日本人とインド人
世界市場「最後の成長エンジン」の真実
グルチャラン・ダス
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刊行日 2020/05/13 | 掲載終了日 2020/05/24
ハッシュタグ:#日本人とインド人 #NetGalleyJP
内容紹介
「インドを理解する最高の教科書」
スズキ代表取締役会長 鈴木修 推薦
グルチャラン・ダス。インドの作家、戯曲家、歴史家、
哲学者、教育者でありハーバード大卒のビジネスマン。
「インドの福澤諭吉」と呼ばれる氏が
今後のインド人との働き方、稼ぎ方、付き合い方を明かす。
1983年にインドに進出したスズキ。
現在のシェアは50%となり、
インド国民13・5億人の乗るクルマの半分はスズキ車になっている。
その「インドシフト」で独走する
スズキの“カリスマ"も納得の
インド入門の教科書の内容とは?
巻頭解説 インド人の心は変わらない 鈴木修
第一章 私にとってのインド
第二章 インドはこんな国
第三章 インドの経済改革
第四章 カーストの意味と役割
第五章 日本人とインド人
第六章 インドで成功する日本企業
第七章 インドの日本人ビジネスマン
第八章 これからの日本とインド
出版情報
発行形態 | ハードカバー |
ISBN | 9784833423632 |
本体価格 | ¥1,600 (JPY) |
NetGalley会員レビュー
インドのイメージを変えるのではなく日本が変わる
僕世代(アラフォー)にはインドといえば完全にストリートファイターのダルシムの影響がある。
いつも裸、ヨガでは手足を自由に伸縮でき、おまけに炎を吐いて空間を移動できる。
エドモンド本田を日本のポテンシャルとするように完全に偏見であるが、当時の世界イメージを究極にステレオタイプ化したイメージは今現在も残っている。
言っておくが僕はストリートファイターが大好きだ。
インドに対しては、ダルシム的な僧侶のイメージがまだ残る人も多いだろうが、今現在のインドは、経済ITバブルの下支えで国内総生産は日本を超えアメリカすら射程圏に捉えている。そこにプラス製造業にテコ入れが加われば中国に次ぐ超大国になるだろう。
さて、本書は日本人とインド人の共通点やつながり、環境や歴史などから両国のつながりを再定義できるような入門書である。
例えばカースト制度や士農工商は似て非なるものではあるが、役割を分担した社会歴史を持つ両国はそれぞれの分権を持つコミュニティが育ちやすいように感じる。
実際に本書でもカースト制度が変わりつつあることを示している。多様性の国インドでは、カースト制度のコミュニティよりジャーティという地域別のコミュニティが実生活に根強い。
「ITとデジタライゼーションによる今の経済生活の中では変わらざるを得ないと言えるでしょう。」(本書,p.118引用)
インド人からみる日本人ビジネスマンの意思決定が弱いなどの特徴、日本にないものはダルマと冒険心だという我々日本人には耳が痛い主張ではあるがそれが真実だ。
日本はインドのように多様性の国になることができるかどうか今後の鍵になりそうだ。
本書を読んで感じる事
数は力。
2027年には中国を抜いて世界で一番人口の多い国になるというインド。
全人口の12%程度の人が英語を使えるが、数にしてみると2億人に。
貧しい人が多く、身分を証明することができないため銀行口座も開設できない人が多数いたが、アドハーシステム(国民識別番号制度)により、全国民の本人認証が可能になった。
後進国の下剋上。
インフラが無い。インフラを整える金が無い。
インフラ負担が少ない携帯電話の発達
インフラ負担が必要なクレジットカードでなく、アドハーシステムとスマホでデジタルなクレジット社会を目指すことができた。
小口のローンがデジタルによりローコストで可能になる。そこで数の力1000円のローンでも100万人が利用すれば10億円。1億人なら1000億円の取引に。デジタライゼーションの進展により少額をマイクロ企業に融資して経済を回す体制を構築することができたのである。
ゆっくり進む
年率数パーセントの経済成長で良い。急激な成長はその国独自のカルチャー精神性が失われてします。
日本人とインド
日本とインドの共通点はサービス精神に優れていること。「日本は今後のインドのモデルになり得る」が、それはサービス立国となった日本である。今の日本はサービス立国ではない。製造業を軸にして輸出で富を得るという経済体制モデルはもはや通用しない。サービス立国を目指すことで、日本はインドがモデルとする国になり得る。
なかなか面白い本で、日本が再び発展するためのヒント、日本がビジネスパートナーとしてインドに進出していくためのヒントを与えてくれる。が、自慢話が多く、今後の日本へのアドバイス部分になるとなんとなく歯切れが悪いという感想も抱くところである。