待ち遠しい
柴崎友香
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刊行日 2019/06/08 | 掲載終了日 2019/10/01
ハッシュタグ:#待ち遠しい柴崎友香 #NetGalleyJP
内容紹介
彼女たちのささやかで切実な毎日――。
これはきっと「あなたの物語」
「スッと生き辛さが和らいだ
ただ日々生きてる生きてるだけで自信を持っていい
春子、教えてくれてありがとう」
――犬山紙子(エッセイスト)
〈あらすじ〉
住み心地のいい離れの一軒家で一人暮らしを続ける北川春子39歳。母屋に越してきた、夫を亡くしたばかりの63歳、青木ゆかり。 裏手の家に暮らす現実的な今どきの新婚25歳、遠藤沙希。
年代も性格もまったく異なる3人の出会いから始まった、温かく、どこか嚙み合わない“ご近所付き合い”、その行方は――。
女も男も、人からは見えない、そしてジャッジすることのできない問題を抱えている。
年齢や、生きる環境、価値観など、さまざまな違いを乗り越えて、人と人はほんとうに分かり合えるのか?
現代を生きる大人たちに贈る必読の一冊。
芥川賞作家が描く新たな代表作!
出版社からの備考・コメント
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出版情報
発行形態 | ハードカバー |
ISBN | 9784620108414 |
本体価格 | ¥1,600 (JPY) |
NetGalley会員レビュー
「共感」というラインをある時は大きく超え、ある時はわずかに下回り、またある時はわずかに越えと浮遊感を漂わせる作品でした。
中年と呼ばれはじめかねない年齢に差し掛かった独身女性・春子の周囲の人々との関りを描いています。
女性だから、独身だから、この世代だから、一人暮らしだからという「だから」に続くステレオタイプ的な発言を冷静に受け止めながらも、少しずつ時には大きくざわめきを感じる様子が伝わってきます。
生きやすさと息苦しさを同時に感じさせる作品です。
こんな話しが読みたかった。
日常のどこにでもある話しが。
人と関わる煩わしさに閉じこもりたくなることがあるけれど、それは突き詰めれば自分自身の問題で、心持ち振る舞いを変えればその煩わしさは随分と薄まると。
そう、春子のようになりたい、人と付き合いたい。
人との関わり。最近、自分でも考えることの多いテーマ(悩まされているとも言える…)だったので、とても面白かった。ラストシーンもとてもよかった。
人はそれぞれ、一人一人が完全にオリジナルの人生を生きるわけだから、そこから自分の中に育っていく価値観や感じ方もオリジナルで、どんなに気があって仲の良い相手とも100%一致することはない。だからこそ、日々めんどくさいことや本当に許しがたいことが起こる。でも、だからこそ人と関わるのは面白い。そう思いたい。相手が自分とは相容れないと思った時、ガシャーンとシャッターを降ろしたくなることもあるけれど、できるだけ、へ〜!そんな考え方もあるの!なんでなんで?というふうに面白がりたい。
良かれと思ってやってもらったことがピント外れだったなら、ありがたいけれど私には合わないのですと説明すればいいし、説明された側は、あぁそうか、そういう考え方もありなのね!と押し付けずにおけばいい。とは言っても言葉の通じない相手というのも存在するわけで、いずれも、言うは易し、行うは難し、なのですが。
私自身は結婚していて子どもはいない生活で、個人的には春子さんが一番近い感覚だったけれど、ゆかりさんがお節介というレビューがかなり多くて少し驚きました。自分で思っているより、ゆかりさん寄りなのか(笑)ご近所づきあいという関係性と、仕事上のつきあいという関係性でも、また気持ちの持ち方が変わる気もする。
少なくとも私はいろんなことが待ち遠しいです。