陰翳礼讃
文:谷崎潤一郎 写真:大川裕弘
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刊行日 2018/01/18 | 掲載終了日 2021/05/05
ハッシュタグ:#陰翳礼讃 #NetGalleyJP
内容紹介
ほの暗さの向こうに、美しい世界が見えてくる
暗がりに潜む美を写し撮ったのは「気配を撮る名匠」と評される大川裕弘。『陰翳礼讃』の世界がより深く理解できるビジュアルブックです。
大川裕弘:1944年千葉県生まれ。「婦人画報」「美しいキモノ」「和樂」他、多くの雑誌の撮影に携わる。
ほの暗さの向こうに、美しい世界が見えてくる
暗がりに潜む美を写し撮ったのは「気配を撮る名匠」と評される大川裕弘。『陰翳礼讃』の世界がより深く理解できるビジュアルブックです。
大川裕弘:1944年千葉県生まれ。「婦人画報」「美しいキモノ」「和樂」他、多くの雑誌の撮影に携わる。
出版情報
発行形態 | ソフトカバー |
ISBN | 9784756250124 |
本体価格 | ¥1,900 (JPY) |
NetGalley会員レビュー
日本の美は薄暗がりが作り出していると、谷崎は語ります。静けさや陰の中で映えるように、日本の調度品は作られているから、それを明るい場所で見ると、ニュアンスが違うということなのでしょうか。
金箔を使った屏風や漆の器などは、薄暗い日本家屋の中でこそ、真の光を放つのだという谷崎の指摘に、ううむと唸らされてしまいます。確かに、金箔をはった仏像などは明るい場所で見ると、どうしてこんなにギラギラしてるんだろう?と思ってしまうけど、薄暗闇の中でわずかな光を当てたら、後光が指しているように見えるでしょうね。そういうバランスでできているということを知るのは大事なことです。
谷崎の文章に、屏風や庭や漆器などの日本的な景色の写真が結び付いて、実に美しい本です。
西洋化することが正しいと信じて、結局は明るすぎる町を作り出してしまった日本は、これからどちらへ向かっていくのでしょうか?
「うすぐらさ」の美しさに重きを置いた写真集。
谷崎潤一郎の文がまた沁みる。
やはり、和の美しさというのは日のさす明るいところでもよいけれど、ちょっと陰ったものもとてもよい。
畳や調度品なども、西洋のそれとはまた全然違っていて趣を感じる。
こういう本海外でも売れそう。
一気に読みました。タイトルから難しそうな本かと思っていましたが、そうではありませんでした。
数ページごとに美しい写真があり、文章も読みやすい文字の大きさと行間でとてもよく配置され、気持ちよく読み進めることができました。読みにくい漢字にはほどよくフリガナがつけてあります。ただ時折写真の横に見開きで本文中の文章が引用されているのですが、よく見ると書体を変えてありますが、ダブって読むことになり戸惑いを感じました。
内容は読んでいただくとわかりますが、西洋と東洋の文化の違い、光りをどうとらえるか、現在の生活にも当てはまるものです。洋風の暮らしの中にも日本人の意識があり、私は畳の部屋で暮らしていますが、電気のコードが邪魔だなあと常々思っていたりします。そう思うのはなぜなのかなど思いつつ、陰翳礼讃という言葉に納得しています。
写真はどれもとても綺麗です。黄金や床の間など本文の理解を助けてくれる写真もあります。個人的には手垢のついた道具や古い建物、建具などの写真も見たいかなあと思いました。
以前に「細雪」を読んだときにも感じたのですが、谷崎さんの文章は、一つの文が長く3つも4つも句点がありますが、流れるように読めて、すーっと心に入ってきます。短くて簡潔な文章がよいと思う時もありますが、長くて読みやすくて、わかりやすい、こんな文章が書けたらいいなと思います。
谷崎潤一郎の本と聞いても、なんとなく難しそうと思って嫌煙してしまうところ、今風の素敵な表紙と写真に騙されて?読み始めました。すると、非常に同意できる意見ばかり。しかも文章が非常に美しく、こんな良い随筆をとっつきやすくしてくれた方々に感謝しかありません。ぜひ皆さんに読んでいただきたい。今は日本的なものが見直されており、共感できる若者も多いのではないでしょうか?本書を読んで京都や鎌倉等の地に住みたくなりました。
地元の高校に入学する際、課題図書の1つとしてこの作品が選ばれている。
文章だけでも素敵なのだが、この大川さんの写真と一緒に読むと、
谷崎潤一郎の伝えたかったことがとても理解しやすい。
これは高校入学を控え「なんか難しいもの読まされている」と感じがちな子にもおすすめだ。
写真だけを見ていても、なぜか惹かれてしまうというのは、
自分の中に「日本の美しさ」を感じ取れるアンテナが育っているということか。
「日本人はフォントにも古さを感じて、手に取ってもらえない」と聞くので、
文章や写真にあわせたのであろうフォントにもこだわりを感じる。
日本人の美意識と日本家屋をリンクさせ、その薄暗い影に美意識の原点があると谷崎さんは言っています。本書は谷垣さんの文章に大川さんの写真が加わり、具体的に谷崎さんの文章の意味が視覚化できる構成になっていて、とても親切な本です。確かに、僧侶やら能の役者、歌舞伎の役者が派手な金ピカとか赤の服を着ますが、あれ闇の中ですごくいいんですよ。金の絵ですか、あれの美しさたるや・・・。写真を見てわかるわかると頷く自分がいました。日本家屋のトイレを別棟にする美意識、その庭の景色を楽しむという余裕。少しだけ古の日本人に触れた気分
画像がひたすら美しい。
静謐。四季。自然の美と、人間が自然とよりそうなかで作り出してきたもの。
谷崎潤一郎の生きた時代から変わらぬものとかわったもの。
本書はいろいろな版が出ているだろうが、このような楽しみかたもできるのか。
是非手にして読みたいとおもう。
よむ機会を与えてくださりありがとうございました。
谷崎潤一郎の著作ということで、難解な内容のものを想像していましたが、読んでみると納得することが多かったです。
また大川氏の写真が、素晴らしく谷崎の言いたいことを視覚的に理解する助けになっていると思いました。文章が分かりにくいかなと思った時に写真を見て「あぁなるほどそういうことか。確かになぁ」と何度も感じました。日本人の生活は隅々まで明るく、陰影を感じることは日常的には難しくなっているようにも思います。しかし、この作品を読んで、陰影の良さを再発見できるということは、やはり日本人らしい感性をまだ失っていない、これからも大切にしていこうと考えさせられました。