終電前のちょいごはん
薬院文月のみかづきレシピ
標野凪
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刊行日 2019/06/05 | 掲載終了日 2019/06/04
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内容紹介
福岡薬院の裏通り、古いビルの2階にある小さなお店「文月」は《本が読めて手紙が書ける店》。開いているのは三日月から満月の夜の間だけ。仕事でうまくいかなかったり、恋愛が不安だったり、誰かと話したかったり、家に帰る前にちょっとどこか寄りたいとき、店主の文がつくる気の利いた季節のちょいごはんが、誰の心もやさしく癒してくれます。 ほっこりあたたかくなる美味しい物語。巻末にレシピ付き。
福岡薬院の裏通り、古いビルの2階にある小さなお店「文月」は《本が読めて手紙が書ける店》。開いているのは三日月から満月の夜の間だけ。仕事でうまくいかなかったり、恋愛が不安だったり、誰かと話したかったり、家に帰る前にちょっとどこか寄りたいとき、店主の文がつくる気の利いた季節のちょいごはんが、誰の心もやさしく癒してくれます。 ほっこりあたたかくなる美味しい物語。巻末にレシピ付き。
出版社からの備考・コメント
「第1回おいしい文学賞」最終候補作品
おすすめコメント
仕事のあとまっすぐ家に帰りたくないような時、一人で寄れるこんなお店が本当にあったらいいのに! と強く思ってしまいます。空の月を見たら、営業中かお休みかわかるのも、なんだか素敵です。
仕事のあとまっすぐ家に帰りたくないような時、一人で寄れるこんなお店が本当にあったらいいのに! と強く思ってしまいます。空の月を見たら、営業中かお休みかわかるのも、なんだか素敵です。
出版情報
発行形態 | 文庫・新書 |
ISBN | 9784591163061 |
本体価格 | ¥680 (JPY) |
関連リンク
NetGalley会員レビュー
生きるためには 食べることと密接につながっている。
身体に栄養が必要なように
心にも栄養が必要。
四季の彩りと香り。
四季の食べ物と香り。
その食べ物を口にすると
癒され 元気になる。前向きになれる。
明日も頑張ろうと思える
そんな食べ物や飲み物が
このカフェにはありました。
こんなカフェが家のそばにあったら
間違いなく常連になるのになぁ。
ぶどうの「こつまみ」作ってみようと思います。
本が読めて手紙が書ける隠れ家カフェあり〼
ごはん、おやつ、お酒などおいしいものを扱った第1回おいしい文学賞の最終候補作品。
作品紹介の「本が読めて手紙がかける店」が目に入った瞬間好き!!って思ったけど読んだらもっと好きになった。
プロローグを含む10編からなる短編小説で、料理名を含んだタイトルもすごく可愛い。
オーナーである文さんの纏う軟らかな空気と、こじんまりしたお店の描写が心地良く、私も同じ様な空間に浸りたくて読書のお供をスナック菓子と炭酸ジュースからハーブティーに変えたほど。
疲れているから少しだけと思って読み始めたけれど気付けば終わりまで読んでしまい、読む前よりも前向きな気持ちになった。
個人的には文さんが文月を開いた理由と三日月から満月の夜までしかお店を開かない『七月のみかづき』がものすごくお薦め。
読書と手紙と美味しいもの...それだけで読書好きとしては手に取らずにはいられない一冊だ。
カフェ系や定食屋・食事ができるお店系の話はたくさんありますが、
これまで読んだ作品とは《ひと味》違った味わいがありました。
現代社会の抱える課題が盛り込まれていて、働く人たちの悩みや日々の鬱憤が伝わってきました。
それらをやわらかく受け止めてくれる店「文月」がすてきです。
福岡薬院の裏通りに訪ねていきたい。博多の言葉もいい味付けになっています。
お気に入りは不動産屋さんの「家賃、ばり負けちゃるばい」
近頃流行りの食モノとか喫茶店モノの作品かなぁと思いつつリクエストを出しました。
喫茶店・文月とそこへ足を運ぶ人々の様子を描いた短編集という作りです。ほんのりと連作っぽいつながりもあります。
喫茶店の文月のコンセプトもなかなか興味深くて、同じような営業日でやってるお店とかあったら面白いですね。
福岡が舞台ということで方言もしっかり書かれているので、ご当地感があるのも楽しいですね。それっぽいイントネーションをイメージして読みました。が、似非福岡弁です(笑)。
別に文月の店主・文さんに特別な能力があったりとオカルトな話ではなく、普通に登場人物たちが悩み、考え、先に進んでいくという作風なのが、個人的には好ましかったです。
作品に出てくる「こつまみ」のように、ちょっとずつ つまんでいく読み方にも向いていると思います。
福岡に住んでいたことがあったのでその土地の街並みを思い浮かべながら楽しく読めました
博多弁も懐かしくてよかった
出版される際に位置関係の地図があるといいかも(付いてたらすいません)
お店の影が見えつついろんな立場の人たちの生きる様が見えておもしろかった
店主の影が薄いなと思っていたら最後にちゃんとあって安心できました。
続巻が期待されます
100ページも読むと独り言が博多弁になる。今夜は上弦の月やけん文月も開いとうかな。雨で月は見えそうにないけど。読んでいて寂しくなった。こんなふうにふわっと心の重荷をおろせる場所がないことが、本の中に逃げ込むしかないことが。入口の鉄製の扉の例えが人によって違う。探偵事務所だったり、秘密基地だったり。小説と同じで、文月という店も訪れる人によって違う世界に見えるのかもしれない。「こつまみ」は野菜中心で真似したいものばかり。どうしてこんな梅雨の時期に発売されたのか、どうして関東出身の文が博多に店を出したのか最後の章でわかってほろりと泣けた。
毎日毎日心身をすり減らして働いて疲れきっている人たちが、素に戻れて、明日への活力をもらえるカフェ文月。カフェのオーナー文さんは、自分自身の経験から、そんなお客さんにそっと寄り添い、温かい言葉とともに、おいしいお料理やお酒やお茶を提供する。無我夢中になっていると気づけない大事なことにお客さんは気づいていく。文さん自身も無理はせず、満月を過ぎると次の三日月まで店を閉める。人の身体は月の満ち欠けに影響を受けると聞いたことがある。理にかなっているのかも。ドンドン前に進む、ドンドン満ちていく、それをめざすばかりじゃなく、ちょっと休んでから、またゆっくり歩き出そう、そんなメッセージを感じました。
自分が変わろうとしている時、変わらなければと迫られている時、変わらずにいてくれる存在があることはどんなに心強いだろう。「ゆっくり息が」できる場所、「文月」。でも、帰る前にちょっと寄るだけという感じさせ方も優しいお店。
福岡を舞台に地域色を出した文章が好印象でした。ゆっくりと肩の力の抜き方を教えてくれる物語でした。
作中の小説を読む論議にもとても共感できました。
福岡薬院にある少し変わった小さな料理店「文月」。何が変わっているのかというと営業日にある決まりがあるのだ。お店のコンセプトが「本が読めて手紙が書ける店。」というのも魅力的。文さんの作る「こつまみ」という季節の野菜を使ったおつまみも美味しそう。色々な思いを抱える人々も文月を訪れると、文さんとお店のほんわかとした雰囲気に自然と癒されてしまう。ずっと気になっていた文さんがお店を始めたきっかけと思いが最後に分かった時、心地よさを感じさせてくれる心のよろどころ「文月」に、私も行ってみたくてたまらなくなった。
心がほっこり、涙がほろり、疲れた心を包み込んでくれる一冊です!
食べ物小説大好きな私。タイトルですぐに惹かれました!
読み始めてみると、福岡の方言だったり、地名だったり、料理の呼び名だったり、ご当地感もありつつそれがまた心地良いあたたかさを醸し出しています。
仕事、恋愛、家族、思い通りに行かないことはたくさんあるけれど、それを優しく包み込んでくれるような場所があることがどれだけ心の助けになるだろう。こんなお店が近所にあったらいいのにな、と思いほっこりしました。
三日月から満月までしか営業しない理由や、最後に明かされる店主の文さんのストーリーに涙がホロリ!巻末の文月のレシピも参考に作ってみたくなりました!
福岡薬院の裏通り、古いビルの2階にある小さなお店「文月」は《本が読めて手紙が書ける店》。開いているのは三日月から満月の夜の間だけ。(内容紹介より)
学生の頃は何か話したいとか相談したいという時にすぐに誰かと話ができたけど、社会人になると意外とそういう相手がいないもの。独身時代なら夜中に長電話したって良かったけれど、結婚したり仕事が忙しくなったりして、自分の時間を持つことすらままならない人が増えている。
「文月」はちょっとお酒が飲めて、軽く食事ができて、店主の文さんとのんびりした会話が楽しめるお店だから、定期的に訪れる人がいるのってなんだか良く分かるなぁ。こういう心の寄り道ができるお店って貴重だなと思います。
月の半分くらいしか営業していないし、のんびりした風情の文さんの素顔が最後の一話で見えてきたとき「ああ、そうだったんだねぇ」という気持ちになりました。彼女にも大変な時代があったんだなぁってね。でも、その大変さに押しつぶされる前に福岡へやってきて正解だったねと思います。
不動産屋のおじいさんの「家賃、ばり負けちゃるばい」の一言がありがたかったね!その一言で人生が決まったね、文さん!
羽を休める場所があるといい。息を抜ける、自分のお気に入りの場所。そこでは飾らない姿が見せられたり、次の日への活力をチャージできたり、悩みを打ち明けられたり、美味しく食事ができたりする。何をするでも何をしないでも自由。自分の居場所がそこにあることが重要だから。
「食堂」「女性」「連作短編集」
私がつい買って読んでしまう小説はこの3つの条件があります。
この本は3つとも満たしているドンピシャな小説です。
この本に出てくるのは、ちょっと人生に立ち止まっている人たち。
「文月」で「こつまみ」を食べて少し元気になって
また自分の人生に戻っていきます。
私は何回かは博多や天神に行ったことがあるので、知った地名が出てくるうえに詳細な風景描写なので、本当にこのお店はあるんじゃないかと思わせます。
「文月」の女主人、文月がお店をオープンするに至った経過も最後のお話に載っていて興味深く読みました。
出てくる食べ物も美味しそうですが、お酒も詳しくお話に登場します。
作者の標野さんはお料理好きでお酒もたしなむ方だと勝手に想像しました。
最後にはレシピもついています。
おさかなのスープは作ってみたい !!
表紙がとても良い感じ。すっきり、とはいかない章もありましたが、それはやっぱりこういう時代だから。今をきちんと生きる人達のあれこれを受け止め、時に励ます「文月」というお店が、本当に私の近くにあれば・・・と思います。人に惑わされず、自分らしく月日を重ねるって本当に難しい。ちょっと休憩できる場所が欲しいのは皆同じなんだと思う。最後のレシピもとても良かったです。7月までもう少し。最後の皆の短冊を見ていたら私もなにか願い事を考えたくなりました。
三日月から満月の夜にだけ開くお店「文月」小さな小鉢に季節を閉じ込めたこつまみ。美味しいお酒やお茶。主である文さんの魅力的な人柄。全部が好きです。
読む度に肩の力が抜けて。ほっと一息つける。不思議な魅力のある物語でした。
すぐに読み終わるのが、もったいなくて。
1つ1つの物語をしっかり味わいながらゆっくり時間をかけて読ませていただきました。贅沢な時間を過ごせました。
レシピも嬉しいですね!作りたい!
会社でのごたごたや、人間関係に誰しも疲れた経験があるだろう。クサクサしたままの心じゃ全てがつまらなくなる。そんな時はおいしいものを食べて心をほっこりさせるのも一つの方法。「文月」のお店全体で優しく優しく包んでくれるような、心地よい空間が読み手にも伝わる優しい文体。癒されて、おなかも心も満足したら、あら不思議、明日からはキラキラした日々になりそうな気がしてくる。うちの近所にあったら間違いなく常連になっちゃうね。