欺す衆生
月村 了衛
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刊行日 2019/08/27 | 掲載終了日 2019/08/18
ハッシュタグ:#欺す衆生 #NetGalleyJP
内容紹介
被害者数三万人、被害総額二千億円以上――。
戦後最大かつ現代の詐欺のルーツとされる横田商事事件。その目撃者であり末端の営業マンであった隠岐は、かつての同僚の因幡と再開。導かれるがまま〈ビジネス〉を再興する。
取り返そうよ、ここらで僕達の人生を。僕と君は一蓮托生なのだから。
幾多の修羅を経て、詐欺の魅力に取り憑かれていく隠岐。ついには〈国家〉を欺く一大事業へと発展していくのだが――。 欺す者と欺される者、謀略の坩堝の果てに待ち受ける運命とは。
戦後最大の詐欺といわれた豊田商事事件をモデルに、人間の業と欲を徹底的に炙り出す、渾身の長編小説。
【著者紹介】月村 了衛(ツキムラ リョウエ)
1963年生まれ。早稲田大学第一文学部文芸学科卒。2010年に『機龍警察』で小説家デビュー。2012年に『機龍警察 自爆条項』で第33回日本SF大賞、2013年に『機龍警察 暗黒市場』で第34回吉川英治文学新人賞、2015年に『コルトM1851残月』で第17回大藪春彦賞、『土漠の花』で第68回日本推理作家協会賞を受賞。近作に『東京輪舞』、『悪の五輪』などがある。
出版社からの備考・コメント
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おすすめコメント
昭和、平成の闇を通じて、現代日本の実相を描破する、規格外の暗黒小説!
人はなぜ、人を欺き続けなければ生きていけないのか――。
本作は昭和という時代を象徴する、〈豊田商事事件〉を起点にしながら、現代にまで連なる人間の持つ本質的な〈闇〉へと迫ります。 迸る熱量と予想を超える展開の数々に圧倒されること間違いなし!
ぜひ、刊行前にご一読ください!
昭和、平成の闇を通じて、現代日本の実相を描破する、規格外の暗黒小説!
人はなぜ、人を欺き続けなければ生きていけないのか――。
本作は昭和という時代を象徴する、〈豊田商事事件〉を起点にしながら、現代にまで連なる人間の持つ本質的な〈闇〉へと迫ります。 迸る熱量と予想を超える展開の数々に圧倒されること間違いなし!
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出版情報
発行形態 | ハードカバー |
ISBN | 9784103395324 |
本体価格 | ¥1,900 (JPY) |
NetGalley会員レビュー
昭和末期の闇の熾火が転がり燻り続け、奈落の底で照らした風景とは・・?
会社員・隠岐は上司の指示で、会長の隠れ家的アパートに様子を伺いに行く。そこで衝撃的な光景を目にする・・・
豊〇商事の事件をリアルタイムで見ていた世代としてショッキングな内容でした。
再出発を図りながらも元の世界に引き戻され、家庭の平穏を保とうとしながらも、徐々に自身が侵食され闇側に堕ちていく様がリアルに描かれています。
拠り所だった家庭に綻びが見えはじめ、ビジネスパートナーと別れるあたりから隠岐は内心自分の行く末も気づいていたのではないでしょうか。
「人が人を欺し、国が国を欺し、国が人を欺す。それが世界の実相なのだ。」そうなんですね・・
豊田商事、安愚楽牧場、ライブドアなど実在の詐欺事件をモチーフに魑魅魍魎が蠢く「ビジネス」の世界に生きる男の半生を描いた作品。
終盤の絶望的状況からの予想外の結末は圧巻です。
月村了衛さんといえばSFという印象でしたが、ここ最近の社会派作品も読み応えがあり、新作が楽しみな作家さんです。
衆生(しゅじょう)の言葉も意味も分からなかったので店にある辞書を引いてみた。
仏教でこの世の中に生きているすべてのもの。衆多の生死を経るので衆生と名づける。との説もあり
衆生の中には、人間だけでなく、動物など他の生命も含まれている。すべての人は6つの苦しみ迷いの世界を永遠に生まれ変わり死に変わりし続けることを六道輪廻。
家族と生活のために以前勤めていた会社と同じ世界に戻され徐々に詐欺の魅力にはまり暗黒の世界に落ちていく様に六道の天道、人間道、修羅道、畜生道、餓鬼道、地獄道が関わっているのではないかと思った。
人を騙し、騙され、甘い蜜を吸い続け次第に後戻り出来ない状況でパートナーの因幡が壊れていくのがリアルに怖かった。
隠岐もいずれこうなるのだと自分で気づいたんじゃないか?
あくまでビジネスの世界を貫き極道や国までも動かし続け、カリスマとなりトップへと上り詰める。はたしてそれが幸せなのか?
でも、この世の中にはそれが幸せだと。思う人もいるんだよな・・・