ママ
神津 凛子
この作品は、現在アーカイブされています。
ぜひ本作品をお好きな書店で注文、または購入してください。
出版社がKindle閲覧可に設定した作品は、KindleまたはKindleアプリで作品を読むことができます。
1
KindleまたはKindleアプリで作品を閲覧するには、あなたのAmazonアカウントにkindle@netgalley.comを認証させてください。Kindleでの閲覧方法については、こちらをご覧ください。
2
Amazonアカウントに登録されているKindleのメールアドレスを、こちらにご入力ください。
刊行日 2020/01/06 | 掲載終了日 2020/01/06
ハッシュタグ:#ママ #NetGalleyJP
内容紹介
ぜんぶ、ぜーんぶ「ママ」のせい。
「わたし」は、事故で彼を失った直後に妊娠していたことを知り、女手一つで娘のひかりを育ててきた。娘を保育園に預け、スーパーで総菜作りを続ける日々。身寄りも、貯金もない。生活はちっとも楽にはならない。けれど、わたしは幸せだった。ひかりの成長、ひかりの笑顔、ひかりの温もり。わたしたちは、たった二人で精いっぱい生きていた。
あの忌まわしき瞬間までは。
突如壊される平穏。謎めいた男による拉致、監禁。 恐怖と苦痛の果てに告げられる、信じがたい絶望――。
『スイート・マイホーム』で出版界を戦慄させた著者による、 世にもおぞましい「オゾミス」最新作。
出版社からの備考・コメント
※発売前の作品のため、ネタバレのレビュー投稿は極力お控えいただけますよう、ご協力のほどよろしくお願いいたします。
校了前のデータを元に作成しています。刊行時には内容が若干異なる場合がありますがご了承ください。
※発売前の作品のため、ネタバレのレビュー投稿は極力お控えいただけますよう、ご協力のほどよろしくお願いいたします。
おすすめコメント
デビュー作『スイート・マイホーム』が、刊行直後に新人としては異例の重版がかかるなど、「怖すぎる!」と話題を集めた神津凛子さんの第二作です。世にもおぞましい「オゾミス」と銘打った前作同様、本作も不気味な描写がてんこもりですが、3人のお子さんを持つ神津さんが思う「母親とは何か」という問いが作品には込められているように思います。ぜひご一読ください。
――担当編集者より
デビュー作『スイート・マイホーム』が、刊行直後に新人としては異例の重版がかかるなど、「怖すぎる!」と話題を集めた神津凛子さんの第二作です。世にもおぞましい「オゾミス」と銘打った前作同様、本作も不気味な描写がてんこもりですが、3人のお子さんを持つ神津さんが思う「母親とは何か」という問いが作品には込められているように思います。ぜひご一読ください。
――担当編集者より
出版情報
発行形態 | ソフトカバー |
ISBN | 9784065176955 |
本体価格 | ¥1,500 (JPY) |
NetGalley会員レビュー
胸が苦しくなるぐらい内容に引き込まれました。どこにでもいるシングルマザーと娘1人で子供を育てる悩み、他人との関わりなど。子供を守りたい気持ちが強く書かれていました。苦しくて苦しくてでも続きを読みたいと思わせる作品でした。
うかうかしていると、背後から迫りくるものに絡めとられそうだった。
それが何なのかは分からない。だって、後ろを振り返る勇気が私にはどうしても持てなかったから。
「早く、早く、早くー」
駆け足でページをめくる。けれど、本を閉じる頃には後悔が押し寄せる。
きっと大事な何かをとり零している。
だから、また物語の中に入っていかないといけないのだ。
背筋にべったりと張り付く黒いものを感じながら。
生活が苦しくても、娘と二人小さな幸せを感じながら暮らす生活が一変して行く描写が、なんともゾクっと背筋が凍る。人間はこんなにも残酷になれるのか?まさにオゾマシイ。幽霊とかよりも、よっぽど人間の方が怖いと感じました。
そんな危機的状況でも娘を想い、必死にもがく母の姿は強くて、かっこよかった。
柔らかであたたかな日射しが、突如冷たい暗闇へと化す。辛いとか痛いとか、そんなレベルではないくらいの絶望。読むことをやめてしまいたくなるくらいの残酷さ。それでも読んでしまうのは希望があるからだ。成美のように人は希望があるからこそ戦い続けていけるのだと思う。誰もが心に傷を抱えている。傷ついて傷ついて満身創痍で生きている。傷をつけられるばかりではない。自分が誰かを傷つけてしまっている時もある。それでも生きていけるのは、大切なものを守るため、そして、未来への希望を絶対に見失わないからだ。そんな強さを感じる話だった。
衝撃的な1ページ目から最後まで夢中で読んでしまった。誰が、何の為にこんな酷くおぞましい事をするのか知りたくて一気に読んでしまう。妬み、恨み、憎悪、そして母親のとてつもない大きな愛情。孤独が人を怪物に変えてしまうのか。本当におぞましいのは人の心の中の闇。子供を思う母親の強さも読みどころ。作中の小さな出来事やアイテムなどが後々にきっちり繋がってくるのは読んでいて気持ちが良かった。
主人公はシングルマザー。
作品からは生きづらさ、息苦しさ、閉塞感がひりひりと伝わる。
たった一つの希望は娘の成長。
貧しいながらも平穏な日常は、ある日突然打ち壊される。
謎の男による監禁、暴力。
謎、男は主人公は捕らわれたのか、娘は無事なのか?
正月早々、すさまじいものを読んでしまった。
そういうつもりはなくても
気づかずに傷つけている
言葉は難しい。
なんとか一生懸命に
生きている彼女が
どうしてこんな目に
あわないといけないのか
わからないです。
恐ろしい。
でも、どんな状況になっても
母親でありつづける
その気持ちは痛いほどに
伝わりました。
読みはじめから心がザワつきヒリつき、随所で涙が出そうになる。小さな幸せを母子で一生懸命追いかけているだけなのに、どうしてこんなに呆気なく壊されなきゃいけないのか。
ページをめくる手が止まらない、一気読み必須の作品だと思います。
女はいつ母親になるのか。
自分の中に新しい命が宿ったと気づいたとき?その命を初めてこの腕に抱いたとき?それとも、子どもから初めて「ママ」と呼ばれた日?
後半グロテスクな描写が続き辛かったですが、それでも読むのをやめる事はできませんでした。繰り返される狂気の向こう側に、その答えがあるような気がしたからです。
これは、読み始めたら止まらない。
何が起きているのかわからないもどかしさに、先が知りたくてたまらない気持ちにさせられる。胸が張り裂けそうな絶望の中に、子を思う母の気持ちが痛いほど心に突き刺ささる。そして、彼の歪んだ心が求めていたものは、憎しみだけだったのだろうかと、どうしようない切なさが込み上げてきた。母と子の愛の強さは、希望の光りを灯すことができるのか。2つの絶望が悲哀と希望にわかれた瞬間、感情が高ぶり、しばらく余韻が残る作品でした。
夫が他界しシングルで4歳の娘ひかりを育てる私。特に手に職もなく資格もなく可能な限りの時間と場所で娘との二人の生活の為に懸命に働く。パート仲間には頼れる人もいて、公団の隣にはありがた迷惑気味なお婆さんが住んでいて、苦しくはないとはいえない日々だけれど、娘がいてくれるだけでこの日々は幸せだと思えた。
のに、突如現れた男によって極限まで私は追い込まれた、本当に突然に。
私は男を全く知らない。
男は私をずっとずっとずっと憎み続けてきたという。
大切に思う人を傷つけられた時、
何があっても守らなければならない命がある時、
ひとの持つ計りしれない「執念」を目の当たりにした。
シングルマザーとして、裕福では無いが娘との幸せに暮らしていたが、その日常が突如として破壊される。その不条理さ、おぞましさには背筋が寒くなります。
そんな絶望的な状況の中でも、娘のために必死で抵抗する母の姿に心を動かされました。
犯人の動機は不条理そのものですが、それもまたある意味、現代社会を表しているのではないかと思います。
相手の目的も理由も解らないまま監禁される恐怖!お前の罪を思い出せ――!!?オゾミス再び…!
シングルマザーの成美を襲う恐怖。真っ暗な部屋の中、手足を縛られ、見覚えのない男が「自分の犯した罪は何か?」と問う。この男は誰?自分はこの男とどこかで会っているのか?殺すことが目的ではない、その目的が分からないことが更なる不安を煽る。
おぞましくバイオレンスなシーンが多い中でも、子供を大切に思う母親の深い愛、大切な者を奪われた人間の終わりのない後悔、そして赦すことで救われたかった者の思いが痛いほど伝わってくる。
もし自分の知らぬ間に誰かを深く傷つけていたとしたら…?過去に全く罪を犯したことのない人なんているのだろうか?思わず自分の過去を振り返ってしまう。
『お前の罪を思い出せ――』
物語は監禁シーンから始まる。娘を案じ、でも離してしまった手を悔いる。どうしてそんなことになったのか…。母は強し。それに間違いはない。でも子供を産んだ女すべてが母になるというものでもない。そしてどれほど子を愛し、自分の命より大事に思っても、最初からベテランの母親はいない。失敗もあり、しかも子育てというものは絶対にやり直しのきかないものなのだ。離婚したシングルマザー、妊活するもなかなか子供が授からない女性…著者の描く女性はリアルだ。1作目のインパクトが強すぎたので、こちらの方がおぞましさは少なめに感じるが、こちらも一気読み必至のミステリだった。