特攻隊員の現実(リアル)
一ノ瀬 俊也
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刊行日 2020/01/14 | 掲載終了日 2020/01/14
ハッシュタグ:#特攻隊員の現実 #NetGalleyJP
内容紹介
特攻隊員は何を考え、亡くなっていったのか?
気鋭の研究者が、最新の知見をもとに、当時の人々にとっての「特攻」を考える一冊!
敵艦への体当たり攻撃で還らぬ人となった若者たち。その多くは20歳をわずか1、2歳を超えたばかりだった。
彼ら特攻隊員は何を思い、亡くなっていったのか。
軍上層部やメディアはなぜ特攻を進めたのか。
特攻隊員たちを国民はどう見ていたのか。
「戦果は誰が確認してくれるのだ」「立派な日本人として生きようということ」「なんだか夢のようです。明日は居ないのですからね」「おふくろがうしろから追いかけてきて、私の名を呼ぶんですよ」「お前の行き先、長き一生を考えると断腸の思いがする」……
特攻隊員、上層部、銃後の人びとの生の声をもとに、「特攻」を再現する。
出版社からの備考・コメント
校了前のデータを元に作成しています。刊行時には内容が若干異なる場合がありますがご了承ください。
出版情報
発行形態 | 文庫・新書 |
ISBN | 9784065184400 |
本体価格 | ¥860 (JPY) |
NetGalley会員レビュー
どうして若者が犠牲になったのか?
明治以来の忠君愛国教育の結果もたらされたもの。
それを、空虚なイデオロギーと片付けるにはあまりにも痛々しい。美談で語っていいのだろうか?
死後に与えられる栄誉に、どれほどの価値があるのか?
やけっぱちのような十死零生。
もちろん当事者意識になり現代視点で見ることは、私にはできない。
ただ事実として、国の命令だったのか志願だったのか、多くの若者が特攻で死ぬことを指名にしたのは確か。
そして攻撃された側にも大きな犠牲があったのは確か。
孤独とプレッシャー、恐怖と不安、決意と大義、諦めと望み…。
生きたいという本能と指名感に翻弄された若者の記憶。
そして大きな誤ちに薄々気付いていながら、後戻りできなかったこの国の、間違いなく大きい、大きすぎる汚点の記録。
「まさに暗愚なる者共が後に残りてゆく思えば断腸の思いがする」
「死にし者は死にし者に葬らしめよ」
「日本に終末がくる」
本文引用
実証的で面白い! さすが、歴史学者。
序盤の白眉は、オークションで買った特攻隊員の遺書を解読していくとこ。ここすごい。
情感で特攻を論じるんじゃなく、当時の国民感情を史料に基づいて発掘していく、姿勢は新しい。
古くは鶴田浩二、新しいとこでは永遠の0とか、特攻は日本のカルチャーになってしまっている。それは戦中から国民感情に訴える、プロパガンダ作戦の一環だったから、という史実がだんだん明らかになってきて、ちょっと怖い。皇軍が特攻を続けたのはポピュリズムだった、ということなのか?
靖国に参るような人にも読んでもらいたいですね。僕は「嗚呼 決戦航空隊」のファンだから読んでるんですが。
#特攻隊員の現実 #NetGalleyJP
踏み込んで顕されるのは、我々にも苦い姿。
戦争自体の愚かさ、悲惨さの象徴だったり、家族・国を守るために自分を犠牲にする美談の象徴だったりといろいろな側面から語られている「特攻隊」を一個人としての視点から隠されていた側面を記していく。
それぞれ隊員やその家族だけでなく当時の世相、周囲の反応などが紹介され、旧日本軍上層部だけでない戦争責任についても言及されており興味深い。
誰が「特攻隊」をどのような効果を期待しどのように利用したかは、今の世相にもあてはまるようで少し怖い気もする。
特攻隊員達は何を考え何を思い、特攻までの日々を生きたのか。特攻隊員の遺族はどう感じ、思ったのか。遺書や手紙などの史料をもとに書かれている。当然個々で違っていて若者たちの決意や葛藤がよく分かる。軍上層部の思惑や国民の感情などどれも興味深かった。息子を持つ親としては、特攻隊員たちの親の心情を思い胸が痛んだ。