引き起こす」のか?という問いに対して、可能性は低いけどないとはいえないとわたしは思っています。
まったく関係ないところで起きたことが別の場所に影響を与えるという話が本当なら、わたしがさっきの分かれ道で右ではなく左を選んだことで誰かの運命が変わってしまうのかもしれないのです。
「神様の誤送信」で、他人の未来が見えてしまう主人公が誰かの不幸を見つけてしまって、それを阻止しようとするんだけど上手くいかないという話は、なんだか分かる気がするなぁ。誰かの運命を変えようと思って何かをしても、運命は変わらない。でも、何にも考えないでやったことが誰かの運命を変えることはある。そんなものなんだよなって思います。
別のところで生まれた5つの物語が少しずつ関係しあって、不思議な面白さのある物語でした。
とても読みやすく、SFが苦手でも大丈夫。スコシフシギな物語です。
私が一番好きだったのは亡くなったお父さんに子供の名前をつけてもらう話。
すべて面白く暖かいお話でした。
亡くなった妻を取り戻したいがために坂道を後ろ向きに自転車で走るお話は、やはり、過去が変えられても全ての人がうまくいくという未来は難しいんだなと思いながら読みました。
著者の本を読むのは初めて。ペンギン、バタフライ、タイトルだけではどんな本なのか想像もつかなかった。書影も出ていなかったので。ペンギン、は短編の全てをゆるくしかし深くつなぐシンボル的なもの。バタフライは直接蝶が出てきた記憶はないので、例のエフェクトだろう。繋がれていく物語。伏線は丁寧に貼り回らされていて、凝っていて、時に、色々前に書いてあったことを反芻してゆく。柔らかく、温かい物語だった。作者の別の本も読んでみたくなった。