風よ あらしよ
村山 由佳
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刊行日 2020/09/25 | 掲載終了日 2020/10/14
ハッシュタグ:#風よあらしよ #NetGalleyJP
内容紹介
明治・大正を駆け抜けた、アナキストで婦人解放運動家の伊藤野枝。生涯で3人の男と〈結婚〉、7人の子を産み、関東大震災後に憲兵隊の甘粕正彦らの手により虐殺される――。その短くも熱情にあふれた人生が、野枝自身、そして2番目の夫でダダイストの辻潤、3番目の夫でかけがえのない同志・大杉栄、野枝を『青鞜』に招き入れた平塚らいてう、四角関係の果てに大杉を刺した神近市子らの眼差しを通して、鮮やかによみがえる。著者渾身の大作。
どんな恋愛小説もかなわない不滅の同志愛の物語。 いま、蘇る伊藤野枝と大杉栄。震えがとまらない。 ―――姜尚中さん(東京大学名誉教授)
ページが熱を帯びている。火照った肌の匂いがする。 28年の生涯を疾走した伊藤野枝の、圧倒的な存在感。100年前の女たちの息遣いを、耳元に感じた。 ―――小島慶子さん(エッセイスト)
時を超えて、伊藤野枝たちの情熱が昨日今日のことのように胸に迫り、 これはむしろ未来の女たちに必要な物語だと思った。 ―――島本理生さん(作家)
[主な登場人物]
伊藤野枝…婦人解放運動家。二十八年の生涯で三度〈結婚〉、七人の子を産む。
辻 潤…翻訳家。教師として野枝と出会い、恋愛関係に。
大杉 栄…アナキスト。妻と恋人がいながら野枝に強く惹かれていく。
平塚らいてう…野枝の手紙に心を動かされ『青鞜』に引き入れる。
神近市子…新聞記者。四角関係の果てに日蔭茶屋で大杉を刺す。
後藤新平…政治家。内務大臣、東京市長などを歴任。
甘粕正彦…憲兵大尉。関東大震災後、大杉・野枝らを捕縛。
【著者略歴】
村山由佳(むらやま・ゆか)
1964年東京都生まれ。立教大学文学部卒。会社勤務などを経て作家デビュー。1993年『天使の卵――エンジェルス・エッグ』で小説すばる新人賞、2003年『星々の舟』で直木賞、2009年『ダブル・ファンタジー』で中央公論文芸賞、柴田錬三郎賞、島清恋愛文学賞を受賞。
出版情報
発行形態 | ハードカバー |
ISBN | 9784087717228 |
本体価格 | ¥2,000 (JPY) |
関連リンク
NetGalley会員レビュー
すごい熱量。歴史上の点でしかなかった「人名」が「ひと」として立体的に立ち上がって迫ってくるような勢いを感じた。大杉栄が、人物としてどうであろうとも結婚相手としては相当厄介な奴、という印象を抱いたのも、それと同様に「ひと」としてそこに息づいていたからだと思う。こうやって刻まれた人物像は、たとえ試験範囲を終えても、受験が終わっても、記憶から消えないと思う。
伊藤野枝という人を知っていますか。
聞いたことない名前(歴史上の人物)(はごまんといる不勉強ですが)だな、何した人なんだろうと岩波の伊藤野枝集(森まゆみ編)を目にしたのはいつだっただろうか。
こんなにも激しい人生を送った人だったとは。
幼い頃から自分の信念を貫き、貫くための努力は人の二倍、いや三、四倍はされたでしょう。そうして手にした人生はしかし決して長くはありませんでした。
後悔をしない生き方をする為に、沢山の人を傷付けた代償でしょうか。
ただただ時代が悪かったのでしょうか。
こんなに懸命に生きなくてはいけないのでしょうか。
流されることそれもまたひとつのひとの生き方、などと肯定する私のような同性を野枝はどう思うだろうか(視野に入らないかな)。
生き方は追えた伊藤野枝。作品へと手が伸ばせるのか、今はまだわからないのが本音です(むづかしそうでー)。
夫の大杉栄も知らなかったり、物語中にわんさかと出てくる名前だけはなんとなく知っている文化人、思想があった人、等々、明治から大正にかけての当時の文化や発祥?した言葉などを学ぶ機会も得られて、700頁弱となかなかの読み物でしたが得難い経験が出来ましたこと、感謝します。
2人とも周りからお金借り過ぎ!