彼女の名前は
チョ・ナムジュ
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刊行日 2020/09/18 | 掲載終了日 2020/10/25
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内容紹介
『82年生まれ、キム・ジヨン』 著者待望の最新作刊行!
伊藤詩織氏、王谷晶氏、絶賛! テーマは“シスターフッド”
韓国130万部突破、日本では20万部突破、10月9日から映画日本公開も
間近に迫った『82年生まれ、キム・ジヨン』。
その著者が、『キム・ジヨン』に続いて2018年に発表した短編小説集を刊行します。
※短篇28篇のうち、今回は「二番めの人」「公転周期」の2篇と、「はじめに」「訳者あとがき」を公開いたします。
セクハラにあった女性が戦い続けるわけとは?
地下2階の部屋に住む女 子大生の悩みとは?
本作は60人余りの女性へのインタビューを元にして、2016年12月から1年間、京郷新聞に連載されたルポルタージュを元 に、
「ルポ」を「小説」に再構成して刊行されました。暮らしのなかで感じる 不条理に声を上げ、
自分だけでなく「次の人」のために立ち上がる女性たちの、胸を打つ28篇の物語です。
解説:成川彩 装丁:名久井直子 装画:樋口佳絵
【著者プロフィール】
チョ・ナムジュ
1978年ソウル生まれ、梨花女子大学社会学科を卒業。放送作家を経て、2011年、長編小説『耳をす ませば』で文学トンネ小説賞に入賞して文壇デビュー。2016年『コマネチのために』でファンサン ボル青年文学賞を受賞。『82年生まれ、キム・ジヨン』で第41回今日の作家賞を受賞(2017年8月)。 大ベストセラーとなる。2018年本書をタサンチェッパンから刊行、2019年『サハマンション』(民音社)、2020年『みかんの味』(文学トンネ)刊行。日本版『82年生まれ、キム・ジヨン』(斎藤真理子訳)は2018年筑摩書房刊。『サハマンション』は斎藤真理子訳で2021年筑摩書房から刊行予定。
【訳者プロフィール】
小山内園子(おさない・そのこ)
東北大学教育学部卒業。NHK報道局ディレクターを経て、延世大学などで韓国語を学ぶ。訳書に、『韓国の自然主義文学』 (姜仁淑、クオン)、『ぼのぼのみたいに生きられたらいいのに』(キム・シンフェ、竹書房)、『四隣人の食卓』(ク・ビョンモ、書肆侃侃房)、『女の答えはピッチにある』(キム・ホンビ、白水社)、共訳書に『北朝鮮 おどろきの大転換』(リュ・ジョンフン他、河出書房新社)、『私たちにはことばが必要だ』(イ・ミンギョン、タバブックス、すんみと共訳)などがある。
すんみ
早稲田大学大学院文学研究科修了。訳書に『あまりにも真昼な恋愛』(キム・グミ 晶文社)、『屋上で会いましょう』(チョ
ン・セラン、亜紀書房)、共訳書に『北朝鮮 おどろきの大転換』(リュ・ジョンフン他、河出書房新社)、『私たちにはこと
ばが必要だ』(イ・ミンギョン、タバブックス、小山内園子と共訳)などがある。
おすすめコメント
■著者より日本の読者の皆さんへ
韓国には「卵で岩を打つ」ということわざがあります。
卵を投げつけたからといって岩を穿つことが できないように、絶対不可能で無謀なことをいう言葉です。
これに対して「卵で岩は割れなくても汚 すことはできる」というジョークも生まれました。
誰が言い始めたのかわからないこの言葉が、私は とても好きです。
役に立たない巨大な岩が私たちの前進を妨げているとき、そうか、と足を止めたり、 引き返したりしたくありません。
ここにそぐわない岩の塊が道を塞いでいるよと声を上げたいので す。一緒に悩んでみたいのです。
もしかしたら、ここにある物語は巨大で堅固な岩に投げつけられ割れた、無数の卵の痕跡かもしれま せん。
そして私は、今日も卵を投げつけています。いつかこの岩は割れるはずだと、みんなで動かし てなくせるはずだと信じながら。
向こうにどんな道があるのだろうと、胸をときめかせながら。
――チョ・ナムジュ
この本で出会う一人一人が愛おしい。
自分を生きようと決めた人は、ひたすらに強いんだ。
――伊藤詩織(ジャーナリスト)
無かったことにされてきた、どこにでもある、
初めての物語たち。
――王谷晶(作家)
出版情報
発行形態 | ソフトカバー |
ISBN | 9784480832153 |
本体価格 | ¥1,600 (JPY) |
関連リンク
NetGalley会員レビュー
ルポルタージュ風のフェミニズム小説。実際のインタビューに基づいているからリアリティがある。人間の尊厳を踏みにじられ、ボロボロにされた性被害者、性差別が多数存在する韓国。この国にはびこる悪しき慣習は一刻も早くなくさなければならない。男性は既得権益を手放さないだろう。女性が声を上げることは簡単ではないがその勇気を称える土壌をつくっていかなければならない。現代の先進国として恥であるし、法に抵触しすべてを失う恐れがあることを知らしめたい。怒り心頭です。
ジェンダーの壁とは?
解説に書かれた通りジェンダーギャップ指数では韓国が日本より順位をあげた。
色々な理由は考えられるが、先に韓国で拡散された#MeToo運動も一つのきっかけになっているに違いない。
日本のコンビニなどでは、いまだにポルノ雑誌の類いが子どもと同じ目線で平積みされている。
この無責任の誘惑を誘発しているのは、政治と経済の古風さが起因であるようだ。
実際にジェンダーギャップ指数を項目別で見ると、日本は「政治」「経済」と100位から大きく後退している。
つまり日本では、経済を回し監視する目が「男性中心」であること。
あえて言葉に角を立てると「おっさん」中心で流通が回っているということである。
残念ながら僕もこの「おっさん」の類にカテゴライズされてしまう。
本書を読めば、「なんて男性中心に作られた世界であるか」と胸が苦しくなる。
虐げられて女性史は、決して過去のものではなく現在進行形である。
起きている事実や捻じ曲げられた正義など問題意識を捉えること。
これからの「僕ら」の行動は大きく変わるはずである。
本が好き!倶楽部
せいちゃん
こういう語りが、不要な時代が来るといい。
こういう語りが、昔話や笑い話になる時が来るといい。
でも、まだ、遠い。
ジェンダーギャップ指数で韓国よりさらに下位にある国に生きる一人として、
「三人目」を出さないためにできることをしていかないと、と思うものの、
変わらなさに虚無感を覚えて何もできなくなりそうでゾッともします。
前作の映画公開も間もなくなので、合わせて広がってくれるとよいと思います。
これじゃ、どんな作品なのか、ちょっとわかんない。チョ・ナムジュの短編ということと、テーマか女流韓国文学そのものという感じなので、ある程度は期待できるのかと思います。もう少し、作品の外観がわかるようにしてもらわないと参考になりません。
(一度書いたのに消えてしまった。残る機能があるとよい!)
(ふたつしか試読できていませんが)小さな埋もれる声をよみものに仕立てる形で紹介、いや「告発」する。読んでいて重くて辛くてやめたくなるけれど、こうして「告発」されることによって多くの人の目(脳)に触れられていく。
差別するほう(男性側につく女性(妻など)も含まれる)が優位性を手放したくなければなくなることはさない。越えられない厳然とした「性別」に起因する差別を、差別するほうはなくしたくないのではないかと考えざるを得ないのは普遍的なのだろう
それにしても韓国ではいつまでこのような風習(風潮)が続いていくのだろうか?よその国の心配をしている場合ではないのだが
数編からなる作品の二編のみ読めました。
勇気を持って声をあげる女性達の物語です。
私があげなければ、また私と同じ様な犠牲者が出る。
いつまで女性は声をあげ続けなければいけないのでしょうか。
試読が2篇だけではあるものの、ぜひ購入して全編読みたい!と思える内容だった。「卵で岩は割れなくても汚すことはできる」というワードが心に残る。声をあげる勇気を出した女性が、逆に心無い言葉で責められる、そんな世の中が少しでも変えられれば。
様々な年代、職業の女性たちの生々しい声。読んでいて辛くもあるが女性ならではの思いに惹き込まれる。日本であれば問題になっている事も韓国では理解されず我慢を強いられる事がありとは何ともやり切れない。同じ女性として怒りすら覚える。それでも勇気を持ち頑張って生きているんだと思うと力をもらえる。