主権者のいない国
白井 聡
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刊行日 2021/03/25 | 掲載終了日 2021/03/31
ハッシュタグ:#主権者のいない国 #NetGalleyJP
内容紹介
政治が国民にとって「災厄」となった絶望の時代を、私たちはどう受け止め、どう生きるべきなのか?
いま日本でもっとも忖度しない、ひよらない、おもねらない政治学者の最新論考!
国民を見殺しにして、お友だちの優遇や経済を優先する現権力の暴走の根源にあるものとは?
資本主義の「人間毀損」が行きついた果ての「命の選別」を受け流さず、顕在化した社会的モラルの崩壊に立ち向かうための必読書!
≪著者≫白井 聡
思想史家。政治学者。京都精華大学教員。
1977年、東京都に生まれる。早稲田大学政治経済学部政治学科卒業。一橋大学大学院社会学研究科総合社会科学専攻博士後期課程単位修得退学。博士(社会学)
『永続敗戦論 戦後日本の核心』(太田出版)により、第35回石橋湛山賞、第12回角川財団学芸賞などを受賞。その他の著書に『未完のレーニン』(講談社)、『国体論 菊と星条旗』(集英社新書)、『武器としての「資本論」』(東洋経済新報社)などがある。
出版社からの備考・コメント
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販促プラン
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作品の拡材や指定配本をご希望の書店様は
恐れ入りますが<講談社 販売部>まで直接お問合せをお願い致します。
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出版情報
発行形態 | ソフトカバー |
ISBN | 9784065216866 |
本体価格 | ¥1,700 (JPY) |
NetGalley会員レビュー
本書のタイトルにあるように、日本と言う国は本当に不思議な国だと思う。政治の話が出るとその場の空気が悪くなると思うのか「よく知らないから」と逃げることが多い。18歳参政権が国会で全会一致で可決されたにも拘らず、学校で主権者教育を取り入れる教員に目を付けて「偏向している」とつるし上げる。若者も老人も国の多数に迎合することが一番なのだという雰囲気が蔓延しているようにさえ思える。
白井先生はそうした日本人を「国体」という天皇を頂点としてきた精神的支柱の中でこれまで考察し、それが天皇からアメリカ合衆国に変わっていることを様々な側面から論考している。以前読んだジョン・ダワーの「敗北を抱きしめて」の中にマッカーサーに陳情の手紙を出す日本人の姿が書かれていたが、徹底的に敗北した日本人には天皇に代わる神がそこに現れたのかもしれない。
しかし常に自分を庇護してくれるものを探すだけで自身が傷ついても責任を引き受けようとすることなしには、永遠に主権者とはなれない。たぶん日本人は処世術と言う名のマナーは学校で教えられても真の意味での権利とそれに伴う責任については学ぶべない。社会を見る眼を養えず、大人になれないままに組織の中に取り込まれていかざる得ないのかもしれない。
白井先生がその中身を暴く安倍・菅政権の悪を許しているのは、そんな私たち国民なのだという、的確で重い指摘を受け止めなくてはいけないと思う。