本のエンドロール
安藤祐介
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刊行日 2021/04/15 | 掲載終了日 2021/04/14
ハッシュタグ:#本のエンドロール #NetGalleyJP
内容紹介
物語を綴る「作家」と、それを受け取る「読者」の間にいる、「本を造る人たち」。
印刷会社の全面協力を得て、彼らの職人的活躍と仕事に対する葛藤を描いた、安藤祐介会心のお仕事小説です。
単行本刊行時には、印刷会社、製本所など本造りの現場のみならず、完成した本を「読者」に手渡す「書店員」さんたちからも熱い支持を得たあの作品が、ついに文庫化!
コロナ禍を経て、人にとっての本の存在を改めて問う、文庫オリジナルの書き下ろし掌編『本は必需品』も収録。
出版社からの備考・コメント
※※リクエストの承認につきましては現在お時間をいただいております。
★発売前作品のため、ネタバレや、読書メーターやブクログなど外部書評サイトで発売前にレビューを投稿することはお控えください★。
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おすすめコメント
本のエンドロールとも言える「奥付」に載っている「会社」の名前。
そこには、自分の仕事に誇りを持ったり悩んだりしながら、本を造る「人」たちがいます。
本に関わる仕事人たちはもちろんのこと、
本を造るってどんな仕事だろうと興味のある方たち、
そして、本を愛するすべての人たち、
さらには、今日も働くすべての人たちに読んでほしい。
物語にこめられた働く人へのエールに、じわりと胸が熱くなります。
――担当編集より
本のエンドロールとも言える「奥付」に載っている「会社」の名前。
そこには、自分の仕事に誇りを持ったり悩んだりしながら、本を造る「人」たちがいます。
本に関わる仕事人たちはもちろんのこと、
本を造るってどんな仕事だろうと興味のある方たち、
そして、本を愛するすべての人たち、
さらには、今日も働くすべての人たちに読んでほしい。
物語にこめられた働く人へのエールに、じわりと胸が熱くなります。
――担当編集より
販促プラン
★★
作品の拡材や指定配本をご希望の書店様は
恐れ入りますが<講談社 第五事業販売部>まで直接お問合せをお願い致します。
★★
★★
作品の拡材や指定配本をご希望の書店様は
恐れ入りますが<講談社 第五事業販売部>まで直接お問合せをお願い致します。
★★
出版情報
発行形態 | 文庫・新書 |
ISBN | 9784065230688 |
本体価格 | ¥920 (JPY) |
NetGalley会員レビュー
書店員、編集者、図書館員…本に関わるお仕事小説は数あるけれど、印刷会社にフォーカスした小説は初めて読んだ。
自分の主義や夢を持って働く登場人物たちを応援したくなる。
印刷会社といっても、ただ印刷するだけでなく、原稿からゲラに起こしたり、装丁をデザインしたり、出版社と印刷工場のスケジュールを調整したりと、色んな仕事があるのだと初めて知った。
印刷会社の見学ツアー、行ってみたいなぁ!
本好きにはぜひ読んでほしい。本のありがたみが分かるお話です。
書店で働く自分でも知らないことが多く私も豊澄印刷を見学させてほしくなりました。
読んだ後にはお気に入りの本をあらためて手に取りその一枚一枚の質感をいつも以上に愛おしく感じました。
今この時代にこの書き下ろし掌編が読めたのも良かったです。
本は必需品。
私も心から思います。
書評 タイトル「一本の道」
印刷会社って!!!
就職する若者に夢を与えることが必要なのか
現実の厳しさを知ってもらう事が必要なのか
新入社員に夢を与えることが必要なのか
現実を知ってもらうことが必要なのか
読み進めるごとに
疑問が続く。
本造りや低下を決定する装丁会議
印刷機も仲間だ。
インキを混ぜて、注文通りに色を作る。同じ作業の繰り返しだが、出てくる結果は毎回違う。紙に乗せると尚更だ。その日の湿気や温度、紙の状態。
印刷営業と顧客との戦い
紙と印刷機と
「誤字、脱字」
「一丁切り替え」か「シール貼り」
「本が出来るまでのストーリー」
本の出来栄えひとつで
出版社は一人の作家の人生を預かることがある。
大会社の使命か、中小企業もそこまで入り込むことができるのか、
本を書く人、企画する人、作る人、配本する人、そして売る人
普段は関わりがなくとも一本の道で繋がっている
印刷業界、出版業界、市場では落ち目だ。
その中で闘う小さな会社の社員達。
でも夢と現実のギャップから立ち直る
そして、一冊の本ができあがる
そこに喜びと感動がある。
最後のシーンはささいな業界だけど
小さな印刷会社の日常の一ページがこんなにも人を
シュールにさせてくれる。本のエンドロールは
人と機械と雑務の戦いを手に汗を滲ませながら
いや、ひょっとしたら少しくらい涙がでてもいいんじゅぁないか
と思わせてくれる。
映画のワンシーンのように余韻が残る僕がいた。
本を作るという仕事は時間との闘いでもあるし、著者や出版社の注文にいかに答えていくかという闘いでもあります。要望にどれだけ答えられるかということとコストの問題の板挟みになりながら頑張っていく職人さんたちの努力には、本当に頭が下がる思いです。
ただでさえ活字離れの近年なのに、更に電子書籍が増えてきて紙の書籍が減ってきて、印刷所の仕事が減ってきているというのは、出版界にとってとても大きな問題です。この本の中でもその話が出てきます。媒体は何であれ本を読んでくれる人がいる限り本を作り続けることに意義があるのだと考えている人がいるからこそ、わたしたちは本を読むことができるのですね。
本を好きな方にも、そうでない方にも、是非読んでもらいたいなぁと思う本です。本の奥付は映画のエンドロールと同じなのですね。これからは本を読んだら必ず目を通そうと思います。
本好き大集合と言う物語である。本は作家のみではなく、いろいろな人の手を経て1冊の本になる。当たり前のことなのだがその過程が本当に丁寧に書かれていて、改めて自分の持っている本に対しての愛着が深まるような気がした。特にペーパーバックからハードカバーの豪華版まで、プロモーションの仕方が見えてきたのにはとても興味深かった。
編集、営業、版起こし、表紙デザイン、印刷、製本等々、そのチームワークは池井戸さんのものづくり企業小説を彷彿とさせる。その志を支えるのは「本が好き」という一点だ。短い奥付を「エンドロール」と語るとき、名前の載らない数多くの人々の想いが私たちにも伝わってくる。暗い中で画面を凝視する映画館のように、奥付のページにたどり着いたとき、物語の余韻に浸ると同時に、携わってくれた人々にも思いをはせることができるように思う。素敵な作品をありがとうございました。
読みはじめてからすぐに、
「あぁ、失敗したなぁ」と思いました。
この本は、この本こそは、
紙の本で読むべき本だなと。
"この先、生まれて初めて触れた本が電子書籍だという人が増えてくるでしょう。本が読まれなくなる中、液晶画面を通して本との出会いが少しでも広がるなら、それは素敵なことだと思います"
この先どんどんデジタル化が進んで
電子書籍が増えていったとしても
好きな作家さんの新刊発売日には
うきうきした気持ちで書店に買いに行きたい。
指でスワイプするんじゃなく、
紙のページを捲りたい。
"豊澄印刷の文字の向こうに、全社員の名前が刻まれていると思う。奥付は本のエンドロールだから"
今まで、本の奥付って
あまり気にしたことがなくて。
映画を観に行って、エンドロールを
観ずに帰ってしまう人が理解出来ない
と思っていたけど、私は今まで
本のエンドロールを観ずに読み終わった
つもりになっていたんだなぁ。
恥ずかしい。
"本はウイルスを殺せない。本は疫病を治せない。
それでもこの長い非常事態の世界にあって、本を必要とする人が確かにいる。人の心に寄り添うとか、勇気を与えるとか、そういう気負いは抜きにして考えてみる。
そうだ。自分たちは本という必需品を造っているのだ。"
去年から「不要不急」という言葉を
嫌というほど聞くようになりました。
たしかに、本がなくても死なない。
でも、決して不要不急なんかじゃない。
本なしの人生なんて考えられない。
たまたま出会った1冊だったけど
本当に読んで良かったです。
本が売っていることが
当たり前みたいになっているけど、
1冊の本を作るのに、こんなにも
たくさんの人の想いが込められているんだなと改めて感じました。
本が好きな方には一度は読んでみて
いただきたいです。
さらに本が愛おしくなる。
紙の本でも購入しようと思います。
『本のエンドロール』
本を印刷する印刷会社を中心に描いた本を造る人たちの物語。
印刷会社は本の助産師。
物語という魂に、本という肉体を授ける仕事。
物語を書く作家さん、編集者さんだけでは本は生まれない。
こんな大変な思いをして一冊が造られ、書店に並ぶ…
本に関わる仕事をしている者として、本を愛おしく感じた。
この仕事が天職だと自信を持って言えるのは素晴らしい。
そうでなくとも目の前の仕事に全力を尽くす…
仕事をする上で本当に大切なことだと思う。
本に関わるすべての人に読んでほしい。
映画にエンドロールがあるように、本にもエンドロールがある。
今日も、思いが詰まった本に出会えることに感謝。
この本を書いてくれた著者、そして、造ってくれたエンドロールに名前が載っていない人たちに感謝。
本を作る話で印刷会社がメインなのですが、普段わからない印刷にかかる話に加え、紙の本と電子書籍のそれぞれにどんなメリットがあるのか、印刷業者側の視点で書かれていて、非常に勉強になりました。私自身、紙の方が読みやすいし趣もあって好きなのですが、いかんせんスペースの問題から電子書籍がメインになっています。この本を読んで改めて紙の本の良さだけでなく、電子書籍の良さも知れて良かったです。
紙でも電子でも、本は人の人生に必要なもの。この本は特に本好きの人ならジャンルを問わず読んでいただきたいです。
仕事柄、本の奥付を見る事はありますが、印刷会社の名称を気にしてみた事はありませんでした。でも実際、印刷会社が無ければ本は完成しないんですよね。そのことに改めて気付かされました。彼らも本が好きで、本作りに誇りを持って懸命に仕事をされている事、電子書籍の台頭に不安を抱いている事。とても興味深く、そして紙の本が出来るまでに大勢の人達が関わり、大勢の人たちの気持ちがこもっている事を知り、これからは本のエンドロールもしっかりと読みたいと思いました。
奥付が本のエンドロールだとすると、本当によく目を凝らして見通さないと見えない人が多いなぁと感じさせられました。あとがきがない本も多いので、編集さんも見えないし。
『紙つなげ』や『舟を編む』のお蔭で本の完成に至るまでの紙の有難味、個人的に参加した製本所のワークショップのお蔭で製本作業の価値等はある程度分かった気になっていましたが、刷るところに気を配ったことがなかったことに気付かされました。
機械だろうが調子はあって声をかけながらやるあたりは製紙作業にも似たところがあり職人技を感じられて、人の手を介すことの価値も再考できた気がします。
いまは書いた人から直接読み手に届けることも容易だけれど、人が関わることで生じる化学変化的なものの価値はこの先も力を失わないと思いました。
本は電子よりも紙派なので、作品が出来上がってから自分の手元に届くまでの間にこんなドラマがあるのかと、ラストまで一気に読みました。どんな職業でもですが、その仕事にプライドを持って極めてる人は格好いい。紙の本の文化、絶対に廃れて欲しくないな。今まで以上に大切に扱いたいなと思えました。製本工場、見学してみたい。