最後の講義 完全版 石黒浩
1000年後のロボットと人間
石黒浩
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刊行日 2020/02/29 | 掲載終了日 2020/04/10
ハッシュタグ:#最後の講義完全版石黒浩 #NetGalleyJP
内容紹介
NHK『最後の講義』で感動を呼んだ番組が書籍に。
ロボット研究の権威である石黒教授が伝えたい「1000年後の人間」とは?
「あなたは人生最後の日に何を語りますか?」NHK BSで放送され、大反響をよんだ「最後の講義」が、本になってよみがえりました。
登壇するのはロボット工学の世界的研究者である石黒浩教授。
自分そっくりのアンドロイドを作ったことでも知られています。
ロボットを作るのは、人間を探求したいからであり、
ロボットを研究することで見えてくる「人間」は、
人間存在の根本に迫る問いに応えるものになっていく…。
AIが生活の中に入り込み始めた今、
石黒教授が語る人間の未来は示唆に富み、
この先の生き方にきっと影響を与えるのではないかと思うほど。
衝撃の未来が語られた講義と生徒との熱い質疑応答は実に3時間にも及びました。
本書は「最後の講義」を書籍化するに当たって、
未放映だった部分も収録した完全版!
未来を託された若い世代へのメッセージを余すことなくお楽しみください!
出版社からの備考・コメント
抜粋して「最後の講義 完全版」
特設サイト https://tomobooks.com/p/thelastlecture/
に感想を掲載させていただきます。
3月31日(火)までにお寄せいただいたレビューの中から、
抜粋して「最後の講義 完全版」
特設サイト https://tomobooks.com/p/thelastlecture/
に感想を掲載させていただきます。
出版情報
ISBN | 9784074390908 |
本体価格 | ¥1,300 (JPY) |
NetGalley会員レビュー
例えば自閉症の子とか認知症のおばあさんがロボットの方が好きだっていうのは、誰にでも多少はある話です。アンドロイドの方が親しみを持って関われるということが、結構ありますね。(本文より)
こういう側面があるということを、この本を読んで初めて知りました。人間じゃないから安心だという感覚というのも大事なんですね。
でも、なかなか人に心のなかを打ち明けないような子どもたちが、マツコロイドとかに向かって心から話をしているのを見ると、みんな感動しますね。(本文より)
どんなに親しくても、いや、親しいからこそ言えないことがあります。他人だから言えてしまうことがあるように、相手がロボットだから言えてしまうことがあるのです。
子どもの時にアトムに出逢ったわたしにとって、ロボットはとても親しみを感じるものです。でも、人間型のC-3POよりもR2-D2の方にシンパシーを感じてしまうのです。こういう感覚って特別なものじゃないんだなってことを知りました。
石黒先生にそっくりなアンドロイドの講義を一度受けてみたいなぁ!
私は著者の石黒浩さんを存じあげませんでした。
読書前は、鉄腕アトム、ドラえもん、もしくは、
工場の生産に活用される産業用ロボットなどをイメージしていました。
読み始めて、全然違う。
でも、これ知っている。
夏目漱石やマツコデラックスのアンドロイド。
あーこれをつくられた方の講義なんだ。
ここで初めて理解しました。
アンドロイドを開発するためには、
その元となる、人間を知らなければならないのです。
見た目、さわりごちなどはともかく、
どのように「考え」させて「話せさせる」か。
これができないと意思の疎通はできません。
そのロジックの試行錯誤も含めて、語られています。
つまり、
「人間とは何か」
です。
石黒先生は、一つの解として、以下のように述べています。
□ 肉体の制約が解き放たれようとしているのが人間そのものだと思っている。
体はいらない、
と結論付けています。
人間が行いたいことを実現するためには、肉体自体が制約になってしまう事。
身近な例では、パラリンピックに参加する方で義足をはいている選手がいます。
当然、人間であるわけです。
そうやって考えていくと、
見た目は人間のような「アンドロイド」の方が良いと。
だいぶ以前読んだ、手塚治先生の「火の鳥」の未来編を思い出しました。
目的が叶えば、見た目の体つきはそれに似合えば良い。
そんな考え方です。
そうするためには、前述した「人間とは何か」を
突き詰め考えていかなければならないのです。
途中で気が付きました。
石黒先生は「人間とは何か」を研究されています。
自分に置き換えて、
「自分とは何か」「仕事とは何か」「家族とは何か」
そういった身近な話題に、
自分自身が真摯に向き合い、考えていなかったのでは
ないのではないかと。
本書の最初に先生は、こう投げかけています。
□ 小学校のときの質問をもう1回思い出して、そもそも自分は何に疑問を持っていたのか、何が分かっていて何が分かっていなかったのかについて、もう1回考えてもらいたいと思います。
これがヒントではないかと思います。
この本は、アンドロイドの開発がメインテーマですが、それは単なる手段であって、
「人間とは」を
考えることがテーマです。
それを自分の身近なテーマに置き換えることによって
この本をより深く理解し、楽しめることになろうかと思います。
だから、
自分自身に興味がある方であれば、
どなたにでもお勧めできる本だと思います。
人間は人間よりアンドロイドを信用しやすい
なぜ人間が存在するのか?
案外この問いに向き合うためにロボットが必要になるのかもしれない。
本来「心」という抽象的な概念をもたないアンドロイドやロボットの開発に時間をかけて、知識を宿す行いはさしずめ人間の有機物性を移植しているように感じる。
「人間の進化の最終形は無機物に戻ること」(p164)
これは衝撃の言葉であるが、本質的で僕は妙に納得してしまった。
人間なんて時に鉱物と同じであり、化石にもなる。
遠い将来に人類が絶滅し、無機物の知的生命体として生き残ったアンドロイドが人間を採掘するかもしれない。
なし崩し的ではあるが、終わりのある生命を知っている人類は、どこか悲観的で憂いの部分をロボットに託そうとしているみたいだ。
アンドロイドを信用するのは、そんな僕らの重荷を背負ってくれる唯一の「存在」であるのかもしれない。
本が好き!倶楽部
せいちゃん