共謀小説家
蛭田亜紗子
この作品は、現在アーカイブされています。
ぜひ本作品をお好きな書店で注文、または購入してください。
出版社がKindle閲覧可に設定した作品は、KindleまたはKindleアプリで作品を読むことができます。
1
KindleまたはKindleアプリで作品を閲覧するには、あなたのAmazonアカウントにkindle@netgalley.comを認証させてください。Kindleでの閲覧方法については、こちらをご覧ください。
2
Amazonアカウントに登録されているKindleのメールアドレスを、こちらにご入力ください。
刊行日 2021/03/19 | 掲載終了日 2021/04/02
ハッシュタグ:#共謀小説家仮 #NetGalleyJP
内容紹介
その人は優しき伴侶か、おぞましい鬼か。実在の小説家夫妻を題材にした、衝撃的な愛の物語。
西洋化の波にもまれる明治時代。
小説家になりたいと願う17歳の宮島冬子は、当代きっての文学者・尾形柳後雄(ゆうごお)のもとで女中をしている。
同じ志で下宿する男弟子たちは次々と小説家として花開いていくのに、女の冬子はまるで文壇から相手にされないどころか、指導者の柳後雄からの誘いを断れず彼の子を身籠もってしまう。
行き場がなくなり小説家の夢を砕かれそうになった冬子を救ったのは、弟子の一人・春明だった。
「あなたとおれで共謀しないか」と結婚を提案された冬子は、思惑がわからぬまま、春明の妻になることを決意する。
しかし、新鋭小説家の夫を支えながら、一人の無名の表現者として創作を続ける冬子に、想像もしなかった壮絶な日々が待ち受けていた――。
おすすめコメント
女だから軽んじられ、女だから守ってもらえる。けれどそこを飛び出して、同じ目線で、誰かと話してみたいと願う。
性差によって選択の自由が今よりさらに少なかった時代に、ひたむきに夢を追いかけた主人公・冬子は、とても勇敢で純粋で、それゆえ傷だらけになって生きていきます。
「人と人が対等である」という幻想は冒頭から粉々に砕かれ、冬子の夢の理解者であるはずの夫・春明との間にも、決してわかりあえない溝が描かれます。
それでも、いつか誰かと対等に話してみたい。
そう願ってやまないから、この物語はこんなにも今を生きる私達の心を強く揺さぶるのだと思います。
一人の表現者として、一人の妻として、どうやって生きればいいのか。
社会の構造に抗いながら懸命に生きる冬子の選択を、ぜひ見届けて頂きたいです。
終章を読んだ時には、あまりの衝撃に涙が止まらず、しばらく呆然としてしまいました。
どんなに傷つき、憎み合うことがあろうと、こんなにも美しい言葉をいつか誰かと交わせる日が来るのなら、私は一生人と関わり続けていたいと願います。
壮絶な旅路の果てに冬子が辿り着いたこの光景を、ぜひ読者のみなさまにも見て頂けたら幸いです。
【担当編集・田中】
出版情報
発行形態 | ソフトカバー |
ISBN | 9784575243215 |
本体価格 | ¥1,600 (JPY) |