スモールワールズ
一穂ミチ
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刊行日 2021/04/20 | 掲載終了日 2022/02/28
ハッシュタグ:#スモールワールズ #NetGalleyJP
内容紹介
祝!本屋大賞ノミネート!
第165回直木賞候補でも話題の1冊を是非お読み下さい!
<あらすじ>
「ままならない現実を抱えながら生きる人たちの6つの物語」
夫婦円満を装う主婦と、家庭に恵まれない少年。
「秘密」を抱えて出戻ってきた姉とふたたび暮らす高校生の弟。
初孫の誕生に喜ぶ祖母と娘家族。
人知れず手紙を交わしつづける男と女。
向き合うことができなかった父と子。
大切なことを言えないまま別れてしまった先輩と後輩。
誰かの悲しみに寄り添いながら、愛おしい喜怒哀楽を描き尽くす連作集。
おすすめコメント
※可愛い表紙に騙されないで下さい※
気付いていただけるでしょうか。
最終話に仕掛けられた一話目への伏線に。
独立した短編に仕掛けられたリンクに気付いた瞬間、鳥肌モノの衝撃が襲います。
「歪んだ家族」をテーマに描く共感度の高い物語であると同時に、とんでもない仕掛けをひそませた、最高のミステリーでもある『スモールワールズ』。
最後まで読んで「ある違和感」を覚えた人物に注目してください。
それに気付くと、見えていた景色が180度変わる快感を味わえます。
――担当編集より
販促プラン
★★★
読み終わりましたら是非NetGalleyへレビューを投稿ください!著者・担当編集共に楽しみにお待ちしております。
ご協力の程、何卒宜しくお願い致します。
★★★
作品の拡材や指定配本をご希望の書店様は
恐れ入りますが<講談社 第五事業販売部>まで直接お問合せをお願い致します。
★★
★★★
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★★★
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★★
出版情報
発行形態 | ソフトカバー |
ISBN | 9784065222690 |
本体価格 | ¥1,500 (JPY) |
閲覧オプション
NetGalley会員レビュー
振り幅っっっ。
どの話も全く違った後読感に、本当に一人の作家さんが書いてるのか?と思ってしまう程。
それぐらい多彩。唯一無二。なのに全編を通して感じる孤独と静けさ。
静かなのに、激しく突き刺さってくる。
あー。読んだ人と語り合いたい。この話のココが好きだと叫び合いたい。
初めて一穂ミチさんの作品を読みました。
どの作品もテイストが違い、それぞれにずっしりと響くものがありました。
ーー誰の人生だって、激動だよなあ。
それでいて社会の、取るに足りないピースのように扱われることもあるのがひとりひとりの人生。
そのままならない現実を、悲しみを描きながら、それでも人生のかけがえのなさが染みました。
狂気は静かなんだな。
読書ならぬ毒書だった。
最後の章からまた悪夢の輪廻のように最初に繋がる一節を見つけたとき鳥肌が立った。
全部違って 全部疲れた。いい意味で。
全ての章が 全て違った手法で書かれていた。こんなふうに書ける方がまだ世の中にいらっしゃるんだとゆう 感嘆の溜め息が出たわ。
ほんとうに面白かった。
そこにある小さな幸せを守ることすらむずかしいこの世界で、皆、もがきながら生きている。
あっ・・・どうして、と思う展開が何度もあって、その度に胸が苦しくなった。避けることはできたのではないか、あの時、なぜそうしなかったのか。
悔やんでも、過去は変えられない。傷を抱えたまま人は生きていく。その先に光が差しているのかはわからない。それでも、次は、前とは違う何かを見つけられるかもしれない。
読めて良かったなと強く思う作品でした。
どの物語も心に残るもので、生きることのむつかしさ大変さ想像以上の現実に胸がいっぱいになりました。
登場人物の誰もが魅力的で、描かれ方に惹かれ、一人一人の物語をもっと読みたいととてもとても思っています。
たくさんの人に読んでもらいたい作品でした。
そして長編も期待しています。
『ピクニック』は、誰も悪くないからこそとても苦しくて、でもラストは背筋が凍る恐怖を感じて。
かと思ったら『愛を適量』では親子の雪解けに触れてほっこりする。
どの家族にもその家の人間にしか分からないあれこれを抱えていて。
スモールワールズ、まさに“家”という最小単位の世界で起こる出来事を描くのがとても秀逸でした。
まだこんな作家さんがいたのかと。今後が楽しみです!
「上手」とはいえない生き方の葛藤を優しく炙り出す・・・
賑やかしいわけでもなく、静かすぎるわけでもないのに、なぜか心音だけが(激しい鼓動や瞑想に近い状態の心音)耳奥に届くかのように感じました。
彩は様々で多様な感情を炙り出し引きずり込みながらも安寧に導くような不思議な文章。
平静を装いながらも不器用に生きている我々の琴線により響く短篇集。
すごく現実的な日常。どこかの街でどこかの隣で起こっていそうな日々。小さくまとまって、まとまりすぎてぎゅっと凝縮されているようで、息継ぎがしたくなる。閉塞感?窒息しそうなほどの日常に、ちょっと押しつぶされそうな気持ちがする。
人生は上手くいかない。
誰もが、簡単には人に言えない悩みや苦しみ、寂しさや生き辛さをひとり胸の内に抱え、何事もないような顔をして生きている。けれど誰もが、本当は心細いし怖い。
起こる出来事に翻弄されながら生きる人の心を見つめ細やかに言葉を紡ぐ作者に、読者はどうしようもなく感情を揺さぶられながらも、同じく今を生きる自分に重ね合わせずにはいられない。
根底に流れる人間愛とも言うべき様々な人の生への共感と肯定感が、読者の心を捉えて離さない1冊。
自分の身近に起こる事がある。と言う意味での「スモールワールズ」なのかな。どの作品もミステリー要素はあるものの、読み終わる時に残るのは「そっちか!」といった、予想をいい意味で裏切られる。なので、ミステリーでありながらも余韻はほっこり?と、今までにない作品。『魔王の帰還』『花うた』が特に好き。
夫婦、姉弟、家族、男女、親子、先輩と後輩、6編の短編の中で様々な人間関係と渦巻く感情に飲み込まれていく。
登場人物たちは、なぜそんな行動に至ったのか、読めば読むほどにその道しか選べなかったという閉塞感に押し潰されそうになる。
見たいものしか見ようとせず、信じたいと思うものしか信じられない、私はなんて小さい世界に生きているんだろう。
そう思い知らされた衝撃の作品。
この本は私の人生のお守り代わりにします。
凹んだ時や悲しい時でも私にはこの本があると思うだけで心強く、救われる気がします。
世の中で独り悲しんでいる人やどうしようもない孤独感に苛まれている人、やるせない思いを抱えきれないような人、そんな人たちの1人でも多くにこの本が届いてほしい。この本は希望です。
一つ一つの作品に毒が散りばめられていて、読んでいてドキドキするのに、次はどんな話なんだろうとワクワクしてしまう短編集です。作品も素晴らしいですが、一穂さんという作家さんを知ることができて、とても衝撃的な読書体験ができました。これからも応援します!
どの物語も読みながら切なくて、こう終わるのかー!と泣きながら小さく叫びました。うまく表現できませんが、重くて濃厚なものを軽やかに爽やかに書かれていた物語だと思いました。
文芸書担当も読んで絶賛していました。
私は購入するつもりです。
素晴らしい物語を読ませてくださり、ありがとうございました!
6つの異なる毒素が注入された短編集。少し見えたと感じた先が思わぬ方向に転がり落ちていく恐怖と焦燥感を煽るミステリアスな作品。「喜怒哀楽を描き尽くす」の言葉そのまま、心の起伏が残酷なまでに自由に表現されていて、人の脳の保身的な処理能力が見えた気がして感動した。全編通して他人では触れ難い繊細な部分がテーマで、読後タイトルが意味が重くのし掛かってくる。
意外性が繰り返し訪れる『ピクニック』が個人的に一番印象的な作品でした。
一穂ミチとは一体何者なのか?
甘やかな毒が身体中に巡り、いつしか虜になってしまうなんて危険すぎる。
世の中にはまだ、こんなにとてつもない天才がいたらしい。
知ってしまった以上、もう後戻りはできない。
この作品を読む前の自分には戻れないと思うと、ますます逃げられない罠にハマってしまったことに戦慄する。
装幀の愛くるしさに騙されてはいけない。
読んでほしいけど、教えたくない……!!魅惑の6つの短編集。
とりあえず今年読んだ中で私はこの本が一番好きだと思いました。とりあえず絶対紙の本で買います。
短編集ですが、すべてが切削と言っていいほどのクオリティで、読後感がそれぞれ違う!
「ネオンテトラ」では少しぞわっとしたし、魔王の帰還では泣きました。とにかくすべてのお話が最高です。
一穂ミチさんも凪良ゆうさんのようにBL作家さんのようですが、今年BL作家さんの活躍がすごくないですか?
今年はとうとうBLに手を出してしまうのかもしれない。
この世界の中にはたくさんの家族がいて、人と人の繋がりや関わりは星の数ほどあるはず。何が正解で何が間違いかなんて、誰にも判断できない。誰かを想う気持ちも、誰かを憎む気持ちも、その人自身のもの。夫婦、親子、兄妹の気持ちの一瞬を絶妙に切り取ってさらしてくる、その有り様に心がひりひりした。そんな心に響く6編の短編。登場人物たちが密やかにリンクしているのも心憎い。
初読み作家さんだったけど、良い作品を読ませてもらった。
何気ない日常のお話かと思っていたら、気づいたら引き込まれていた。
時には、空虚・狂気・つらく・悲しくあるいは淡く切なく、真実は意外にも非情だった。
真実は誰も知らない。自分を保つために封印していた過去・心の扉をそっと開き、
自分を解き放った時、本当の自分と向き合う物語。
複雑な思いを抱えながらの交流がもたらしそれぞれの結末。6つの物語で繰り広げられる何とも皮肉な展開の中で少しずつ変わってゆく繊細な心理描写がとても印象的で、このフィールドで著者さんが書き上げる物語をもっと読んでみたくなりました。
じんわりと温かみを感じる話、オチがわかってゾクっとする話、さまざまなバリエーションで心を揺らす作品集。さりげなく繋がるスモールワールズ。すてきだけど、やっぱりおそろしいのは人間。自然な会話と、選び抜かれた言葉のバランス、場面が変わるテンポが良い。
6遍からなる短編集。すごく良かった!デビューして10年たつ作家さんだそうですが、BLのジャンルで活躍。私は畑違いで全く知りませんでした。今回の「スモールワールズ」でファンになりました。出戻りの姉について弟が語る「魔王の帰還」。ホラーっぽいタイトルですが決してホラーではありません。クスッと笑えてホロッとするお話。殺人犯と文通をする「花うた」。別れた子供との再会を描く「愛の適量」。どれも良かっですが、読み始めと終わりの"顔"が大きく変わるのが特徴でしょうか。気持ちのいい裏切りと余韻が癖になりそうです。
最初のネオンテトラから暗く静かにそして狂気に似た怖さが満ちていた。
こういうお話が続くのかと思いきやあまりの振り幅に自分の感情や価値観も大きく揺さぶられ心に刺さる一冊となりました。
痛みだけでない色々な感情が誰かの言えない苦しみを和らげることができる、力のある作品でした。
個人的には魔王の帰還がとても良かった。
何度も読み返しています。
凄い作家がいたんだなぁ、誰が見つけてきたんですか、、、
世界は小さくて、狭くて、いろいろなところで似たようなことが起きている。
短編なのに、そのイメージを疑わせるような重みと説得力のある1話1話です。きっとものすごくわたしたちの生活に近くてリアルだからそう感じたのだろうと思います。
書き口がいろいろと並んでいて、うまいなあ、おもしろいなあ、うひゃあ、と読者をたのしませてくれます。
全てジャンルが違うえげつない作品集。これ一冊で「一穂ミチはなんでも書ける」と知らしめている。文章が上手すぎるので、一瞬で世界に引き込まれ、気がついたら読み終えています。ミステリー、恋愛、純文学、ホラー、青春、などなど、全ジャンルの長編が読みたいです!
いろいろな人生を垣間見ているような気持ちになる短編集。本当にランダムに世界を上から見てひょいっとその人の人生を見ているような。どれも必ずしも「良い話」ではないが、光は見える。読後はスッキリした気持ちになれる。短編集だし読みやすいのであまり普段本を読み慣れていない人にもおすすめできそう。
これは私が覗いてしまってもよかったのだろうか…?と思えるような、見てはいけないものをみたような気分です。それなのに出てくる感想は、とても面白かった。です。
物語毎に人のいろんな感情が次々と襲いかかって来て、呑み込まれそうになりながら一気に読みました。物語の登場人物達と一緒になって悲しんで、怒って、そしてハッとさせられて、感情がとても忙しかったです。美しいものばかりを描くのではなく、人の狂気や残酷な面も生々しく描かれていて、目が離せませんでした。
明るい面白さではありませんが、何かが静かに迫り来るような面白さがよかったです!ありがとうございました!
イッツ"ア"スモールワールドではなくスモールワール"ズ"なのが良い。神の視点で読めば小さい世界だけれど、人の主観の数だけ世界がある。隣の芝が青く見えているだけで、本当は誰もが狭い水槽の中に押し込められたような閉塞感を抱えて生きているのかもしれない。連作短編集と言うほど関わりはないが、次はどの人の話を取り上げるのだろうと想像しながら読むのも楽しい。
まず最初の「ネオンテトラ」で、結末にビビった。次の「魔王の帰還」は楽しく読めたけど、その次「ピクニック」……。ああ、よかったなあ、と思ってからのラストの急転直下!!…オイ!普通に感動させてくれよ……と思ってしまったけど、その感情がシェイクされるような感覚が楽しくなってくる。もう何が来ても驚かない、と思ってたのにまだまだ感情は乱高下。ラストまでずっとそうだった。
それぞれの小さな世界は、それぞれに激動だ。かわいらしい表紙と、タイトルを見返しながら、それぞれの光を想う。
私もスモールワールズで生きている!
読んで最初に感じたこと。
誰だって色んな現実を受け止めて、受け流して、目を逸らして、日々を送っている。
そりゃあ、みんなハッピーでいられればいいけれど、人生はそんなに甘いもんじゃない。
でもちょっとの事で幸せを感じたり、希望を持てたりするから、明日を迎えるのが怖くない。
この世界のどこかにいる誰かの人生をこっそり覗いているみたいな気持ちになりました。
短編なのに、一編一編の内容の濃さがとても短編を読んだ後とは思えないほどの感情の揺さぶりと読後感を与えてくれます。
すごくいい舞台を観たような感覚です。
どのお話も切なさとやさしさといろんな愛情が同居していて思わず誰かに勧めたくなる一冊です。
短編集ということを置いても、重い題材がサラッと読みやすい。個人的に、『魔王の帰還』だけでもぜひ読んで欲しいと思う。NetGalley で読めなかったら、読まなかったかもしれない。これを機会に、他の本も文庫本が発売になったら読んでみたい。
どうにもならない事を、誰もが抱えてると思います。
自分の性格がトラブルを招いてると分かっていても、どうにも変われなくて、他人のせいにしては嫌われて…
せっかく新しい環境で新しい人達と出会っても、また、どうにもならない日々に舞い戻ってしまう事も多いでしょう。
小説は、過程で共感出来ても、偶然特別な事が起こったり、たまたま味方になってくれる人が現れたりして、主人公自身の心も変化して、『良い』ラストを迎える事もあります。
でも、この作品集は、どの話も、救世主によって『良い』解決が、運良くもたらせる事はありません。
恐らく、『嫌な奴』だと思われてた人が、他人から『良い人』に変化する事もありません。
ただ、ほんの少しだけ…
本当に、ほんのちょっとだけ、登場人物達が心を軽くする方法を、自分で見つけます。
読後、ほんの少しだけ、心が軽くなったような気持ちになれました。
読み返したくなる作品だと思いました。