彼女は死んでも治らない
大澤めぐみ
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刊行日 2019/08/05 | 掲載終了日 2019/08/05
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内容紹介
「沙紀ちゃんが『死ぬ』のも『生き返る』のはもう慣れっこなんだけど、 とりあえず、今はなによりも、彼女を殺した犯人を見つけ出さなくてはいけないのだ!」 女子高生・神野羊子(じんのようこ)は、 なぜかいつも殺されがちな親友・蓮見沙紀を救うため、 謎めいた殺人事件に挑み続けるが……。 角川スニーカー文庫『おにぎりスタッバー』で衝撃的なデビューを飾った著者が光文社から初登場。 唯一無二の文体と個性的なキャラクターたちが織りなす青春×ミステリー×〇〇!?
おすすめコメント
殺されがちな親友!?
死ぬのも生き返るのも慣れっこ!?
大澤めぐみワールドをぜひ体感してください!
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死ぬのも生き返るのも慣れっこ!?
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出版情報
発行形態 | 文庫・新書 |
ISBN | 9784334778750 |
本体価格 | ¥0 (JPY) |
NetGalley会員レビュー
33分探偵を思い出す、ノリの軽いミステリー。
開始数行で事件が発生。
何の前触れもなく死体で発見される沙紀ちゃん。
そして、その死体を前に、泣くでも取り乱すでもなく、事も無げにお喋りとも捜査ともつかない何かを始める、被害者の友人である私(よーちゃん)と昇。
何ともシュールな光景が繰り広げられる。
「沙紀ちゃんがいきなり死んでいるのなんかそんなに珍しいことでもない」という言葉は、彼女たちの関係を知らないうちはなかなか強烈だ。
語り口は等身大の高校生らしく、軽妙にコロコロ話題が変わっていく。
ライトノベルなどを読み慣れていないと、ちょっと戸惑うほどの軽い語り口は、これがミステリーなのか、それとも少女の一人語りなのか見失いそうだ。
そうして、主人公と昇のドタバタを見ているうちに、いつの間にか犯人が判明し、裁きが下される。
(そしてしれっと生き返る沙紀ちゃん)
ジェットコースターというか、イリュージョンというか、気づいたら終わってた、という印象すら感じる、不思議な作品だ。
おそらくこの作品は、バリバリの本格ミステリーを好む人にはおすすめできない。
冒頭に書いたように、33分探偵みたいな軽いノリのミステリーを読んでみたい、そんな人におすすめだと思う。
なお、軽いノリと見せて、最後は覚悟を迫られる主人公たち。その展開にも注目だ。
第一声としては、何かズルい!
神野羊子は超絶美少女・蓮見沙紀、冷静沈着な幼馴染・昇を友人に持つ女子高生。入学早々とんでもない事件に遭遇し・・。
ショッキングなシーンと口調の軽さのバランスが絶妙で悲壮さは感じません。
各章での謎解きも、3人の関係性の謎も絶妙で楽しめます。
それでもズルいと思ってしまう・・・
殺されてしまう幼なじみを救う神野羊子の日常は、犯人探しをして幼なじみを生き返らせること。彼女さえ救えればほかのことはどうでもいい。その世界観で生きている神野羊子(よーちゃん)に対し、高校で新たにできた友人たちが疑問を呈します。
その結果自分の過ちを認め、新たな世界観で生きはじめるという、子供から大人への成長を描くビルドゥングスロマンでもあり、セカイ系への批評でもあり、またミステリーの手法を解説しながら当てはめていくメタミステリーでもあるこの作品。でもそれだけではなく、公正世界仮説という考えが反映されているように思います。
世界は公正なので、すべての物事は理由があってそうなっているというものですが、認知の歪みだとされています。
この公正世界仮説を使って、もうひとつ別の物語世界を作り出しているように感じました。
読みながら自分の世界観を問われているようで、私たちが暮らす世界、はたまた私たちの存在も、実体があると断言するのは難しいように思え、薄ら寒い気持ちになりました。初めて読んだ作家さんですが、他の作品も読んでみたいです。
昇や全体的な真犯人に関しては、結構分かりやすく要所要所に伏線が張ってあり、クライマックスに向けて自分の考えた謎解きの答え合わせをしているようで面白かった。
ただ単なる正統派ミステリではなく、心霊系もありつつ読みごたえがあった。
結局のところ死ぬ運命にある沙紀ちゃんは、今後どうなるのか・・・が気になるところではある。
タイトルからしてかなりぶっ飛んでいますが内容はさらに上行くものでした。殺されても親友の羊子が犯人を言い当てれば生き返る超絶美少女の沙紀ちゃん←すでに私の許容量を超える設定(笑)。犯人当てのミステリーなのかと思いきやオカルト的な感じになっていき・・・。最終的に面白かったのでOKです。