バケモンの涙

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刊行日 2020/06/24 | 掲載終了日 2020/06/24

ハッシュタグ:#バケモンの涙 #NetGalleyJP


内容紹介

●●●イチオシ作品●●●

敗色が濃くなった太平洋戦争。日本は未曾有の食糧難に襲われていた。

橘トシ子19歳。大阪の旧家のいとはんは、国民学校の教師となるが、食料も燃料もなく、生のままの雑穀を食べるしかない子供たちは、消化不良で全員が下痢の毎日。中には栄養不足から感染症などで命を落とす子もいた。

「ええとこのいとはんには、この辛苦はわからない」と、死んだ子の親から冷たく投げつけられる。トシ子は、「子供の命を助けたい。腹いっぱい食べさせたい」と強く願う中で、少ない燃料で大量の穀物が食べられるポン菓子の存在を知る。

一念発起、ポン菓子製造機を作ろうと使命感に燃えるトシ子は、覚悟を決めて女ひとり九州に乗り込み、ポン菓子製造機工場を立ち上げるために奮闘する。

戦時中に子どもたちを飢えから救い、何千人もの復員した人々にポン菓子職人という職を与えた、実在の女性の生きる姿に迫る、女一代記。


●●●イチオシ作品●●●

敗色が濃くなった太平洋戦争。日本は未曾有の食糧難に襲われていた。

橘トシ子19歳。大阪の旧家のいとはんは、国民学校の教師となるが、食料も燃料もなく、生のままの雑穀を食べるしかない子供たちは、消化不良で全員が下痢の毎日。中には栄養不足から感染症などで命を落とす子もいた。

「ええとこのいとはんには、この辛苦はわからない」と、死んだ子の親から冷たく投げつけられる。トシ子は、「子供の命...


おすすめコメント

「バケモンの涙」が子どもたちを、そして大人たちを救う!いとはん(=お嬢様)の決死の奮闘!

めっさおもろい。読んでみてや!

ばり面白いき、読んでみてくれん?

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初回指定承ります。

★6月10日まで★

光文社書籍販売部・荒井(☎03-5395-8112)

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出版情報

発行形態 ハードカバー
ISBN 9784334913519
本体価格 ¥0 (JPY)

NetGalley会員レビュー

実在の吉村利子さんをモデルにした小説で、昔語りを聞いているような文体も、物語の雰囲気に合っていて読みやすい。しかし、本作はただ単に読みやすい「女性の奮闘記」といった口当たりの良いものだけではない。
 「ええとこのいとはんには、この辛苦はわからない」この言葉は、トシ子にとって鋭く切味の良いナイフよりも心を切り裂くものだったろう。でも、大阪時代のトシ子には確かにそんなところがある。本当に人を助けたいなら、理念だけで突っ走ってもだめだ。人の命を大切に思うならば、自分の命を大切にしなければならない。こんなこともわからない「お騒がせ女」に見える。
 そんなトシ子が戸畑へ移ってどんどん成長していくところが読みどころ。根っこのところにある理念が変わらず燃えているのが、ここへきて一気に爆発していく感じで心を揺さぶる。兎角いろいろなことに妥協してしまいそうになる今日この頃だが、一つ芯の通った気持ちの良い話だった。

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わたしが子どもの頃にポン菓子の機械をリヤカーに積んでやってくるおじさんがいました。お米を持って行って、おじさんの機械の丸いお皿のようなところに入れてフタをし、熱を加えて暫く待ち、フタを開けるとポンという音がしてポン菓子ができるので、近所の子どもたちはみんなで見ていました。

 わたしの子ども時代には、すでにお菓子の範疇に入っていたポン菓子ですが、これを作る機械を作ろうとした頃は、第二次世界大戦中の食糧危機の真っただ中でした。

 戦争で食糧難だったという話は随分聞かされましたけど、食料自体よりもそれを炊いたり茹でたりするための燃料が不足していたということは、この本を読んで初めて知りました。熱を加えない雑穀を食べると、大人はまだいいのですが、子どもたちは消化しきれず、体調を崩してしまって、最悪死んでしまう子もいたというのには驚きました。 

 そんな子供たちのために、ポン菓子製造機を作ろうと考えた19歳のトシ子さんは、覚悟を決めて女ひとり北九州に乗り込み、ポン菓子製造機工場を立ち上げるために奮闘したのです。その行動力には、ただ感嘆するばかりです。

 ポン菓子を製造する機械を作るトシこさんの会社が大きくなっていったのはもちろんですが、戦後仕事をなくした多くの人たちがこの機械でポン菓子を製造する仕事をして生きていくことができたということも素晴らしいことだと思います。

 ポン菓子をお願いするときには、お米を持って行って半分の量をポン菓子にしてもらって、残り半分がおじさんの取り分で、そのお米をお金に変えていた時代もあったそうです。確かに、ポン菓子のおじさんにお金を払っているのを見たことなかったなぁって思い出しました。

 昭和30年代までは、お米を買うのに米穀通帳が必要だったなぁということも思い出しました。実家の台所の柱に米穀通帳かかっていました。

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子供の頃近所の空き地に来ていたポン菓子屋さん。ボーン!の爆音ともに懐かしい記憶があります。そのポン菓子にこんな歴史があったなんて。全く知りませんでした。実話をもとに書かれているそうで、驚きの連続です。戦中時の大阪の食糧事情の酷さ。僅かにあっても調理する燃料がない、仕方なく生で食べると下痢を起こす。そして栄養不良で体力のない子供達が亡くなっていく。当時の事情は漠然とは知ってはいても、詳細なエピソードがこんなふうに語られないと、人の心には残って行かないです。ポン菓子の機械を作ろうと良家出身の女先生が単身九州まで行って事業を起こし苦難の連続の末成功!にわか信じ難い話ですが、実話がベースになっている点はしっかりアピールしておくべきだと思います。戦争の末端部分の継承をこの本を通じてして欲い。小学校高学年、中学生あたりの課題図書に最適。

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なんで?なんでこんなに頑張れるん?主人公・トシ子が辛い思いをするたびに、それを乗り越えようとふんばるたびに、喉の奥が塩辛くなり、頼むからこの頑張りが報われてくれとハラハラしながら一気に読み終えました。
ポン菓子、小さい頃から大人になった今でも大好きです。なんであんなに美味しいのか…。優しくて食感が楽しくて、いつの間にか沢山食べてしまう…ポン菓子は幸せの味です。トシ子さんの頑張りに、次第に彼女の熱意をわかってくれる人々の結束に、それでも無常に人を殺してしまう“戦争”に、さまざまな涙を流しながら、それでも胸をあつくふるわせたまま気持ちよく読み終えました。
こういう小説を出来る限りたくさんの方に読んでほしいですね~!

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ポン菓子、子どもたちの中にはもう知らない子も多い。しかし私も知らなかった。なぜそれが普及したのか。そこにどんな思いがのせられていたよか。戦争の最中、女の人が知らない土地へ、そしてものづくりをしてもらうために行動するだなんて驚き以外にない。

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初読みの作家さんです。主人公の一人称で語られてゆく物語ですが、心の中で思う事が面白く最初のほうはかなり笑いながら読みました。当時にしてはかなりお転婆さんだったのではないのかな…なんて思いながら。物語後半は感動の涙、悲しい涙、涙、涙、涙で読みました。私も含め、戦争を知らない世代は幸せだと思います。でも、知らないからといって目を背けて知らないふりはしてはいけないと思います。戦争の話は悲惨なものばかりかもしれないけど、二度と戦争をしない為にもその悲惨な事柄を悲しみ、恐れ、憎まなければと思うんです。とても読みやすい文章でしたので中学生や高校生にも読んで欲しいと思いました。

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町から鉄が消えた戦争の時代を、多感な時期で迎えたトシ子。
「ポーン菓子」を作りたい!
これは夢でなく、大阪を出た1人の少女が軍都と呼ばれた北九州を拠点に奮起し、人々を巻き込みながら成長していく人間物語である。
母の肖像画を抱えた、トシ子の前に現れたバケモノの記憶、教え子の死や戦争の経験など得て落したものすべてが、彼女へのエールとなっているようだ。

大義名分に翻弄された昭和の人々の生活が、リアルに描かれている。
終始、鉄を噛んだような苦い味がするのは戦争の残滓が僕にも残っているからであろう。
暗く悲しい状況でも、気落ちせず読み進めることができるのは、どこか不器用ながら明るく前向きに生きるトシ子の姿に胸をうつからだ。

「なんやの、あんた!目を開けやッ、あんた、なんのために生まれてきたんや」(p254引用)

この言葉が一番グッときて涙なしでは読み進めることができなかった。

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太平洋戦争真っ只中、主人公は旧家で生まれたいとはんの橘トシ子。
食糧だけでなく、燃料もない時代。
国民学校の教師になったトシ子は、生の雑穀を食べるしかなく、飢えで亡くなっていく子どもたちの姿に胸を痛める。
少ない燃料で大量の穀物の食べられるポン菓子。
幼い頃の記憶を辿り、穀類膨張機を作ろうと思い立つ。
次々と起こる困難。
自分の甘さや無力さを思い知る。
しかし、周りのサポートによって奇跡的に完成する。
その中で“自分らしく誰かの為に動いてこそ、何かを遺せる。”ことに気づく。
健気な姿に感動しました。😭

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実話を元にしたお話と知って驚き、感動しました。戦時下の食糧難に、飢えで死んで行く子供達を救いたい一心で、良家の苦労知らずと言われるお嬢様であるトシ子が一人必死に立ち上がり、ポン菓子を作るための穀類膨張機の製造に奮闘する。とても無理だと思われる事を、トシ子の一生懸命で必死な姿に徐々に周りの人達が協力していき遂に成し遂げる。映像化して大勢の人に知って欲しいストーリーでした。

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途中まで完全に創作のお話だと思って読んでいて、「もしや?」とよく確認したら実話ベースで驚きが倍増。
食べるものがないだけでなく燃料がない、という視点は今までの自分の戦時観から抜けていて、言われてみればその通りなのに指摘されねば気付かぬことというのはたくさんあるなと思わされました。
圧倒的な現実を前に「悲しむ」で終わりにせず、「できる」ことを探して実行してくれた人たちあって可能になったことや未来が開けたことは、きっとこれ以外にもあったのだろうな、ということにも思いをはせられました。
人間の底力を感じさせてくれる1冊。

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まさに読む朝ドラでした!
というか、私は朝ドラ見てないんですけどね。笑
でも面白かったです!
朝ドラ好きな人には読んでみて欲しいな〜。
戦争の残酷な描写も少しありますが、
だからこそ胸に迫るものがあります。
戦争の時代を生きたおじいさんおばあさんが
どんどん減ってしまっている今、
こんな風に戦争に触れる事は
とても大切なことだと思いました。

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昔、田舎の祭の屋台とかで見たことのある「ポン菓子」の機械を食料事情の悪い戦争中に作ろうとしたある女性の物語。実話?。・・・なのだそうだ。戦争の話しを別の角度から見た話しです。前半はストーリー展開も魅力的で作者の優しい文章に引き込まれたが、後半、北九州に入ってからはだれてきた。それでも、修造さんの死のあたりから最後にかけては盛り上がってきた。珍しいモチーフなので楽しめる。こういう機械をつくるのも戦争中は大変だ。

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