巨悪
伊兼源太郎
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刊行日 2021/02/16 | 掲載終了日 2021/02/15
ハッシュタグ:#巨悪 #NetGalleyJP
内容紹介
消えた復興予算、2兆円。
この国には、震災を食い物にする奴らがいる――。
《日本最強の捜査機関》東京地検特捜部に配属された検事・中澤源吾は追い詰められていた。
大手運送会社社長の億単位の脱税疑惑を追うも、立証できたのはごく一部。
だが、元同級生の事務官・城島毅らと捜査を進めるうち、不可解な金の動きは東日本大震災の復興補助金に繋がり――。
元記者の著者による、骨太の社会派ミステリー!
消えた復興予算、2兆円。
この国には、震災を食い物にする奴らがいる――。
《日本最強の捜査機関》東京地検特捜部に配属された検事・中澤源吾は追い詰められていた。
大手運送会社社長の億単位の脱税疑惑を追うも、立証できたのはごく一部。
だが、元同級生の事務官・城島毅らと捜査を進めるうち、不可解な金の動きは東日本大震災の復興補助金に繋がり――。
元記者の著者による、骨太の社会派ミステリー!
出版社からの備考・コメント
※発売前作品のため、ネタバレや、読書メーターやブクログなど外部書評サイトで発売前にレビューを投稿することはお控えください。
※※リクエストの承認につきましては現在お時間をいただいております。
校了前のデータを元に作成しています。刊行時には内容が若干異なる場合がありますがご了承ください。
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おすすめコメント
これほどまでに真に迫る形で、「東京地検特捜部」を扱った入魂の小説があっただろうか。
『巨悪』を読めば、わかるだろう。
伊兼源太郎が、いま猛烈な勢いで巨星・横山秀夫の域に近づきつつある要注目の俊英だと!
――宇田川拓也(ときわ書房本店)
理不尽な社会の拳となるのは絶望から生まれた怒りの感情。
「巨悪」とはこの世を覆い尽くす闇でもあれば身近に潜む棘でもある。
本物の正義が伝わる揺るぎなき物語!
目を背けてはならない現実がここにある……。
――内田剛(元書店員、ブックジャーナリスト)
やられてしまった。善とは悪とは。考え続けている。 「巨悪」は私たちに関わっていると悟った。
中澤、城島の奥に宿る哀しみが心に涙を流させた。
重いテーマ、エンタメ度満点の傑作ミステリー。
誰かに思いを話したい。
――山中真理(ジュンク堂書店滋賀草津店)
東日本大震災から今年で10年。
巨額の復興予算が、被災地以外で使われたのはなぜなのか。
この国の正義は、どこにあるのか。
取材不可能な組織・東京地検特捜部に真正面から挑んだ、スリリングな社会派ミステリー!
ノンフィクション好きの方にもオススメです。
――担当編集者
販促プラン
★★
作品の拡材や指定配本をご希望の書店様は
恐れ入りますが<講談社 第五事業販売部>まで直接お問合せをお願い致します。
★★
★★
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★★
出版情報
発行形態 | 文庫・新書 |
ISBN | 9784065224212 |
本体価格 | ¥1,000 (JPY) |
NetGalley会員レビュー
社会派ミステリーと銘打っているが、なかなかに骨太な検察小説とでもいった方が良いだろう。前半に散りばめられた伏線が一気に繋がっていく後半のスピード感は堪らない。一気読み必至だ。まさにジグソーパズルが完成していくときのように、諸々のピースがきっちり嵌っていく爽快感が気持ち良い。600ページ近い大作であるが、伏線をきっちり回収し破綻なくまとめ上げる筆力はさすが元新聞記者だ。巨悪という実体のない概念的なものだと思っていたものが、やはり存在するのではないか。それも、意外と身近なところに草の根をはやすように存在しているのではないか。そんな恐怖を感じさせる超弩級のサスペンスであった。
長編小説でしたが、長さを感じない作品でした。特に真相が分かった後半からは一気読みしました。
前半、上司の「自分のやり方は合ってる、その通り行動しろ」的な言葉に度々腹が立ちましたが、自分のやり方を変えずに進めていく主人公に尊敬しました。私が同じ立場なら頭にきても上司の指示通りに動いてしまうので。
後半からは真相が分かってくる辺りからは映像ならば「目が離せない」状態になりました。
実際の国政にまつわる事件が端々に表れ、虚構の事件がより現実性を帯びてくる物語である。。
人物構成としては、ドラマや映画で見るようなありふれた(ごめんなさい)設定なのだが、複雑に入り組んだ疑獄の構造がそれを上回るワクワク感を持たせる。スピード感のある短めの文章が畳みかけるように臨場感を伝えてくれ、いわゆるハードボイルドなドラマに仕上がってる。画面を観なくても浮かび上がってくる場面の描写にもすごい!の一言。
大詰めの賢察の立証はなく物語は終わるが、この後、検察は政治の巨悪に勝ったのだろうか、実際の政治では検察と政権のせめぎあいが興味深いがその辺も描いてもらいたかったなとは勝手な読者の独り言ですね。
タイトルから想像するように、政治家と東京地検特捜部の熾烈な戦い。
政治家と秘書、検察官と事務官の人間関係や派閥争い。
どれもありそうな話で過去の事件を題材にして、現代の状況に合わせたとも思える。
中盤までは、事件を追っていても表面上の進展だけだが、
検察官と事務官の学生時代の友情が再び確かめられた時から、事件の全貌が一気に見え、解明に走り出す。読み進めたい気持ちと、ゆっくり味わいたい気持ちが交互に揺れ動く。
このスピード感はたまらない。
蟷螂の斧が鋼となる瞬間・・
東京地検特捜部検事・中澤は戸惑っていた。望んでもいなかった特捜部に配属され4か月、運送会社の脱税疑惑の聴取を突然倒れてしまった主任検事の代わりに行えというのだ。そしてそれは大きな事件の予兆でもあった・・
淡々と見えながらも丹念に話を聞き、証拠を追い求めていく姿に、熱く秘めた気持ちを彷彿とさせます。そして秘められた過去・・・敗戦を繰り返しながらも仲間と協力し、鍛えられながら一歩ずつ成長していく姿は蛹から羽化して大きく羽ばたく前のようです。
傍観者でいることを許されない気持ちにさせられる熱い「正義」の物語。
東京地検特捜部の検事と事務官が事件を綿密に調べていく過程の緊迫感、経験に裏打ちされた直観の鋭さ、一本の細い糸が次第に大きな疑惑に連なっていく恐怖、パズルのピースが嵌っていく快感と、根底にある空恐ろしさに後半は読む手が止まらなかった。「巨悪」が指すものが明らかになっていく終盤、陣内、中澤それぞれの想いに胸が熱くなる。中澤の青臭いまでの矜持が清々しく綺麗ごとと唾棄したくないものがそこにある。理想を追求する作者のぶれない作風は読後に爽やかさを残すから好きだ。
『巨悪』
東京地検特捜部…
同級生だった中澤検事と城島検察事務官が、運命に引き寄せられるように同じ場所で同じ志を持ち巨悪と対峙する。
巨悪…
多額補助金を目当てに群がる者、税金を誤魔化そうとする者、お金で影響力を保とうとする者。
東京地検特捜部…勝利こそ正義…
組織なので歪みが出てきてしまうところはあるが、悪を追求しようとする執念は凄い。
仲間、同じ志を持って、勝利に向かってというと青臭く感じるところがあるが、巨悪に対するには相当な激務が生じるのだろう。図太い信念みたいなものを感じた。
でも、何をモチベーションにここまで出来るのかなど、少し別の視点から心配になるところもあった。
真面目にやっている人たちがバカを見たり被害を被ったりしてはいけない…
日本社会いや人間社会の闇、そこに対峙する人たちを見事に描いた素晴らしい作品だった。
巨悪に立ち向かう東京地検特捜部の検事や事務官の仕事の地道さと根気強さ。
華やかさとか勧善懲悪とは無縁で、だからこそのリアリティーを感じました。
和菓子の領収書、日めくりカレンダーのメモ書き“水”、
そして、中澤が検事の道へと進んだきっかけとなった過去の事件。
理不尽さを残す終結の仕方に続編を期待してしまう。
カジノ誘致の裏にはいろんな思惑が絡んでいることもわかりました。辛かったです。
高校時代はともに野球部だった
東京地検特捜部の検事・中澤源吾と特捜部機動捜査班の事務官・城島毅。
2人を中心に話は進む。巨悪の正体、正義の在り方。丁寧に話が進む中
段々引き込まれてページを繰る手が止まらなくなってしまった。立ち向かう
悪が大きすぎてどうなるのだろうと中盤思った。最後にいろんなことが繋がって
いくのはなるほどと思ったり悪の根が深すぎると思ったり。誰が敵か味方かと考えるのも
なかなかスリルがあった。
中澤が実家に帰って父親と対話する場面がとても印象的だった。
失ったものは大きすぎるけれど別格の顔つきの息子は父親の誇りだろう。
#巨悪 #NetGalleyJP
初読みの作家。あまり得意ではない『検察ミステリー』に加え約600頁という重さ…読み終わるまで何日掛かるだろうと期待よりも不安の方が大きかったが、あまりの面白さに1日で読み終えてしまった。ニュースなどで大量の段ボールを運び出す映像を観る事があるが、地検がどんな捜査をしているのかも詳しく分かった。そこに根差す『正義』を全うする熱さが読んでいて胸に迫ってくる。『正義』はファンタジーじゃない、確かに存在する…そんな世の中であって欲しいと切に思う。個人的には臼井事務官がとてもお気に入り。他の作品も近々読みたい作家。
高校時代の野球部の同期の東京地検特捜部の検事と事務官。
検事と事務官を目指したきっかけとなる事件が根底にある。
入り口は、消えた復興予算2億円。
一旦は、敗戦、撤退だと思われたものが、どんどん繋がって全体像、ひいてはふたりが追う事件の真相までも明らかに。
ちょっとした違和感から閃き、どんどん真相に迫っていく様に引き込まれた。
中澤と陣内のやり取り、ふたりの矜持見応えがあった。
利権に群がる奴は、いつの時代にもいるもんだ。
ブレない中澤、信頼する城島いいコンビだ。
裁判での巨悪との対決も見てみたかった。
あまり普段読むことのない検察庁の仕組みや仕事がよくわかり、
途中から読むことが止まらなくなりました。
タックスヘイブンや、検察の仕事が丁寧に書かれており、登場人物もそれぞれ個性的で非常に読み応えのある作品でした。
次回作にも期待します。
#巨悪 #NetGalleyJP
公孫樹(いちょう)
こういう字だったのか。銀杏と書くものと思ってきましたが、著者の意図がこの文字に秘められているのか。
高校野球でエースの座を争った東京地検特捜部の検事・中澤源吾と特捜部機動捜査班の事務官・城島毅が、それぞれの想いを抱きつつも、一つの事件の調査をきっかけにとんでもなく闇深い事件を明らかにしていく。
ノンフィクションかとも思えるストーリー展開は、国家とか政治家ってとSNSなどでどんどんと世の中に出てくる情報を元に頭が偏ってしまっている私には気が重くなる部分も。
悪い事は出来無いと言われて育ってきたが、バレるまでには時間がかかり、やってしまった事を隠すために、更に悪事に手を染める、または味をしめて更に悪事を働く人は絶えない。
事件を捜査し犯人を逮捕する刑事モノとは、異なるアプローチでの事件解決ストーリーはどんどん惹き込まれて一気読み必至。
文字遊びというか言葉遊びというか、言語に対する著者の視点も楽しめる。
よく口が回る高品主任検事を、名前にあんなに口があるからだとか笑える。
元新聞記者の著者ならではの執筆力を感じた。
それは取材も丁寧にしているからだろう。
検察を舞台にした収賄事件に関するこの小説。
主人公のバックボーンも少しずつ明かされて
さらに話に引き込まれた。
重要参考人が自殺をするくだりでは
実際の政治の場でも
収賄事件が後を絶たず
自殺者も出ていて実在するファイルの
開示要求がされている
M学園事件が頭をよぎった。
今までは警察小説を好んで読んでいたが
検察小説も面白い!!