天を測る
今野 敏
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刊行日 2020/12/21 | 掲載終了日 2020/12/20
ハッシュタグ:#天を測る #NetGalleyJP
内容紹介
世の理<ことわり>は、全て単純な数式で表せるのです
咸臨丸の太平洋横断、江戸湾海防計画、軍艦建造。近代日本の船出を陰で支えた英雄を、「隠蔽捜査」シリーズの著者が活写!
論理力で欧米列強を圧倒 こんな男が幕末にいたなんて!
安政7(1860)年、咸臨丸がサンフランシスコを目指して浦賀港から出航した。太平洋の長い航海では船室から一向に出てこようとしない艦長・勝海舟を尻目に、アメリカ人相手に互角の算術・測量術を披露。さらに、着港後、逗留中のアメリカでは、放埓な福沢諭吉を窘めながら、日本の行く末を静かに見据える男の名は、小野友五郎。男は帰国後の動乱の中で公儀、そして日本の取るべき正しい針路を測り、奔走することになる――。
失われた美しき日本人の佇まいが、ここにある!
出版社からの備考・コメント
※発売前作品のため、発売後に読まれる読者の皆様のためにも、「ネタバレ」「外部書評サイトへのレビュー投稿」は極力お控えいただけますよう、ご協力のほどよろしくお願いいたします。
※※リクエストの承認につきましては現在お時間をいただいております。
校了前のデータを元に作成しています。刊行時には内容が若干異なる場合がありますがご了承ください。
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販促プラン
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作品の拡材や指定配本をご希望の書店様は
恐れ入りますが<講談社 第五事業販売部>まで直接お問合せをお願い致します。
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出版情報
発行形態 | ハードカバー |
ISBN | 9784065215623 |
本体価格 | ¥1,700 (JPY) |
NetGalley会員レビュー
幕末の混乱期を自分の為すべきことしっかりと見つめ駆け抜けた小野友五郎の生涯。
測量に始まり、造船、買い付け、兵站、と混乱期の実務を縦横無尽に活躍した姿が淡々と描かれているが、なぜか悲壮感はない。結果として敗者側になってしまうのだが、自分の能力を見据え、私利私欲はなくただひたすら国を守るため、支えるため、主君に尽くすためだけの純粋な想いが出ているからであろう。後に名を残す福沢諭吉や勝麟太郎と対照的な描かれて方をされているのは、小野のような実務型に光を当てたい著者の気持ちだろうか。
ただただ実直な生き方に清廉な気持ちにさせられる1冊。
『天を測る』
幕末・明治にかけて活躍した算術家の小野友五郎の物語。
日本が開国を迫られ、欧米列強からの侵略の危機があった時代。
太平洋横断、アメリカでの調査、国産の軍艦の製造、列強に対抗するための軍備増強…
尊王攘夷、大政奉還、明治維新…
激動の時代の中、主人公たちは何をするべきか理解しながら役割を果たそうとする。
日本のために…
ブレない主人公が、ただただかっこよかった。
幕末・明治維新は、どうしても維新側や表舞台に登場する人たちが注目されてしまうが、この物語に登場するヒーロー達も忘れてはならない。
世の中の真理は単純で美しい数式で表現できるに違いない。
大きく変わる世の中で、小野友五郎はどんな数式を考えていたのだろうか…
世の中の真理は、単純で美しい数式で表現できるのではないか。
主人公である小野友五郎のこの考え方は数学者には一定数共通するもののようだが、
世界を数字に置き換える能力というのは限られた人に与えられるものだと思う。
残念ながら私にはそんな能力は欠片も持ち合わせないけれど、
この本のように「自分で体感できない世界を知る」ことができるのが読書のたのしみの1つ。
本来であれば歴史の中心にいる人物たちがこの本では脇役扱い(というか脇役)で、
教科書的な歴史で知った時とはずいぶんと違った印象を抱くだろうエピソードがあったり、
歴史は勝者側から描かれがちなのと日本人の新撰組好きによって、
新撰組や討幕派側からばかり見ていた江戸から明治への移り変わりを別視点から知れたりするのも、
この本ならではのたのしみ方として歴史を学んでいるさなかの生徒たちに薦めたい。