ボッティチェッリの裏庭
梶村啓二
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刊行日 2019/08/29 | 掲載終了日 2019/09/06
ハッシュタグ:#ボッティチェッリの裏庭 #NetGalleyJP
内容紹介
フィレンツェ、パリ、ベルリン、瀬戸内――
一枚の絵に導かれ、時を超え、海を越えて物語は疾走する。
スリリングなアートミステリーの超新星出現!
16 世紀フィレンツェから21 世紀ベルリンへ──。壮大な構想のもと、スリリングに展開されるアートミステリーを刊行します。中心になるのは、ルネサンスの巨匠ボッティチェッリの未発見の真筆。その生涯に謎が多い作家ボッティチェッリの創作の秘密と、一枚の絵画に人生を翻弄される人々のドラマが併走し、精緻かつ端正な文章で、現代における「本物」の意味を問う意欲作です。
福岡伸一氏大推薦!(『生物と無生物のあいだ』著者)
「名作の真贋を見極めることは、人生の真贋を試されることだ。時代を超え、国境を越えてゆくスリリングな疾走感。こんな物語が読みたかった。」
【あらすじ】
「折り入って相談したいことがある。できるだけ早く会いたい」 親友フランツがスイスで謎の死を遂げて三カ月、未亡人となったカオルからのメールには言いよどむ気配があった。駆けつけるとそこには幼い娘が一人きり。いぶかるタカオの携帯に見知らぬ男からの電話が入る。「奥さんの身柄は、フランツさんが所有していた絵と交換しましょう」その絵とは、ルネサンスの巨匠が遺した未発見の真筆。やむなくタカオは少女を連れて、まだ見ぬ名画の捜索に乗り出した――
出版社からの備考・コメント
今回アップしたデータは、校了前のものです。刊行時には内容が異なる場合があります。ご了承ください。
出版情報
発行形態 | ハードカバー |
ISBN | 9784480804884 |
本体価格 | ¥1,800 (JPY) |
NetGalley会員レビュー
16世紀のフィレンツェ、第二次世界戦末期のノイシュヴァンシュタイン城、二十一世紀の藤沢、ベルリン、瀬戸内。ボッティチェッリの秘蔵された一枚の絵画を巡って時空を行き来して物語が進行します。読み始めたら止まらないジェットコースター小説。ルネサンス期の古典絵画と三次元画像の記録再生技術、仮想通貨としての絵画の役割等々興味深いテーマが交錯するので興味も尽きない。
小説のジャンルからすると主要登場人物のカサネの存在が今ひとつ納得いかないので星ひとつ減。
永遠はない人の世で、もとめる永遠は・・
デジタル系の技術職のタカオは、事故死した親友の妻からの呼び出しを受け、美術館で待ち合わせをする。しかしそこにいたのは愛娘のカサネだけで、妻カオルはいなかった・・・
巨匠ボッティチェリの真筆を巡るアートミステリーの中で、人々の絵画に対する想いが描かれる。変わりゆく世の中で一瞬を切り取り永遠に留めようとするからこそ、人々は絵画に憧れ想いを寄せるのだとしみじみと感じた。
淡い光を感じるようなアートミステリー。
絵画をテーマにしたサスペンス。ただし、よくある絵画の真贋を問うような作品ではない。ボッティチェッリの時代、ナチスの時代そして現代を縦横に行き来しながら美術の本質を描き出している。まるでボッティチェッリの絵画のように物語が丁寧に描かれている。それでいてスピーディに展開し読者を飽きさせないだけでなく、ボッティチェッリへの興味がふつふつと湧いてきて尽きることがない。面白い!普通にこれだけ面白いのに、非科学的な現象を持ち込むのは如何なものか?この一点だけが納得がいかない。それ以外の部分は、まさに読みたいと思っていたような作品だった。
ボッティチェッリの1枚の絵によって時空を超えて翻弄されるアートミステリー。
人の命に代えてでも欲しがる欲深さ。愛した人とその子供の命かかっているからこそ投げ出すわけにはいかなかったのだろう。
ボッティチェッリの当時の背景等想像しながら読み進められた