人間
又吉直樹
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刊行日 2019/10/10 | 掲載終了日 2020/10/25
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内容紹介
僕たちは人間をやるのが下手だ。
38歳の誕生日に届いた、ある騒動の報せ。
何者かになろうとあがいた季節の果てで、かつての若者達を待ち受けていたものとは?
初の長編小説にして代表作、誕生!!
僕たちは人間をやるのが下手だ。
38歳の誕生日に届いた、ある騒動の報せ。
何者かになろうとあがいた季節の果てで、かつての若者達を待ち受けていたものとは?
初の長編小説にして代表作、誕生!!
販促プラン
●販促物について
ポスター、パネル、POPなどを作成する予定です。
●プルーフ版について
プルーフ版も作成しています。紙で試し読みをしたい方には郵送いたしますので、下記の連絡先にご連絡下さい
※プルーフ版のご提供は書店員さんに限らせていただきます
【お問い合わせ先】
毎日新聞出版(株)営業本部営業部
TEL:03-6265-6941
FAX:03-6265-6984
MAIL:t.shuppanstaff@mainichi.co.jp
出版情報
発行形態 | ハードカバー |
ISBN | 9784620108438 |
本体価格 | ¥1,400 (JPY) |
関連リンク
NetGalley会員レビュー
新しい小説を読み始めるときはいつも緊張してしまいます。
この作品とうまく打ち解けることができるだろうかと人見知りのように不安になります。
それが長編であればなおさらです。
冒頭からの流れるような生活の描写の中で、唐突に主人公と読者の前に表れるシュールな自由律俳句のようなメールの件名。
それを見た瞬間、なぜだかはわからないけれど、すでにこの作品のことを信用してしまっている自分がいました。
この作品とはうまく打ち解けあっていける気がする。偉そうに上から目線でそんなことを思いました。
物語はそのメールから想起された過去の記憶へと移ります。
主人公が漫画家を志し上京し、たどり着いたハウスと呼ばれるシェアハウスのような寮のような建物。そこで生活を送る人達の日々が描かれる。
どうしようもなく感情移入してしまいました。
引き込まれ、のめりこみまるで取り憑かれたかのように、グングンと頁を捲り続けていました。
かなり衝撃的な事件がありながらも物語はまた現代へと戻ります。
ここからシュールな件名のメールの内容へと話は進んでいくのですが、読み進めていると、今自分は見てはいけないものを見てしまっているのではないか、という恐怖をいつのまにか抱いてしまっていました。
自身の精神衛生上、これは読んではいけない気がする。けれどそれと同時に、その文章から距離を置こうとしてしまっていることに対し自己嫌悪してしまう。
僕は違うのだと冷静に俯瞰して逃げようとしている自分を感じてまた嫌悪。
やすやすと説き伏せられて、自分の中の正しさがコロコロと変わっていってしまう、そんな僕の容易さが苦しく、恥ずかしい。
心を開いていた分余計に響きました。
シュールではあるけれどとても生々しい、それに強い不安を感じさせられてしまっていました。
心を執拗に乱され、どうやって歩いていけばいいのだろうかと途方にくれていた時、気がつけば自然と優しくされていました。
全面的に自分を受けいれてもらえた。わかってもらえた。抱きしめられた。
アカン、これは恋に落ちてしまう感じのやつや。。
思えば自分で勝手に否定されてしまった気になっていただけでした。
人間なんて拙くていい、そう諭された気がしてすごく楽になりました。
生きていく上ですごく大事なものを授かった気がします。授かったこのお守りを一生大切にしていきたいです。
僕はこの小説が好きです。大好きです。
恥ずかしながらもレビューという名のラブレターを送ります。