「人権」がわからない政治家たち
小林 節
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刊行日 2021/05/27 | 掲載終了日 2021/05/28
ハッシュタグ:#人権がわからない政治家たち #NetGalleyJP
内容紹介
現在の自民党政権の「憲法壊し」と「法破り」をこのまま許していいのか!
「正統派保守」を自任する第一線の憲法学者が斬る!
「モリ・カケ・桜・東北新社」など、一連の政治スキャンダルはもはや度を超えている。その背景には、権力を私物化し「法を破り」「法を壊す」ことにためらいを覚えない政治家たち、そして彼らに阿(おもね)る官僚の姿がある。
とりわけ憲法に定められた国民の基本的人権を守ろうとする姿勢などは皆無だ。憲法学者・小林節が日本政治の病巣を鋭く抉り、国民に警鐘を鳴らす!
※第一章(~54P)までの限定公開です※
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出版情報
発行形態 | ソフトカバー |
ISBN | 9784065241554 |
本体価格 | ¥1,300 (JPY) |
NetGalley会員レビュー
「人権」がわからない彼らは、
いろいろな物事や社会もわかっていないし、
わかろうとも思っていない。
国会中継や与党議員の言動を見ると、
彼らは、わたしたち国民の生活そのものが全くわかっていないのではないかと感じる。
国民の生活をわかろうとしない人たちの思いつきで振り回されるのは御免だ!
「『人権』がわからない政治家たち」という、かなり刺激的なタイトルに釣られて、この本の第1章を読ませていただきました。
第1章の小見出しにも「無知と矛盾の自民党改憲論」、「『教育勅語』の活用など、正気の沙汰ではない」、「『大学の自治』を理解しない自民党文教族議員」、「『義務を果たせば権利を主張できる』という勘違い」、「混乱に乗じて改憲を主張する不謹慎」、「まず現行憲法を守ってから言え」などなど、タイトルにもまして刺激的な言葉が並んでいます。
実際に読んでみると、憲法学の難しい用語はできるだけ避けて、憲法の本質とは何か、改憲論者たちがいかに無知蒙昧な妄言を繰り広げているかを、平易な語り口で説明しており、すらすらと読み進めることができました。
まるで小林節先生の生講義を聴いているかのような錯覚を覚えたほどです。
目次によれば、第2章以下にも、「大相撲の女人禁制は憲法違反ではないか」、「女性専用車両は『男性に対する逆差別』か?」、「『大臣の育休』は制度の趣旨にかなっていない」、「ありえない五輪開会式時間短縮の『違約金』」など、興味深いテーマが目白押しで、本が手元に届くのが待ち遠しいところです。
著者は「はじめに」で、「いまの自民党はもはや『保守』ですらない」、「野党の支持者だけでなく、真の『保守』を自認する人にこそ問題に気づいてほしい」、「真の『保守』派の人々こそ、誇りを持っていまの政治を叱り飛ばすべきである。」と訴えています。
そういう思いを共有する方のみならず、本当にそうかな?と疑問を持たれる方にこそ、この本を手に取っていただきたいものです。
この感想は、NetGalley が限定公開した第一章(~54P)までの文章を読んだ感想だということをお断りしておきます。
また、この本は『日刊ゲンダイ DIGITAL』の「ここがおかしい 小林節が斬る!」(https://www.nikkan-gendai.com/articles/columns/2980) の連載記事を書籍化したものです。
著者である小林節は、ヘイト番組のDHCチャンネル「虎ノ門ニュース」の常連で保守系言論人である竹田恒泰との対談本『憲法の真髄』(https://www.amazon.co.jp/dp/4584125848/) を出しているため、本書を読むまでは改憲論者だと思ったのですが、本書では安倍元首相および自民党の改憲派に対して辛辣な批判を展開しています。
特に、自民党の日本国憲法改正草案を「大日本帝国憲法 (明治憲法) 現代語訳」と断定し、国民の人権を破壊する「無知で無恥な」行為と批判し、改憲キャンペーンで語られる主張を「嘘八百」と断じています。
特に本文中では、保守系言論人である櫻井よしこの改憲論を「先に改憲論ありきで立論したような、筋違いで無責任な議論である」と批判すると同時に、改憲派が主張する北朝鮮・中国脅威論による「緊急事態条項の新設」や9条改憲を「嘘と矛盾に満ちている」と判じた上で、9条に自衛隊を明記しようとする自民党に対して、「主権者国民を『愚民』扱いするような、見え透いた嘘で世論を誘導しようとする立論が多すぎる」と強烈な言葉で批判しています。
安倍元首相を含む自民党の改憲派と、彼らを応援する保守系言論人およびネット右翼は、大日本帝国憲法を崇拝する人種差別主義者 (レイシスト) であり、人権を尊重する「日本国憲法」を批判・口撃して、彼らが崇拝する「大日本帝国憲法」へと改悪する「改憲論」を主張する言動はごく当然のことだと言えます。
著者が本書で主張する通り、日本国憲法は、国民が等しく平等であり、「国民主権」に基づき、国民の人権を尊重するための義務を民主主義国家の権力者である政府に課するものです。
これを破壊し、「大日本帝国憲法」に近づける改憲案は、「日本国憲法」が規定する「国民主権」ではなく、首相らが自分たちの好き勝手やりたいことをするという「権力者主権」に改悪する試みであり、これは安倍・菅政権が8年間以上に行ってきたような、国会での嘘や虚偽答弁、説明責任を全く果たさない「国会軽視」の姿勢と同じものです。
現在も続く新型コロナは、東日本大震災と、これにより引き起こされた福島第一原発事故に続く国難と言えますが、安倍・菅政権は新型コロナ対策に対してなんら有効な対策を打つことができず、医療崩壊を起こすほどの大失敗を続けています。
にもかかわらず、国民の反対を押し切って、東京五輪を強行する姿勢は、もはや国民の民意を無視し、政治家である彼らが政権にしがみつくための単なる「保身」としか映りません。
その責任転嫁のために、「緊急事態条項」を持ち出して改憲論議を進めようという姑息な手段は、トランプ元大統領が自分のコロナ対策の失敗を WHO や中国に責任転嫁し、「中国ウイルス」「武漢ウイルス」と誹謗中傷した行為と瓜二つに見えます。
いまや、IOC の開催地無視の発言により、五輪がいかに美辞麗句で飾り付けただけの、金儲け優先主義のお祭りであったかが、国民の目にも明らかになりました。
国民の人権を無視し、自分たちの利権や保身を最優先する姿勢は、多くの日本国民を裏切る国威であり、著者である小林節が書くように、政権交代し、自公連立政権を政権の座から引きずり下ろすしか有効な手が残されていないのではないでしょうか。
現在、一番大切なことは、明治維新から第二次大戦敗戦までの大日本帝国時代、国民に人権が認められなかった
「天皇制ファシズム」を法的に支えたのが「大日本帝国憲法」であり、大日本帝国が侵略戦争によりアジアの人々および一般の日本国民に対して多大な犠牲を強いた戦争加害という犯罪を、今一度深く反省し、現在の「日本国憲法」が先の敗戦の反省から制定されたということを日本国民全員が心に刻む必要があるのではないでしょうか。
日本国憲法の第11条から第14条に書かれていることは、日本国民全員の基本的人権を保障し、すべての国民が人種差別を受けないことを明文化しています。
つまり、日本国憲法は、民主主義に基づく世界に誇るべき平和憲法であるということを改めて認識する必要があると考えます。