子どもたちをどう理解するか。
―教師も楽になる新しい見方
金大竜
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刊行日 2020/05/18 | 掲載終了日 2021/03/04
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内容紹介
教育界のトップランナー「金大竜」
現在の教師観と児童観のすべてを明らかにするー
教師生活19年目・・・
24時間365日一生懸命で、そして有頂天になった10年
疑いをもち苦悩に挑んだ5年
新たな学問などに出会い大きく変化を迎えた4年
本書は、トップを走り続ける金大竜のさらなる新境地を描く。
「僕は子どもを愛しているのか…? 」
「自分のこの考え方や判断は本当にこれでいいのだろうか…? 」
「この指導は子どもの力を育めているのだろうか…? 」
「子どもを壊していないだろうか…? 」
教育に絶対的な正解はなく、自分自身と目の前の子どもとの関係性、環境によって正解が変わる。
さらに正解も時間が経てば、正解でなくなることも…。
そう、教育は、大人が自分の考えで行うものではなく、子どもから教えてもらいながら行うことである。
そして何より学校教育で百点を取ることや完璧にこなすことは不可能だということ。
そしてすべての子どもにとって良い先生であることも不可能である。
これらを認めたとき、僕の考え方、教室での振る舞い、子どもへの言葉かけが変化した。
本書では、その教師の視点と、子ども理解に焦点をあて、教育界のトップランナーが
今見えているものを紹介する。
出版情報
発行形態 | ソフトカバー |
ISBN | 9784491040516 |
本体価格 | ¥1,700 (JPY) |
NetGalley会員レビュー
大人の観点が子どものコンフォートゾーンになる。
性格や行動など基本構造の構築には、親や教師の影響は強い。
一つの問題行動に、偏った思考や心の傷、肉体や環境的な起因も大きいと教員歴18年の著者。
そこでキーワードとなるのが原因と結果の三角関係図を可視化するBPM。
これはPPMというインパルス信号をめぐる脳医学がベースとなっている。
人間も原子核と電子からできていると考えれば、現在の思考の俯瞰、物理的要因、無意識の領域の3つから思考と行動を探れば問題行動への目線が変わり、真の問題が見つかる。
この真の問題へのアプローチを効果的に学べる内容は目から鱗の内容である。
自分もよく忘れ物をしたのだが、このBPMで考えたら見えない無意識の領域にえもいわれぬ引っ掛かりを感じる。
これは僕が幼少期に受けた心の傷でなかろうか。
今の大人になった自分があの時の自分に声をかけるとしたらなんであろうか?
子どもに同じこと言えるだろうか?
ナイーブな内面を隠すために猫背になったなど、思わずうなずいてしまった。
どうやら教育が必要なのは僕たち大人の方でもあるようだ。
教師や子育て世代の親はもちろんだが、子どもと一緒に読むことでまた新しい視点を得ることができそうな一冊である。
子どもが問題行動をする時は、物理的要因のみを考慮するのではなく、心理的要因や、その考え方をするに至った過去のトラウマまで想像しないとうまくいかない。その行動をする理由として、十分に愛されていなかった、その子が愛してほしいやり方ではなかった、などがある。基本的には、どの子も、結果や努力の過程ではなく、存在そのものを認めて関心を持ってほしいと思っている。
これは先生だけでなく、親も読んでみると
自分の本心に自覚的になれると思う。
罰として食事を与えないことをする人がいます。これは子どもに絶対にやってはいけない行為です。脳が、自分は愛に値しないという認識をします。その価値観を子どもの頃に作ることはどれだけ怖いことかわかりますか?その後、この子がどんな未来を生きることになるのか、そんなことを食事の時には考えないといけません。(本文より)
この文章を読んで、心愛さんのことを思い出しました。親の勝手な「躾」という名の体罰で死んでしまった心愛さん。たとえ生き延びていたとしても、その後の人生はさぞかし辛かったろうなと思うと、心が痛みます。親だから何をしてもいいなんて思っている人が余りにも多いのは何故なのでしょう?
子どもの気持ちを持ったまま、人は大人になっていきます。歳とともにその傷は大きくなり、心を開くことができない人が増えていきます。そんな人が少しでも救われるように、この本が多くの人に読まれますように!
小学生を15年間見てきたとはいえ、私の立場は教育者ではない。それでもこの本にある考え方の転換をするという発想は難しいながらも、納得のいくものだった。物理的要因、現在の思考、無意識の領域と分けて考えると、少し違ったものが見えてくるのは確かだ。子育てでも我が子の何に腹が立つのか、行っている行動とそれまでの過去の経緯と親としての思いに分けて考えると冷静な判断ができると聞いたことがある。責任転嫁をしている場合ではない、まずは発想の転換と子どもに向き合う姿勢を!少人数学級の実現を希望する!
対症療法ではなく原因療法が必要(この言葉は使っていませんが)という考え方には賛成です。
問題行動をその場でやめさせることより、問題行動の根になっている部分を理解する必要があるというのは、
確かにその通りで、見えていない部分の理解が大事というのもとてもよくわかります。
ただ、どんなに確率の高いことでも人の心に絶対はないので言い切りが多いのが気になってしまいました。
今まで言えなかったことを言ってくれたような部分はある。そして、みんな悩みながら教壇に立っているのだなという、少しホッとしたようなところもある。子どもの喜びや可能性、新しいものへの扉、たくさんのものを示すことのできる立場なのにそれがじゅうぶんできているかというと悩ましい。これからも悩み続ける、という覚悟も大事なのかもしれないと思った。
著者の方が月刊誌でケースごとの対応法の紹介や記事を書いているのを学生の頃に読み、なるほどな、と思ったことがあったのでこの本に興味を持ちました。
ある理論に基づいてお話をされているようですが、「科学的にこれは違う」と大学でかじっただけの自分でも断言できる部分がありました。また、「〜という行動は○○という心の傷が」などの言葉が多く、それを裏付ける説明も見つけられなかったので、まだ若手の自分がこれを読んでしまうと間違ったことを覚えて実践してしまうのではないか、と思い途中でページをめくるのを辞めました。
悩んでいる先生、というよりはある程度経験を積み、独りよがりにならないように他の人の意見を聞いてみたいと感じた先生が読むことをお勧めします。
読んでいて何度も価値観のベクトル、という言葉が浮かんだ。
この本の著者は、子どもたちの行動、それが一見問題行動ではない場合でも、その背景に考えを巡らせ、子どもたち自身が楽になるように1人ずつを導きたいというおもいで、教師をされている。
そして子どもの行動をBPMという分析法で三角形に表して、深層を考える。中心にその行動があり周囲を・物理的要因・現在の思考・無意識の領域の、3つのブロックに分けて分析するものだ。
これは論理的に何かを分析するときにも使えそう。そして自分自身を省みるのにも使えそうだ。
冒頭に価値観のベクトル、と書いたが、著者は例えば漢字テスト一つであってもそれを満点を取ることを良しとするのではなく、いや勿論定着させるためにテストを行うが、満点の子であっても振り返ることで満点を取るための勉強にも何か改善できないかという視点を、子どもに持たせる。
価値観は、実は物差しとして子どもたちに提示してしまった方が大人は楽だ。しかしそれを丁寧に自分でそのベクトルを見つけさせ、そのための手法を考えさせる。
なかなかできることではない。子どもたちは、自分自身を実は1番愛している。そこをきっちり押さえた上でこれらは成り立つのだろうと思う。