変半身

(かわりみ)

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刊行日 2019/11/29 | 掲載終了日 2019/12/04

ハッシュタグ:#変半身 #NetGalleyJP


内容紹介

村田沙耶香による待望の書き下ろし中編!

太平洋に浮かぶ人口2000人ほどの離島・千久世島。

造物主「ポーポー様」なる独自の神話を持つ島では「海のもん」と「山のもん」が時折いがみあいながらも共存してきた歴史があった。

島では年に一度、秘祭「モドリ」が行われる。

14歳になり、初めて「モドリ」に参加させられることになる私と親友の花蓮は、その年の生贄が同級生の高城くんになることを知る。

因習に満ち閉塞した島を脱出しようとするが――。


歴史は書き換えられ、世界は塗り替えられ、魂は入れ替えられていく。

村田沙耶香初の試みとなる、演劇界の鬼才・松井周と練り上げた千久世島ワールドを舞台に、人間が変わり世界が変わりゆく悪夢的現実を圧倒的イマジネーションで紡ぐ。


「早稲田文学増刊 女性号」掲載の、既存の「性」の役割を根幹から揺さぶり話題となった中編「満潮」を併録。


村田沙耶香による待望の書き下ろし中編!

太平洋に浮かぶ人口2000人ほどの離島・千久世島。

造物主「ポーポー様」なる独自の神話を持つ島では「海のもん」と「山のもん」が時折いがみあいながらも共存してきた歴史があった。

島では年に一度、秘祭「モドリ」が行われる。

14歳になり、初めて「モドリ」に参加させられることになる私と親友の花蓮は、その年の生贄が同級生の高城くんになることを知る。

因習に満ち閉塞...


おすすめコメント

■著者メッセージ■

「変半身」は、とても変な経緯で生まれた作品でした。

なぜ松井さんと一緒に架空の島を作ったのか、何を書くのか決まる前から何度も取材旅行に行ったのか、まったく違うけれど繋がっている別々の物語を作ったのか、今でもよくわからずにいます。でも、一人ではやらないことばかりでした。誰か、見えない大きな生きものに実験されているような気持ちでした。

子供のころから、小説は私にとって聖域で、小説の神様にお祈りする教会でした。そこに、誰か他の人の気配を感じたことは、今までありませんでした。なので、この賑やかなプロジェクトは、とても奇妙な、はじめての出来事でした。せっかくがんばって一緒に架空の島を作ったのに、うまくそこだけを舞台にできなくて、ノートに「自由」と書きました。

そこから、だんだん小説が破裂していったような気がします。

展開が、というわけではなく感覚的に、小説とは何なのかという枠組みがだんだんわからなくなって、言葉が小説の外へ外へとどんどん飛び出して行きました。一生懸命小説の世界を広げて、飛んでいった言葉を追いかけました。 書き終えて読み返してみると、「これで大丈夫だろうか」というとても変な小説でした。

私にとって「自由」という言葉も、違うものに脱皮してしまったかもしれませんでした。

私は、小説をいつも、小さな水槽に似た、実験室のように思っていました。けれど、水槽の外に言葉が飛び出したとき、そこも小説になるのだと、初めて知りました。

今までに書いたことのない領域まで想像の範囲を広げるのが、だんだん楽しい作業になっていきました。

少し変な小説になってしまいましたが、これは、私なりの千久世島の物語です。体の外に思考が飛び出していくくらい、自由に、ゆるゆる、楽しんで頂けたらとてもうれしいです。


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“「真実」は誰によって創られるのか?”に斬りこむ、渾身の書き下ろし中編。ぜひご期待ください!




■著者メッセージ■

「変半身」は、とても変な経緯で生まれた作品でした。

なぜ松井さんと一緒に架空の島を作ったのか、何を書くのか決まる前から何度も取材旅行に行ったのか、まったく違うけれど繋がっている別々の物語を作ったのか、今でもよくわからずにいます。でも、一人ではやらないことばかりでした。誰か、見えない大きな生きものに実験されているような気持ちでした。

子供のころから、小説は私にとって聖域で、...


販促プラン

村田沙耶香×松井周 共同原案の小説&舞台「変半身」

本作「変半身」は、村田沙耶香と劇作家・演出家・俳優の松井 周が台湾、日本の島での取材と創作合宿を基に共同で原案を開発し、 小説と舞台をそれぞれに発表するinseparable(いんせぱらぶる)というプロジェクトです。 舞台版の「変半身」は、11月29日から全国順次上演されます。

【公式ページ】http://samplenet.info/inseparable/


村田沙耶香×松井周 共同原案の小説&舞台「変半身」

本作「変半身」は、村田沙耶香と劇作家・演出家・俳優の松井 周が台湾、日本の島での取材と創作合宿を基に共同で原案を開発し、 小説と舞台をそれぞれに発表するinseparable(いんせぱらぶる)というプロジェクトです。 舞台版の「変半身」は、11月29日から全国順次上演されます。

【公式ページ】http://samplenet.info/insep...


出版情報

発行形態 ハードカバー
ISBN 9784480804914
本体価格 ¥1,350 (JPY)

NetGalley会員レビュー

これは…。読み終わってからも茫然としている。村田ワールド全開。全開過ぎる。先が気になるというよりも一種の怖いもの見たさで駆け抜けた感じ。独特過ぎる、良い意味で異様とも言える村田ワールド。この先の作品がどうなっていくのか注目の作家。

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被っていた?被されていた?
孤島に伝わる「ポーポー神」を祀る奇祭「モドリ」の変遷。
離島という社会を微妙にねじくれた視点で外側からと内側からと圧倒的迫力をもって描かれている。
殻を内側からか、外側からか、破ろうとしているのか、破られようとしているのか
村田ワールド炸裂!
中篇「満潮」は踏み込みづらい部分を大きく踏みしだいた作品。

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沙耶香さんの本はいつも生殖行為に関して自分の価値観や倫理観を大きく揺さぶられるような感じがするのですが、今回は割と冷静に人ごとの話として読みました。古くは祭りが男女の出会いの場として機能してということはあると思うけど、一部の馬鹿な中学生のエロ本を脚色した犯罪まがいの凌辱が行われるわけがないし、プロデューサーの企画で地域の歴史が創作されるのも嘘っぽい。いつもは完全に現実離れしていても妙な説得力があるのに、沙耶香さんはコラボ向きではないのかな。全体を通して、他人がこれがファクトだというと引きづられがちな現代の特徴を表現しているように思いました。

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人間を脱ぎすてろ… ピッタリの惹句ですね。グロテスクでなんとも言えない不安感を煽る作品。理屈より感覚に訴えてくる感じはいかにも舞台向けです。生贄の男の子は踏んだり蹴ったりというか。でも、ああいう自我放棄が快感であり安楽という人もいるのでしょう。ざわつきました。

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太平洋に浮かぶ小さな離島・千久世島にはその昔ポピ原人という種族がいた。
ポピ原人たちの中から〝ポーポー様〟なる島の神が出て、島の人々はそれを信仰した。
その他にも「海のもん」と「山のもん」の集落ごとに分かれて暮らしてきた歴史、14歳になると秘祭「モドリ」に参加するというしきたり、そうした数々の伝説と伝統は現在に至るまで引き継がれてきた。

幼い頃に植えつけられた信仰は強烈だ。ほぼ洗脳だ。
大人であれば自ら考えて決めることができるのに、子供には判断する材料もないままに刷り込まれてしまう。
たとえそれが他人の目からみるとアホみたいで、胡散臭い偽物の信仰であってもだ。
だからこそ、その強い信仰が裏切られたときの絶望も深い。
捨てたつもりでも信仰心は奥底で燻り続け、それを引き剥がすのは容易い事ではない。
それってまるで薬物依存みたいだな。
同時に矛盾さえ気をつければ信仰や伝統を創りだすことってそう難しくはないのだなと思い、
今自分が信じている色んなことが疑わしく思えてきてしまい、怖くなった。

とか色々考えながら読んでいたのに、それも「終わったぞー!!」の一声で全てが吹き飛んだ。
こんな展開うそでしょ!!!びっくりして笑った。

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村田さんと松井さんの対談、行きました。演劇で見ると、また違った感想を持つかもしれませんが、
とにかく《変な小説》です。幻想的→猟奇的→エロ→欺瞞→詐欺なのか?次々に姿を変える作品です。
「何かを信じることは、何も考えないということ」この言葉に集結されていると思います。

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村田ワールド炸裂の不気味な御伽噺の表題作と、性へのコンプレックスを抱えた夫婦の不思議な結び付きを描いた『満潮』の2作。グロテスクで退化したような人の性にひたすら胸焼けを覚える反面、あり得ない表現の全てが何故か漠然と現実味帯びて見えてくるのが村田ワールドの所以

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村田さんの作品を読んでいると、何が現実で、何が空想なのかわからなくなってくる。嘘が嘘でなくなり、嘘か本当かわからなくなってしまった人々の言動は狂気的でもある。何が起きているのかわからないまま、行く末を想像する暇もなく、 吸い込まれるように読み終えた。奇想天外な結末。どこからこのような発想が次々と生まれてくるのだろうか。この独特の世界観の中で、人間ってなんだったっけ。と思わず考えてしまった。

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どついてまさぐってかき混ぜてぐちゃぐちゃと──ポーポー様とポピ原人のモールス信号に頭病み、、ニンゲン解任を突きつける表題作【変半身(かわりみ)】。

そして男のユートピアが女を歪める二篇目【満潮】。
塩辛さと絶頂のせめぎあい、血圧計を叩きのめす連打の波動。
あくまで“正常値”に拘り抜く筆者は、勝手に臨界点へ。
残留し続ける思念プールは世界を沈没させる。

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村田沙耶香が、劇作家・松井周と原案を作り、それぞれに小説と劇にしたようだ。閉ざされた島での秘祭と、何者かに操られるニンゲンたち。登場人物たちの存在感の危うさは、さすが村田沙耶香らしい。劇は、今月末から上演されるようだが、小説とは、だいぶ内容が違っているみたい。

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シリアスな展開から一転し、まさかの結末

太平洋に浮かぶ離島、そこにはポーポー様なる神が。
14歳になる花蓮たちは初めて、島の秘祭「モドリ」に参加する。
展開がとにかく早いし、メチャクチャなストーリーで進むが、
最後こうきたか!と思わず笑ってしまった。

人間、創造、神、進化、地動、時間、
すべての概念の真実が壊れたら、
何を信じるだろうか・
そんな深読みもできた。
ぶっ飛んだのが好きな人に特におすすめ。

本が好き!倶楽部
せいちゃん

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これは・・・すごい。どちらの中編も印象が強すぎて、読み終わっても頭の中から情景が抜けていかない。
主人公目線で語られる文章は、うすぼんやりした世界観で、純粋な雰囲気が漂うが、実際は信仰や詐欺、性など、重さや狂いが隠れていて、そのギャップに若干気持ち悪さを感じるが、そこに引き込まれてしまう。

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ポピ原人やポーポー様を信仰し、謎の「モドリ」なる秘祭が行われる島。もうこれだけで村田ワールド全開だ。今、ここに存在するということの危うさが伝わる。疑いは容易く新しい真実を受け入れてしまう。それは陳腐な真実だろうと、汚ならしい真実だろうと。かえって綺麗すぎる真実より受け入れやすいのかもしれない。そうしてまた疑いだす。村田紗耶香の描くニンゲンのそういう受け入れ易さ、信じやすさ、流されやすさが滑稽でもあり、とても愛しいのだ。でもいつか「疑い続ける日々」に終止符を打つときは訪れる。真実がわかる時がくる。

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独特の世界観は健在。この世の生きにくさとか不条理さとか、自分の力ではどうしようもないようなものへの微かな抵抗。悲鳴のようでもあるそれが、痛々しく響く。何者でもない自分が何者なのかを見つけられたら、とふと思った。

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*
2019.12.4

『変半身(かわりみ)』村田沙耶香

わー💦村田沙耶香さん新作もぶっ飛んでるー‼︎

クレイジー沙耶香、健在😆✨

村田沙耶香さん、どこまでいっちゃうの?!って感じ笑

ほんとにびっくりしてしまうけど面白いー💕
今回もやばいです💦

演劇界の鬼才と言われている松井周さんと共同で作られた原案。千久世島ワールドを舞台に人類の歴史、新しい世界を沙耶香さんの独特の圧倒的世界観で描かれる。

もうほんとに凡人の私には思い浮かばないようなお話で読みながら、そういうこと実際ありそうだなぁ、怖いなぁと思ったり、そんなことってある??って驚かされたり…。

今作もすごく感情を揺さぶられた。

書き下ろし中編『変半身』と「早稲田文学増刊 女性号」に掲載され話題になった中編『満潮』を併録。

この『満潮』もすごくて面白かった😆

性について描かれているがエロさは全くない。

沙耶香さんの発想が面白過ぎる!

村田沙耶香さんにしか描けない世界✨

是非味わってもらいたいです💕



#変半身#村田沙耶香#NetGalleyJP#netgalley

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村田紗耶香は人間の集団の心理を書くのが上手い作家だ。

その中でも一歩引いて客観的な人物から不条理な場面を描くのが上手い。
しかも心が弱い人物を。
この本を読んである映画の有名なコピーを思い出した。

「異常も日々続けば正常になる」

覚悟が無いと読めない作家だ。
この小説を読んだ後しばらく放心状態だった。

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怖いもの見たさで読み進めてしまう。気持ち悪いとか居心地が悪いとか理解できないとか色々な感情がごちゃ混ぜになって忙しい。でも純愛なんだよなぁ。
読んでいる私まで生まれ変わった気がする。
色々な概念を覆されられるものすごい小説でした……。

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なんというか、とても衝撃的な本でした。
読んでいて頭がおかしくなるようなそんな感じでまさに村田沙耶香ワールドでした。
もう、最初のとっかかりからして衝撃的、秘祭の正体がまさかの偽物で、
その後結婚し、なんだかよくわからない世界で生きる主人公。
そして島に戻ったら戻ったでプロデューサーが島をプロデュースしてる。
そしてどんどん読み手の頭もおかしくなるような感じになってきて、でも読むのが止められない。
もう一つの「満潮」もまたすごかったです。
村田沙耶香さんの本は癖になります。集めようかな。

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