離婚の経済学
愛と別れの論理
橘木 俊詔/迫田 さやか
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刊行日 2020/04/14 | 掲載終了日 2020/05/01
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内容紹介
年間21万件、離婚率1.70%。個人が別れを選択する理由は人それぞれ、しかし離婚という鏡を通してみると、日本社会の姿が見えてくる!
離婚後の母子家庭の貧困。離婚と所得の関係。家族のかたちが不平等を拡大してしまう現代日本を考える一冊。
結婚は判断力の欠如、離婚は忍耐力の欠如、再婚は記憶力の欠如!?
統計・調査が明かす、夫婦のリアル
●20~24歳で結婚する夫婦の半数が離婚
●離婚の申し立ては妻からが7割!
●離婚率が最も低いのは富山県
●世界で最高の離婚率はロシア
●戦前は東高西低、戦後は西高東低
●妻より年収の低い夫ほど不倫しやすい!?
●養育費を受け取っている母子世帯は24%、父子世帯は3%
●ひとり親世帯の相対的貧困率は56%
●女性の再婚率は30%程度、男性は44~59%
出版社からの備考・コメント
※※リクエストの承認につきましては現在お時間をいただいております。
校了前のデータを元に作成しています。刊行時には内容が若干異なる場合がありますがご了承ください。
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出版情報
発行形態 | 文庫・新書 |
ISBN | 9784065191514 |
本体価格 | ¥900 (JPY) |
NetGalley会員レビュー
離婚を経済学・社会学的に考察した一冊。 欧米のように家族のあり方が多様で同棲婚や婚外子などを認める「制度化された個人化」がなされていない日本での離婚は「個人主義なき個人化」を強いるもの。 文中何度か引用される仏の劇作家アルマン・サラクルーの「判断力の欠如によって結婚し、忍耐力の欠如によって離婚し、記憶力の欠如によって再婚する」の句。 一段と進む男性側の低所得化、一向に進まない男女平等の中で、結婚する理由と結婚を維持する理由が見出せない社会になっているのでは。 示唆に富む一冊でした。
「離婚の経済ってなんだろう」タイトルに惹かれて手に取った。
夫婦間の金銭的、財産の問題かと思ったのですがそうではなく、結婚や離婚という私的なライフイベントが、社会からどのような影響を受け、また社会にどう影響を与えているかという研究を一般にもわかりやすく説明している。
言われてみれば、結婚離婚は私的なイベントかもしれないが、個人の価値観は時代や社会に影響を受ける。日本の女性は家制度の中で様々な制限を受け、人間としての基本的人権や尊厳が蔑ろにされていた時代があった。今もまだ多くの課題があるのは間違いないが、先人たちの努力によって解決、または改善されたことも多くある。
いつの世も未来を見通し、完全なる安心を持って結婚をはじめ、離婚し次の人生に踏み出すことは困難ではあるが、雇用形態の変化によりワーキングプアの状態にある人が多くなった現在、結婚も離婚も簡単ではない。離婚を通した経済を見る事で、大きな社会の中で自分やパートナーとの人生が見えてくる。興味深い1冊だと思う。特に女性には読んでもらいたい。
今後、多くの人に伝わるようにさらに噛み砕き、漫画などの展開も期待したい。
3人目の兄嫁がいる身としては、表紙(帯?)の3つの欠如に激しく同意をして読み始め、だよね、と思いながら読了。
社会学的な分野なので仕方のない部分もあるとは思いながら、原因と結果の結びつけ方が推論の域を出ていないものも散見されたのが気になったものの、読み物としてはたのしく読めた。
養育費がきちんと払われていない現状は大問題だと思うので、6章で指摘されていたように養育費徴収制度が早急に見直されることを望みます。
本書は離婚の良し悪しではなく、あくまでも離婚があたえる経済的な統計や推移の話である。
ひとえに離婚とはいえ、経済学、生理学、心理学、教育学、社会学など実際は密に関わり合っている。
その込み合ったいろんな事情で、離れる決意を表明する判子を押す人が日本では多いのではないでしょうか。
最近ではコロナ離婚が問題になってきているが、これは潜在的な問題がコロナショックをきっかけに顕在化してきたからだといわれている。
この機会だから離婚を論じる本書から何かしらの学びを得たいと思った。
プロローグ、なぜ離婚を論じるのか
第1章、年齢別離婚率から言えること。
第2章、離婚の国際比較
第3章、歴史から離婚を読み解く
第4章、不倫
第5章、なぜ女性から言い出すのか
第6章、養育費は払えないのか、払いたくないのか
第7章、働けど働けど我が暮らし楽にならず
第8章、離婚と幸福度
エピローグ、離婚からみた現代日本
ご覧の通りボリューミーではあるが、データがしっかり取れているため余計なことを考えずともサクサク読めてしまった。
僕が特に気になったのは、母子家庭の貧困は社会構図の縮図であるといった点である。
ここには男尊女卑の歴史や教育の格差、非正規労働者の悪愚など、まさにこの国が蔑ろにしてきた問題が顕著にあらわれている。
ワークライフの経済的自立など政府が打ち出している政策はどれも成功とはいえない。
おっさん社会はもう崩壊にあるとはっきり声を大にしたいこと。
他に夫と妻の収入差から結婚満足度が変わる点や、家族主義的個人化からの脱却など衝撃をうける内容もあった。
アフターコロナに向けて家族のあり方が再定義されそうな雰囲気を感じる今現在。
結婚や幸福など考える上でとても充実した良書であった。