スナック墓場
嶋津輝
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刊行日 2019/09/10 | 掲載終了日 2019/12/12
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内容紹介
乾いていて衒いがないのに、そこはかとなく〈艶〉のある、クセになる文章のリズム。おもわずほほえんでしまう巧まざる〈ユーモア〉、人間観察からあふれでる、生きることへの〈姿勢の良さ〉。身近にありそうな、でもちょっとだけいつもと違う日常の世界を、〈女性たちの持つ生きづらさ〉をさりげなく織り交ぜつつ、町の商店街の生活、女性同士の葛藤、男性への鋭い視線などを通して、鮮やかに描きだす。 既存の作家としては、長嶋有さん、木皿泉さん、津村記久子さんといった、オリジナリティあふれる確固とした世界観を持ち、かつ描写の力にあふれた作家たちに通じるものを感じる。ともすると閉塞的内向的になりがちな題材を、しっかりと、突き抜けて描くことができる。小説好きに限らず、多く人に愛される要素もあるはずです。商店街の人々の生活を中心に、母と娘、女ともだち、クリーニング店の店主の妻と客、女性二人の姿のコミュニティを中心にした、どこか懐かしくて、新しい6編。
おすすめコメント
単行本の刊行前から、アンソロジーに2編も収録されるほどの注目度大の新人!
・「ラインのふたり」(『女ともだち』(文春文庫))
・「一等賞」(『短篇ベストコレクション: 現代の小説2018』 (徳間文庫))
「担当者の私見」とのことわりつきであるものの、オール讀物新人賞でいままで見てきた新人で一番の才能との評価です。
・第96回の新人賞は、のちに「童の神」で直木賞候補になる今村翔吾氏が落選するほどの激戦回。そのなかで男性女性を問わず選考委員の高い評価を集めました。 以下、選評より抜粋 安部龍太郎「日常にひそむ裂け目をストーリー性豊かな物語に仕上げる力量はたいしたもの」 池井戸潤「悲惨な話になりがちな設定なのに筆致は明るくほのぼのとしており、それがかえって新鮮だ」 佐々木譲「小さな意外性のつながるストーリーを気持ちよく読むことが出来た」 森絵都「落ち着いた文体の端々から独特の新味が覗く作者の筆はポテンシャルを感じさせた。この読後感にはあまり出会ったことがない。一言で言うならば『どっかりとしていて、愛嬌がある』小説だ」
出版情報
発行形態 | ハードカバー |
ISBN | 9784163910918 |
本体価格 | ¥1,400 (JPY) |