卒業タイムリミット
辻堂ゆめ
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刊行日 2019/11/22 | 掲載終了日 2020/01/16
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内容紹介
憧れの先生がさらわれた!?
謎を解くのは生徒4人。
青春の光と影を描いた学園タイムリミットミステリ!
私立高校でアイドル的な英語教師が誘拐され、ネット動画で72 時間後に「始末」されると予告された。生徒も教師も混乱するなか、3年生の黒川のもとに犯人から「誘拐の謎を解け。真相は君たちにしか分からない」と挑戦状が届く。仲間になったのは、体育会系男子、学年一の美女、そして幼馴染みの優等生だが、どうも訳ありなようで……4人は事件を解決できるのか?
出版社からの備考・コメント
校了前のデータを元に作成しています。 刊行時には内容が若干異なる場合がありますが、ご了承ください。 ※発売前の作品のため、ネタバレのレビュー投稿は極力お控えいただけますよう、ご協力のほどよろしくお願いいたします。
おすすめコメント
『このミステリーがすごい!』大賞のご出身で、精力的に活動されている辻堂ゆめさんの新作は、高校生4人が制限時間内の謎解きに挑む学園ミステリです。 伏線が張りめぐらされており、小さな違和感が、大いなる感動とともにほどけてゆきます。その先に涙なしには読めない、爽やかでやさしいラストが待っています。
緻密な心理描写と読後の切なさが魅力的な辻堂ワールドが、飛躍を遂げた一作です。ぜひ、お楽しみください。 (担当編集・藪長)
出版情報
発行形態 | ソフトカバー |
ISBN | 9784575242270 |
本体価格 | ¥1,400 (JPY) |
NetGalley会員レビュー
「卒業」という「パンドラの函」を開けた中には「希望」か「不安」か・・
高校の卒業式を間近にひかえた元不良少年・黒川は、所縁の薄い教師の誘拐事件に巻き込まれる。あまり関係をもってこなかった同級生3人と恩師ともいえる教師とともに、事件の解決を図るのだが・・・
「生徒」からすると「密室」ともいえる閉ざされた「職員室」の人間関係、ハラスメントに陥りやすいような「生徒」と「教師」の関係など、不穏な空気感が漂い事件は混迷を深める。
伏線回収の中に散りばめられたミスリードは見事で、明かされた真実には爽快感さえ漂うようだ。
力業と流麗さがバランスよく配置されたようなミステリー。
私立高校の卒業式直前、何者かに誘拐された人気女性英語教師。ネットにその姿がさらされ、彼女の命には期限がつけられた。
彼女の命を救うよう、犯人から指示されたのは4人の高校3年生だった。卒業単位が危なく補習漬けの元不良・黒川をはじめ、学校一の美少女やスポーツマン、学年トップ成績の少女と、バラバラなメンツ。4人は在学中ほとんど接点がなく、誘拐された教師のクラスの生徒でもなかった。
刻一刻とタイムリミットが近づく中、果たして教師を助けることはできるのか?
学校という閉ざされた環境を舞台に、時間制限がある設定もあって、最後まで一気読みでした。教師のキャラクターや伏線もうまく設定されていて、あっ!やられたという感じでした。
学校で働く身としては、ちょっと複雑な思いもありますが、お話としてはとても楽しめました。
生徒に人気の英語教師が誘拐された。
誘拐犯は、ネット動画で英語教師を72 時間後に「始末」すると予告する。
卒業を控えた4名の高校生のもとに、犯人から「誘拐の謎を解け。真相は君たちにしか分からない」と挑戦状が届く。
なぜ英語教師は誘拐されたのか?どこにいるのか?そしてなぜこの4名に挑戦状が届けられたのか?
次々と謎が解き明かされる快感、あっと驚く最後の悦楽。
ミステリを読みながらも、教育についても考えさせられる。
卒業タイムリミット。いいもの読ませていただきました。
学園で巻き起こる謎の事件。犯人は。なぜ。友情も恋心もないまぜにして、現在と過去を巻き込み繰り広げられる。少し切ない。きれいなものの裏側は決してきれいではないのかもしれないが、それを知ることは幸せなのか知らないままでいることの方が不幸せなのか。
夢中になって最後まで読んだ。高校3年生の黒川良樹と担任の伊藤倫太郎の関係性がいい。ここまで親身になってくれる先生に出会ったことが羨ましい。いろいろ問題のある教師がいそうな学校で英語教師が誘拐された謎を解く任務を負った良樹たち4人の生徒。それぞれがまた、人に言えない秘密を抱えていて、それが告白という形で挿入されている。事件の全貌がなかなか掴めないもどかしさと先に読み進みたい衝動とのバランスが見事だった。