不可逆少年
五十嵐律人
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刊行日 2021/01/25 | 掲載終了日 2021/01/24
ハッシュタグ:#不可逆少年 #NetGalleyJP
内容紹介
デビュー作『法廷遊戯』が、
ミステリランキングを席捲!
弁護士作家がはなつ、圧巻の青春リーガルミステリー
「やり直せるから、少年なんだよ」
信じていた。あの事件が起こるまでは。
若き家庭裁判所調査官・瀬良真昼(せらまひる)。
どんな少年も見捨てない。
そう決めて彼らと向き合ってきたはずだった。
しかし、狐面の少女が犯した凄惨な殺人事件を目の当たりにして、 信念は大きく揺らぐ。
不可解なことに、被害者は全員同じ高校に縁のある人々だった。 被害者遺族の男子高校生を担当する真昼は、 思わぬ形で事件の真相に迫り――?
出版社からの備考・コメント
校了前のデータを元に作成しています。刊行時には内容が若干異なる場合がありますがご了承ください。
※※リクエストの承認につきましては現在お時間をいただいております。
★発売前作品のため、ネタバレや、読書メーターやブクログなど外部書評サイトで発売前にレビューを投稿することはお控えください★
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おすすめコメント
≪著者より≫
デビュー2年目の2021年は、『不可逆少年』、『原因において自由な物語』の2作を刊行できる予定です。どちらもリーガル(法律)を扱ったミステリーですが、『不可逆少年』は青春要素とエンタメ性に注力して、『原因において自由なは新鮮な驚きを与えられるような仕掛けを施しました。デビュー作以上に2作目は重要、2作目以上に3作目は重要。そういう気持ちで全身全霊をかけて書き上げたので、楽しんでいただければ幸いです。
これまで、刑法、少年法、民法……と物語毎にメインに据える法律を変えてきました。次はどの法律にしようかな。そんなことを考えながら六法をぱらぱらと捲っています。
今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。
≪担当編集者より≫
「2作目こそ、大事だからね」
『法廷遊戯』のメフィスト賞受賞が決まってから多くの方々に声を掛けていただきました。『不可逆少年』は、その声に五十嵐さんが最大級に応えてくれた傑作です。一作目以上に、一気読み必至のリーガルミステリーをお届けします。
衝動を抱えていたのは、自分だったかもしれない。誰も頼れなかったのは、自分だったかもしれない。読後、登場人物たちの切実さが胸に迫り、しばらく動けなくなりました。この物語を通して、大人としてできることが増えた自分でありたいと願うばかりです。ぜひお読みください。
販促プラン
★★
作品の拡材や指定配本をご希望の書店様は
恐れ入りますが<講談社 第五事業販売部>まで直接お問合せをお願い致します。
★★
★★
作品の拡材や指定配本をご希望の書店様は
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★★
出版情報
発行形態 | ソフトカバー |
ISBN | 9784065221730 |
本体価格 | ¥1,600 (JPY) |
閲覧オプション
NetGalley会員レビュー
社会的なテーマを扱いながら、エンタメ性のあるミステリーとしての読み応えも充分で、一気読みしてしまいました。少年の犯罪は、親を中心とする周囲の大人の関わりがいかに重要であるかを感じました。たとえ、その子がサイコパスであったとしても。子供達が声をあげられないということには、色々な原因があって、手を伸ばせばきっと掴んでくれる手がある事を知ってほしい。そういう意味でラストの瀬良の一言はとても希望の持てるラストになっていると思いました。
限界と希望を見出す作品。
衝撃的な少年事件に向き合う家庭裁判所調査官の姿が描かれている。
事件がセンセーショナルであればあるほど瞬間的に話題なってすぐ忘却される
世を皮肉るかのようにその後の個別の姿(更生を含め)がミステリー仕立てで
描かれる。
調査・告白を基に徐々に暴かれ届いた真実は限界でもあり希望のようにも感じられる。
また脳機能的な判断が自分が勝手に想像していた以上に小さい取り扱いであったこと
に(結果として大きなファクターになるにしても)衝撃を憶えた。ここが法の甘さで
あり限界でありかつ希望のように感じるのは皮肉だろうか。
線引きが難しい部分であえて線引きする法の矛盾、希望を丁寧に記すリーガルミステリ。
前作の『法廷遊戯』では、罪とは罰とは?人が人を裁くということとは?という難しいテーマを、法律家の立場からわかりやすくかみ砕きエンターテイメントに仕上げながら問いかけてくださっていて、今回の『不可逆少年』も、少年犯罪について、なかなか答えを出すことが難しいテーマについて考えながらも、ストーリーが気になって読む手がとまりませんでした。
難しい年代の少年たちの心に入る瀬良さんの行動、言動に尊敬しました。
狐のお面の事件の残虐さに辛くなりましたが、犯人の動機を早く知りたくて読むスピードが自然とアップしていました。
犯人がわかった時、驚きと切なさに暫く放心状態になりました。
少年たちに関わる大人の理不尽さにも腹がたちました。しかし、難しい年代を更に難しくさせているのは私達、大人なのかもしれないと思いました。
今回のテーマは少年法。ショッキングな事件を通して、少年の可塑性について考えさせられる。少年による凶悪事件が起こるたびに少年法改正の議論が起こるけれど、教育や環境整備だけでは更生しきれない少年も一定数いるのだろう。彼らを救う手立てを考えることも大切だと気づかされる一冊だった。続きが気になり、先へ先へと読ませるリーダビリティもすばらしい。とくにラストは、読み手に問いかけ、訴えかけてくるような気迫を感じた。真昼が調査官として成長していく姿も見たいので、シリーズ化してくれたら嬉しい。前作は少しピリッとした雰囲気だったけれど、今回は辛くてやりきれない場面が多いのに小さなぬくもりを感じる物語で、読後感が良かった。
一体真相はどうなっているのか、少年たちはどうなってしまうのかと、心配とドキドキが混ざりながらページをめくる手を止めることができなかった。惨殺な少年犯罪を通して少年に翻弄される熱き調査官の真昼。真昼の誠実な姿勢にこちらまで心が熱くなった。綺麗事なのかもしれないが、綺麗事でもいいじゃないか、助けを求めることは弱いことじゃない、自分を信じることが大事、これって大人になると恥ずかしい言葉なのかもしれないが、真昼に言ってもらえるとそうだよなって信じられる。ミステリを読んでこんな純粋な気持ちになったことがかつてあっただろうか。これはぜひ、シリーズ化して真昼や周りの仲間たちの成長を見守っていきたい作品!
かろうじて少年法にひっかからない13歳の少女が殺人を犯してしまう。しかもそれがネットで配信されて,世間に動揺を与える。罪には問われないけれど,彼女のしたことは問題だ。一方で電車の中で女子高生の髪を切る事件が勃発。その事件を起こした少年を担当することになったのが,家裁の調査官の瀬良真昼。彼は真実を引き出すことができるのか。建前上は(もちろん法律上も)少年は更生しやすいと思われている気がしますが,私はあまりそうは思えなくて。だからこの本も興味深く読みました。人生やり直すことなんて,そうそうできない。人の心って不可逆的だと思います…。
『不可逆少年』
家庭裁判所調査官の主人公が、悩みながらも事件を起こした少年たちと向き合っていた。
そんな時、少女による残忍な連続殺人事件が起こる。
主人公は、あることからその事件に関わるようになって…
少年が非行に起こした時、教育によって再非行を防止する可塑性…
教育ではやり直せない少年、不可逆少年…
少年たちは、良くも悪くも周りの大人たちに影響を受ける。腐ってしまったような大人たちもいる。
それに絶望して大人を信じられなくなった少年たち…
その少年たちと本気で向かい合う家庭裁判所調査官…
こんな方たちがいるなんて、世の中に希望を持てた。
もちろん物語にはミステリー要素もあるのだけれど、目を背けてはいけない現実が詰まっていた。
『法廷遊戯』に続いて、五十嵐律人さんの才能に感動した。
前作の『法廷遊戯』のように刑事未成年という状況をもっと前面に出して法制度の問題点を理詰めでえぐってくるのかと思ったが、見事に予想を外された。少年法の問題を背景に制度ではなく「もっと根源的な理念」をテーマにしている。しかし、そこに迫るのは理屈ではなく、「そうありたい」という理想だ。生物学的要因による犯罪を犯す者、脳機能障害による犯罪者、いわゆるサイコパスは一定数存在するのではないか。最近の犯罪状況をみるとそんな気になる。だからこそ、少年法の掲げる理念を理想としてでも信じることが、救いへとつながっていく。社会を維持する装置としての法治の中で、少年を、さらに言えば「不可逆少年」をいかに更生へ導くのか。答えのない中で本作が一筋の希望を示しているように感じる。こういった骨太のテーマを扱った作品を今後も読みたいものである。
少年法によって裁かれない少年の姿を、調査官の立場から描いた作品。
果たして、重大犯罪を犯した少年たちに「やり直し」はきくのだろうか。
疾走感のあるミステリで、早く続きを!と読むのをやめられなくなる。と同時に、他人の人生を殺人で奪っておきながら、やり直すという事は可能なのか?と少年法のあり方についても、考えさせられる。
一言に法に触れた少年といっても、その置かれた立場は多種多様。貧困、虐待、治安。自分で選べない環境に囲まれ、そこから抜け出せない少年達。社会に生きる者として、未来について考えた一冊でした。
一作目もとても面白かったですが、こちらもとても面白い。新人の作家先生とは思えないクオリティで、次回作もとても楽しみです。
主人公は、家庭裁判所調査官の瀬良真昼。
13歳の少女が大人3人を惨殺し、その上姉にも重傷を負わせる事件が起こる。刑事未成年(14歳以下)は罰せられない。
彼女は罪を犯した自分と向き合えるのか。
脳の構造的な特徴や神経作用の問題といった生物学的要因から問題行動を繰り返す“不可逆少年”なのか。
そこに女子高生の髪を切る事件が起こる。
事件の真相を探る中で瀬良は過去の自分と向き合うことに。
やがて瀬良と上司の早霧は事件に隠された衝撃の事実に辿り着く。
瀬良の「やり直せるから少年なんだよ。」という言葉を信じたい。
13歳の少女が大人3人を惨殺する動画がネット上で流れる。『刑事未成年』は罰せられないと少女は語る。家庭裁判所調査官と被害者遺族、加害者家族の高校生達の視点から一連の事件やその背景が語られる。日本だけではなく世界中で未成年による犯罪が増加している。罰則を強化するだけで防ぐ事が出来るのかと考えてしまう。犯罪を犯さざる得ない少年達もいるわけでその背景から守り生活させてやる事が大切なのではと思う。『少年だからやり直せる』…やり直すには本人の気持ちも大切だが道は険しいと思う。寄り添う大人が必要不可欠だと思う。
プロローグからいきなり背筋が凍りつく。何が起きているのか。これからどのような展開が待ち受けているのか。読み始めたら止まらなくなりました。真相が見え隠れする中、少年たちを取り巻く環境に言いようのない切なさとやるせなさが心の中に渦巻き、憤りを隠せない。事件の裏に隠されていたのは、思いもよらぬ未知の世界と少年たちの悲しみ。少年事件、彼らの抱える心の暗闇はとても深い。少年たちの心に寄り添い、未来を信じ決して諦めない家庭裁判所調査官の真昼。少年たちを救うために、信じることの可能性に向かい挑み続けて欲しい。彼にはきっとそれができるはず。すべての少年たちが安心して大人を信じて頼り、彼らに救いの手が届く社会になることを願わずにはいられない。
デビュー作でメフィスト賞を受賞し、リーガル作家として注目されている五十嵐律人さんのセカンド小説。前回では冤罪について、今回は少年犯罪をテーマにした物語が展開されている。
本作品は、いわゆる法に裁かれない年齢の少女による殺人をきっかけに、信念が揺らいでしまいそうな家庭裁判所調査官が、少年たちのために何が出来るのかを探り、少年の可塑性を諦めず彼らの願いを掬い上げる物語である。
少年事件はメディアでも大きく取り上げられ、事件そのものより事件を起こした少年の家庭環境など事件の背景に関心が集まり、関係者の日常を大きく変えてしまう。
家庭裁判所調査官の瀬良さんは、事件を起こした少年たちに「今」どのような助けや赦しが必要なのかを探り、少年自身も理解していない心の中にある「望み」に辿りつこうとする。
取り扱うテーマが法律ということで、手を出しにくい人も多いと思う。わたしも、著者のデビュー作品は少し背伸びして読み始めた。でも、登場人物がとても魅力的で、気づいたら物語にすっと引き込まれ、最後には彼らをもっと見ていたいと思うようになっていた。
ぜひ、難しそうだと躊躇せずに本作を手に取ってもらいたい。感情的ではなく法律という制約の中で客観的に人を見る方法を知り、読み手である自分の心の中にある「望み」にも辿りつくことができるはずだから。
若き家裁調査官が自らトラウマを抱えながら少年犯罪の罪ではなく少年たちの心と向き合っていく社会派ミステリー。法律の僅かな抜け穴を突き、心の闇と共に広げ行き場をなくした少年たちとの信頼関係の築き方の考察が、更正するかは別としてあらゆる大人の若者たちとの会話の糸口の参考になるように感じた。個人的には光が見える一章が好きで、シリーズ化を期待の作品
衝撃的だった狐面の少女が犯した凄惨な殺人事件。複雑に絡む加害者と被害者の関係、そしてどうしようもなく追い詰められてゆく展開にやるせなさを覚えましたが、事実が明らかになるたびに構図がガラリと変わっていって、思ってもみなかった可能性が示唆されて、だからこそ育まれた絆が踏みとどまらせた結末にはぐっと来るものがありました。
今回著者が取り上げたのは少年法。「やり直せるから、少年なんだよ」…読み手の心深くに響く言葉は、即、狐面の少女による凄惨な殺人事件により揺さぶられる。被害者遺族の高校生少女と、家庭裁判所調査官・瀬良の二つの視点で物語が進み、時系列が前後していることもあって高校生たちが何を考え、どう行動していたのか、時に眉間に皺をよせ時に痛いほどの悲しみを覚えながら読み進めた。バリバリの社会派ではあるが、途中でミステリの楽しさがきちんと組み込まれていることに気づく。考えさせられる一冊ではあるが読後感が良かったのも嬉しかった。
著者のデビュー作は未読だが、すぐに刊行された二作目も、大変クオリティが高く、才能溢れる作家さんなのだろうと思う。売れっ子になりそう。
重いテーマと内容ながらも、とても読みやすく爽やかな文体なのが良かった。
「少年犯罪」は近年多い事例な気がします。
家族との関りや社会情勢などによるものも多いのでしょうが
子供の”育ち方”に要因があるような気がします。
人を殺すこと、盗みをすることはいけないことだというのは
いったい誰が教えてくれるのでしょうか?
学校では教えてくれないですよね。
13歳未満の子供は罪に問われないというのは今の社会にこいてどうなのか?
そこを生きていくうえで”あたりまえ”としていこの社会を変えなくてはいけない気がします。
どこに行きつくのかハラハラして読ませていただきました。
よかった!っていう表現がいいのかはわかりませんが、ぜひ読んでほしい作品です。
#不可逆少年
#NetGalleyJP