教養の書
戸田山和久
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刊行日 2020/02/29 | 掲載終了日 2021/02/11
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内容紹介
君が大人になるための
勇気と装置をもて!
「教養とは何か」にビシッと定義を与え、行く手を遮るものたちをバシッと指摘し、どう対処すればいいのかをブヒッと示す!
ベストセラー『新版 論文の教室』の著者が大学新入生に語り続けてきた名物授業。
◆ 未来をつくるために学ぶべきこと―― ◆
全国のごく少数の幸福な読者のみなさん、ついに書いてしまいました。教養とは何か。どう身につけるか。すべて詰まった「知の教典」誕生です。
「ちくま」連載時から話題沸騰の「とびだせ教養」が大幅加筆!気合い入りまくりのトダヤマ節が、あなたも!あなたも! あなたも啓蒙しまくる。
「……にもかかわらず学問は、人類が生得的な愚かさを克服してさらに幸せになるために不可欠で、かなり強力な、もしかして唯一の装置なんだ。ごめんなさい。われわれがキミたちに手渡すことのできる学問は、理想的というには程遠いものだけど、それでも貴重なものだ。だからわれわれは、キミたちを学問という理想郷に誘い出そうとしているのではない。(中略)キミたちに学問と人類の未来を託そうとしているのである。(中略)世の中をよくするという仕事は、教養に憧れ教養を目指す人々にしかできない。キミたちの健闘を祈る。」(本文より)
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【目次より】
■Ⅰ 教養ってなんだ
第1章 キミが大学で学ぶことの人類にとっての意味
第2章 たかが知識、されど知識
第3章 知識のイヤミったらしさとどうつきあうかについて、
そして「豊かな知識」に何の意味があるのかについて
第4章 教養イコール「知識プラスアルファ」の
アルファって何じゃ、と考えてみる
第5章 「読書の意義は何だろう」
ということを教養の観点から考え直してみる
第6章 われわれは何に向かってわれわれを教養するのか
第7章 教養とは何の定義を完成させるぜ!
■Ⅱ 教養の敵は何か、それとどう戦うべきか――現代イドラ論
第8章 教養への道は果てしなく遠い。
だのになぜ歯をくいしばりキミは行くのか
第9章 教養への道は穴ぼこだらけ
第10 章 科学が発展したら、人間はかなりアホだ
ということがわかってしまったという皮肉
第11 章 ベーコンの後継者は誰か。
彼らからわれわれが学ぶべきことは何か
第12 章 どうやって、居心地のいい洞窟から抜け出すか
第13 章 クリティカル・シンキング批判的思考って
流行ってるよね。
でも、何のためにそれが必要なんだろう
第14 章 最後のイドラは「学問」だって。
だったらどうすりゃいい?
■Ⅲ 教養への道の歩き方――お勉強の実践スキル
第15 章 大学に入っても、大人になっても
語彙を増やすべし
第16 章 歴史的センスの磨き方
第17 章 種族のイドラと洞窟のイドラに
抵抗するための具体策
第18 章 市場のイドラを再考する
――インターネットとの部分的つきあい方
第19 章 劇場のイドラに抗うための
「リサーチ・リテラシー」
第20 章 論理的思考は大切だと言うけれど、
論理的思考って何かを誰も教えてくれない……
第21 章 ライティングの秘訣
第22 章 ツッコミの作法
第23 章 大学は天国じゃないんだ。
かといって地獄でもない
第24 章 無駄な勉強をしたくないひと、
何かの手段として学ぶひとはうまく学べない
注
あとがき
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戸田山和久(とだやま・かずひさ)
1958年東京都生まれ。1989年、東京大学大学院人文科学研究科博士課程修了。現在、名古屋大学大学院情報学研究科教授。専攻は科学哲学。著書に『哲学入門』(ちくま新書)、『論理学をつくる』『科学的実在論を擁護 する』(以上、名古屋大学出版会)、『知識の哲学』(産業図書)、『科学哲学の冒険』『新版 論文の教室』(以上、NHKブックス)、『「科学的思考」のレッスン』『恐怖の哲学』(以上、NHK出版新書)などがある。
おすすめコメント
……にもかかわらず学問は、人類が生得的な愚かさを克服してさらに幸せになる ために不可欠で、かなり強力な、もしかして唯一の装置なんだ。ごめんなさい。
われわれがキミたちに手渡すことのできる学問は、理想的というには程遠いもの だけど、それでも貴重なものだ。だからわれわれは、キミたちを学問という理想 郷に誘い出そうとしているのではない。
(中略)キミたちに学問と人類の未来を託そうとしているのである。(中略)世の中をよくするという仕事は、教養に憧れ教養を目指す人々にしかできない。キミたちの健闘を祈る。
(本文より)
出版情報
発行形態 | ソフトカバー |
ISBN | 9784480843203 |
本体価格 | ¥1,800 (JPY) |
関連リンク
NetGalley会員レビュー
真理の認識にはコストがかかるという認識。
つまり人間は1人ひとりをとるとアホというなんとも驚愕(笑)な内容。
ついつい居心地の良い「イドラの洞窟」の岩盤浴で満足している自分は、はたから見るとアホであろう。
ハッと思い知りました。
確かに僕はアホだ。
ではアホにならないためには何が必要か。
・視点を◯える
・◯者と出会う
・歴史を◯る
これは相対的な視座を獲得するコツだ。
読んだ気になったり、
わかったつもりになったりせずしっかり読んでみよう。
案外答えはバラバラかもしれない。
最後にビブリオバトルに一つを例にし、集合的知性増強装置に結びつけるその感性が知性であると思った。
教養
この言葉にどんなイメージを持つのだろう。
私は、教養という言葉に出会って実感したのはやはり大学入学後の教養課程。
なんだかキラキラして将来のためにも必要なものを、これから身につける!という意気込みにあふれていた。
きっとこの本はそんな感じ方をしてしまう世代に向けて、それをさあ身につけましょう皆さん!って書いてあるに違いない。と思いきやそこは違う。
モノの見方を持つために必要なのが、教養なのだ。生きていくために、自分の軸として持っていくものが教養なのだ。
自分が今まで築いてきたもの、またはこれから築くものへの、礎石となる本だった。
まずは読もう。読まなければあなたの窓も開きません。
「教養」というのはどんなものなんだろう?と考えてみたとき、芸術とか音楽とか歴史とか、仕事とは別の、いわば高級な道楽というような認識でいました。そういうものを知っていることによって人生における「ゆとり」とか「幅」を広げるものなのかなぁと思っていたのです。
『教養とはかたちのある情報単位の集積のことではなく、カテゴリーもクラスも重要度もまったく異にする情報単位のあいだの関係性を発見する力である。雑学は「すでに知っていること」を取り出すことしかできない。教養とは「まだ知らないこと」へフライングする能力のことである。(内田樹 p76)』
「まだ知らないことへフライングする能力」と言われると、それは欲しいなぁ!雑学と教養の差は大きいなぁ!「すでに知っていること」を取り出すだけじゃ、説教臭いだけだものね。その先へ進むための能力と考えるととても魅力的!
もともと持っていたAという能力と、Bという何かが化学反応を起こしてAでもBでもない何かを生み出すって凄いなぁ。教養とはそういうものなのか。一見無駄なように見えて、それが大事ってことなのね。