この場所であなたの名前を呼んだ
加藤千恵
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刊行日 2021/04/26 | 掲載終了日 2021/04/25
ハッシュタグ:#この場所であなたの名前を呼んだ #NetGalleyJP
内容紹介
自身の経験を元にした、著者の新たな代表作。
小さな命に、こんなにも心は動かされる――。
日々、命の重みを実感する場所、NICU(新生児集中治療室)。
看護師、清掃員、臨床心理士、医師……。様々な立場の人が交差するこの場所で、小さな命から、そしてともに闘う両親から教えてもらうこと。
思いもよらなかった“新生児仮死”。自分がもっと気を付けていれば……。
「騒がしい場所」
看護師として頼られる日々。でも我が子にとっては、どんな母親なのか。
「働く場所」
18トリソミーとして生まれた心(ここ)。今はただ、ずっとずっと生きていてほしい。
「願う場所」
もう二度と返ってこない一日を、わたしたちは生きている。
当たり前すぎて誰もが忘れてしまいそうなことに、NICUという命の場所に身を置いたことで気付かされた7人の物語。
出版社からの備考・コメント
校了前のデータを元に作成しています。刊行時には内容が若干異なる場合がありますがご了承ください。
※※リクエストの承認につきましては現在お時間をいただいております。
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販促プラン
★★
作品の拡材や指定配本をご希望の書店様は
恐れ入りますが<講談社 第五事業販売部>まで直接お問合せをお願い致します。
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出版情報
発行形態 | ソフトカバー |
ISBN | 9784065228180 |
本体価格 | ¥1,350 (JPY) |
閲覧オプション
NetGalley会員レビュー
ある事柄について様々な立場の人が思いを語るという形式は一つの事実を多角度的に見られておもしろい。そしてそれが出産の場であればなおさら。また、描写が非常に細かく具体的で自分がその場にいるように感じた。子育て期真っ只中の女性なら読まずにはいられないと思う。
医療の進歩を感じた場所。NICUという耳慣れない名称も、経験した人ならば一生忘れない。特殊な場所であるゆえに不安も大きいけれど、こうして本になれば広く知られる。そこに入る子どもの家族も関わる医療スタッフにも、しんどい場所ではあるけれど頑張ってほしいと願う。
同年代の作家さんが作家さんだからということを除いても、こんな言葉で語彙で誰かの奥底に訴えかけることが出来るのかと、自分はもうそんな歳になったのかと思った。
たいていにおいて、文章をなぞってなんとなく物語を感じて面白かった、そうでもなかったで終始しまう読書ばかりの中で、それでも時々私でもわかる言葉で私にも深く考えさせられる考えに出会う、あー本を読んでて良かった、と思わせてくれるそんな作品でした。
病院、という多くの人にとって特殊な非日常の空間の中でも特殊な場所、NICU。
でも、突然縁を結ばれる人がいる場所でもある。
そんなことに初めて気付かされた本。
実人生の中では他人の視点でものを見ることはできないし、
複数の視点から同じものごとを見ることもできない。
だからこそ物語の中などでその擬似体験をし、気持ちを重ね、想像することで、
実人生においても幾ばくかは他人の気持ちに寄り添えたり、
痛みが伝わったりするように心を備えていくことが大事で、
不用意な一言は共感の欠如よりまえに想像力の欠如から発されやすいから、
そのことを改めて心しておかないとと考えさせられました。