わが家は幽世の貸本屋さん3
黒猫の親友と宝石の涙
忍丸
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刊行日 2020/06/20 | 掲載終了日 2022/10/16
ハッシュタグ:#わが家は幽世の貸本屋さん #NetGalleyJP
内容紹介
感涙の声、続々!
大人気あやかしファンタジー待望の第3弾!
コミカライズ、pixivコミックで6月連載スタート!
※作画は、目玉焼き先生!
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人でありながら幽世で貸本屋を営む夏織は、ある日、隣家の鬼女・お豊が出産間近なことを知る。
その姿に「生みの親」への思慕の念を抱いた夏織は、東雲との生活に不満を感じた自分に落ち込んでしまうが、それを見かねたにゃあさんはある決意をする。
「覚悟があるなら話してあげる。現し世であたしが知った、すべてのこと」
それは夏織も初めて知る、母・秋穂とにゃあさんとの、ある約束の物語だった―!
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◎『エブリスタ』投稿作品になります。
出版社からの備考・コメント
校了前のデータを元に作成しています。 レビューなどでお話の真相やオチについて本文を引用する際には、発売後の製品版をご利用ください。 (発売までの改稿で差異が生じる可能性があります)
おすすめコメント
人間でありながら、あやかしに育てられた貸本屋の娘、夏織。
祓い屋の一族として育てられた水明。
立場の異なる2人の恋愛事情を掘り下げる待望の最新刊!
さらにさらに、そこへ夏織の母親のエピソードも加わり、恋愛モノとしてドキドキし、母親エピソードでグッっとくる深いストーリー展開となっています。
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出版情報
発行形態 | 文庫・新書 |
ISBN | 9784867160220 |
本体価格 | ¥700 (JPY) |
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NetGalley会員レビュー
にやにや、どきどき、わくわく、もふもふ、そしてしんみりが止まらない!
元来人と相容れない幽世で付喪神・東雲に育てられた夏織は貸本屋を営みながら、今日もさまざまな妖しと触れあい成長していく・・
夏織と元祓い屋・水明の関係に主に焦点があてられ、3歩進んで2歩下がる二人の関係がもどかしくてたまりません。また夏織が東雲に育てられることになった経緯が明らかになり、終章に繋がる様子は涙を誘います。
今宵も何処かで幻光蝶が二人の周りに漂っているのでしょう・・
貸本屋を営むあやかしに育てられた人間の主人公が、種族を越境し常夜の幽世をほんのり照らしていくファンタジー第3弾。今作テーマはずばり「愛」だと感じた。前作よりフラグが立っていた恋模様がもどかしさを伴いつつはためき、トキメキが加わり華やかさが増した。恋愛面だけでなくあらゆる「愛」の形が詰まっていて、こんな風に世界が回っていたら温かいな、と思った。本を好むあやかし達の本への考え方、選書の基準がとても繊細に描写されていて興味深く、微笑ましかった。前作までの回想シーンが所々あるのでシリーズ初読でも問題なく楽しめ、続編にも期待。
今度のあやかしはイロコイ!
ついに明かされる夏織の過去。
母と子の関係、人間の醜さ、そして受け継ぐ意思と絵本。
ささやかながら、宝石をちりばめるような想いに涙が出た。
ネタバレはできないが、今回のあやかしは色恋に色濃くという感想。
恋と愛のブレンドされた世界観が最高にマッチしている。
これは、あやかしと人間の世界が交差する世界そのものである。
山形県に住む僕には、東北や北海道という舞台設定に親近感も倍増した。
また、登場するキャラが個性的で強烈。
どこか抜けているが、それぞれの役割に徹していることを愛しく想う。
にゃあさん推しの僕には、最高に嬉しい瞬間も度々見られた。
次回に続く伏線もあり、さらに広がる世界観や展開に期待できる最高傑作である。
本が好き!倶楽部
せいちゃん
第3弾は、第1作から個人的に気になっていた、夏織の過去が明らかになります。待ってました!と声を大にして言いたい。なぜ幽世に幼くしてやってきたのか?現世とも行き来ができるはずなのに親元に帰らなかった理由とは?その答えは、親友のにゃあさんが知っていた!水明との恋愛模様は?今回もたくさんの妖怪たちが出てきます。シリーズが続きそうな、怪しいキャラクターも登場で、ますます見逃せませんね。
あやかしさんたちはみな、いろんな事情を持っています。いろんな悩みや事件があって、あやかしとして生きているのです。だからこそ、本当に心を開いた相手には優しくしてくれるのです。
もしかしたら、人間の世界よりもずっと情が深いのかもしれません。
文に綴られ、けれど思いが叶わなかった人の心の化身「文車妖妃」さんが水明に言った「本選びは自分と向き合うことでありんすよ」という言葉は、なかなか含蓄のある言葉でしたね。
心をなかなか開けない水明さんでしたけど、少しずつ本来の優しさを見せてくれるようになってきました。夏織さんとこれからもずっと仲良くね!
あやかしと人間とのあたたかい絆、人情味にあふれた奇跡の物語。
今回は、ほのかに芽生えた恋。そして、なんといっても母と子の愛の物語。
ほんわかとした優しさや、わくわくするような楽しさもあれば、切なさ、嵐のような激しい闘い。
様々なシーンにあらゆる感情が揺さぶられました。
特に母と子。現し世ではどうすることもできなかった哀しみ、伝えられなかった、知る手段もない想い。
それをあやかしたちの深い情が叶えてくれる。あやかしたちの心の温かさにすっかり魅了されてしまいました。
奇跡は強い想いが集まれば叶えられる。
とびっきりの優しさと愛に、涙があふれて止まりませんでした。
柔らかな思いやり、くすりと笑える面白さ、そして愛がたっぷり詰まった作品でした。
誰よりも幸せに――それは彼女の願い。遠き日に、友が願ったこと。
【幽世の貸本屋】を舞台に、「恋心」が綴られる第三弾。
前作に引き続きシリアスパートの多めな展開ながら時折見られる繊細さ・コミカルさなど描写の巧みさは見事なもので、
読み手を引き込む力は巻を重ねる毎に増しているように感じられます。
前作が「愛情の物語」であった事を踏まえると今作で「恋の物語」となるのはやや不思議な感じもあるものの、
後半で「母と子の絆」を描いたこのシリーズにおいてはこのタイミングでなけれならなかったのかもしれません。
前作で語られた「親と子の愛情」とはまた違った「母と子の絆」の物語。
母の願い、そして子の想い――これらを感じていただければと思います。