ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー
ブレイディみかこ
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刊行日 2019/06/21 | 掲載終了日 2019/12/10
ハッシュタグ:#ぼくはイエローでホワイトでちょっとブルー #NetGalleyJP
内容紹介
イギリス南部の都市ブライトンで生まれ育った中学1年生のぼく。パンクな母ちゃんとダンプの運転手の 父ちゃんの間に生まれた一人息子で、「いい歳をして反抗的でいい加減な」母親とは違い、 学校ランク第1位の公立小学校で生徒会長をしていたような「いい子」。しかし、 ぼくはちょっと変わった「元・底辺中学校」に進学することにした!
超美少年なのにレイシストのダニエルや、こわーい兄貴がいるけど心優しいティム。 ただでさえ思春期ってヤツなのに、「ワケあり」だらけの中学校では、 家庭環境とか、性別の違いとか、ときには両親の肌の色をきっかけに、毎日が事件の連続。
それでも、ぼくたちは大人たちの常識を軽く飛び越えて、 子どもなりのやり方でそれを乗り越えていく。
出版社からの備考・コメント
販促素材より、お申込み用紙をDLくださいませ。
ご希望〆切は6/2(日)です。【大反響により、〆切延長しました!】
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おすすめコメント
今作の登場人物は、イギリスに暮らすブレイディさんとアイルランド人のパートナー、そして、お二人の間に生まれた息子さん。その息子さんがひょんなことから、荒れていたことで有名な「元・底辺中学校」に通い始めたところ、様々な困難にぶつかっていくことになる…。その様子をみずみずしく描いたエッセイ作品です。
ユーモアたっぷりの家族の姿についつい笑ってしまうこともしばしば、たくさんの困難を友人や両親の力を借りながら乗り越えていく姿は、涙なくして読めません。そして、今作が何より素晴らしいのは、時に笑わせ、時に泣かせながら、 様々な社会問題を読み手と同じ目線で問いかけることにあると考えています。
今作で扱われる人種やジェンダー、貧富の格差などの問題は、どうしても他人事になりがちです。ところが、息子さんの目線を通じて世界を見ると、それらが当たり前のように壁になる。ともすれば、簡単に遠い話になってしまう問題を、こんなにも切実に、それでいて、決して押し付けることなく、自然に心に問いかけられたことはありません。
読者に届ける難しさは確かにあります。 しかし、そのすべてのハードルを軽々と乗り越え、心を揺さぶる魅力が今作には あると確信しています。なんとしても、たくさんの人に届けたい!
みなさまのお力添えなくして、伝わることは決してありません。この作品に少しでも 心が動かされたなら、どうかお力をお貸しください。
【担当編集より】
本作は新潮社の月刊誌「波」での連載がもとになっているのですが、社内の反応がとんでもなく熱く、しかも多く、担当者として彼らの熱気に圧倒され続けてきました。あらゆる部署のあらゆる世代、性別のひとが口々に「2章で早くも落涙……」「自分の子どもを重ね合わせちゃう」「かつての自分に読ませたい!」「息子くん……年下なのに憧れます」「人生を通じて何度も読み返したい!」…なんて、わざわざ席まで言いに来てくれたんです!感想の違い、響く個性に感激したから、書店員のみなさんにも原稿をお届けしたくなりました。よろしければ本書の魅力がぎゅっと詰まった第1章をぜひ。10分で読めますし、お時間は無駄にしませんので!
販促プラン
【部署の垣根を越え、新潮社社員が大推薦!】
・ブレイディさんは言いました。「みなまで言わないよう、気をつけて書いてます」。なのに、なんでこんなに伝わってくるんだろう。本作は小説風味のエモいエッセイであり、さまざな違いが力強くユニゾンする実録「君たちはどう生きるか」。ああ、早くあなたと感想を語り合いたい!(編集担当/ノンフィクション編集部・堀口)
・息子さんの言葉にドキッとさせられ、読後は自分とは違う誰かのことを案外分かっていなかった自分のことも含めてものすごく考えさせられるのです。人種、階級、多様性。日本で暮らしているとどこか他人事に思えていたのも今は昔。10代から大人まで、少し遠い話に感じる方にも是非読んでほしい作品です。(宣伝部・佐藤)
・この親子、とにかく最高!パンクで熱い母ちゃんと、ときにクールに母を諭す10歳の息子。自分を取り巻く雑多で厳しい世界、そこから何が正しくて何が大切かを見極めようとする彼の、みずみずしい眼差しに心打たれ、いつの間にか彼と一緒に考えている自分に気づくはず。心から思います、こんな息子がほしかった! (営業部・岩崎)
・肌の色やジェンダー、格差…。センシティブで難しいテーマを扱いながら、決して押し付けることなく、時に泣かせ、時に笑わせ、ここまで自然に心に問いかけられたことはありません。自分を見つめなおすために、これからの人生、何度も何度も読み返したい大切な1冊です。私はいま、何色なんだろう。(営業部・秋山)
・みかこさんと息子さんのやりとりを見ていると、子育てとは親の覚悟と子への信頼につきるのだなと思います。多様な環境の中、腹をくくって本音で息子さんと接し、息子さんはそれをちゃんと受け止めて、ぐんぐん成長していく姿がすばらしくて、胸がいっぱい…涙なくては読めません。思春期子育て世代必見の書です。(出版部・Y)
・かつて私が通り、私の娘もいつか通るであろう道を、いま海の向こうで一人の少年がたくましく歩いている。笑い、泣き、怒り、傷つき、少しずつ自分と世界のいろいろに気づいていく子どもたち。繋いだ手をそっと離す日のために、私たち大人はいま、どんな世界にしておくことができるだろう。そう、読むたびに考えます。(校閲・K)
・ブレイディみかこさんのことを知らずに読み始めましたが、2章で早々に落涙。差別、格差、分断といった進行形の問題を「他人事」として考えないようにしていた私は、著者の12歳の息子のフラットで豊かな「想像力」に打ちのめされました。「君は僕の友だちだからだよ」――彼の一言がずっと胸に響いている。(企画編集部・T)
・難しい問題がたくさん起こる中で、ときに対立することはあれど、誰のこともはなから嫌うことはない息子くんが素敵!どんな相手にも尊敬の態度で接しているし、何かをされても、理解しよう、何が違うんだろう、と冷静に分析して母親と議論しているという。ピュアなのに大人っぽい。年下なのに憧れます。(受付・S)
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出版情報
発行形態 | ソフトカバー |
ISBN | 9784103526810 |
本体価格 | ¥1,500 (JPY) |
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NetGalley会員レビュー
イギリスで暮らすアイルランド人の父と日本人の母と少年のエッセイ。少年はカトリックのランキング上位の小学校に通っていましたが、底辺校と言われた中学校に進学し、そこで今まで見えなかった様々な友人に出会います。時には母に相談したり、自分で考えたりして多様性のある社会での生き方を学んでいく少年に、これから移民を受け入れ、多様性のある社会のあるべき姿を学んでいかねばならない日本の子どもたちの未来を重ねて読みました。
グローバル社会を生き抜くために、知っておくべき外の世界の日常が描かれた一冊。
“多様性”とは、文字通り多種が存在することであるが、その先にある順応力や寛容力、そして今の時代に合った言葉。私の中ではそんな認識だった。
だが、多様性が社会に複雑さを招く場合もあり、世の中を上手く回すためには、真髄に触れない方がいいときもある。
まさに、知らぬが仏。
こんな世界があったんだと、無知な自分を恥ずかしく思う。
でも無知とバカは同じではない。と、登場するパンクな母ちゃんの言葉に勇気付けられた。笑
最初は、英国の差別問題を追体験しているようだったが読み進めていくうちに気づく。
結局、差別は肌の色とかそういうのじゃない。人間はみな個々に善心を持っている。
なのに、群がると狂いだす。それは、文化とか言語とか関係なく、どこの国だろうと起きることなのだ。
「お前の頭の中でお前は白人かもしれない」
見た目は東洋人、背景は白人文化。でも心は…。
その心が、親子一緒にたくましく成長していくストーリー。
オススメです!
新しい時代に読むべき1冊に出会えました。
英国に住む著者がハーフである息子の学校に通う日常を綴ったエッセイ。
元底辺校と言われる公立学校に通う息子さんが直面するさまざまな差別。人種、性嗜好、貧困。EU離脱という世界的にも注目される時期において、どう考え、どう乗り越えて成長しているかが、熱く強く、冷めて鋭く、ユーモアを交え描かれています。息子さん本人やパートナーの一言が、海外未経験で凝り固まった価値観にある自分には刺さりました。来年の五輪や外国人労働者受入などよりボーダレスになっていく我々日本人もこれから直面するであろう問題を強く意識させます。
また対照的に保護者として息子を眺める視点は温かく、いつの時代も家族とはという在り方も感じさせてくれます。
何度も何度も繰り返して読みたくなるような1冊。
情報が増える分だけ、錯覚することも増えてくる。今更わざわざ見聞きせずとも知っている、と。「イギリス」「アメリカ」…典型は沢山ある。
本当に知っているのか?
毎日の生活から湧き出た言葉は、頭でっかちの印象を吹き飛ばし、突き付けてくる。
本当に知っているのか?
2019年の、子どもたちが生きている世界、自分たちの生きている世界を。
きっと半径1メートルのことも判っていなかった。
親子の会話で、こんなにも重いテーマが取り上げられている家庭がどれくらいあるのでしょうか。
人種、貧富の格差、ジェンダー、いじめ、差別…
そして、子どもの悩みをどれだけ真摯に受け止め、大人はごまかさず答えることができるのか。
ブレイディさん夫婦の答えは、時に、11歳の男の子には難しいだろうと思わせられたり、「知らね」と子どもを突き放すようなこともある。それらの悩みに息子さんは、何が正しくて、何が大切なのかを自分で考えている。たしかにこんな息子が欲しかった!
11歳の子どもに母親が説教されているシーンが印象的です。
新潮社さんの雑誌『波』に掲載されているのを読んで、これはなかなか面白い話だな、と思っていた。
だいたい私たちは学校の事となると、子供が通うその地域くらいしか目が行かず、国はおろか他県にすら興味がわかない。狭い地域の事しか考えないものだ。
そんな中、自分の住む世界とは遠く離れた別の国の子育てや学校の話を読むのは、同じような悩みに親近感を持ったり、時に目からウロコでとても勉強になる。
その地域の暮らしや風土、考え方など。タイトルにあるイエローでホワイトである息子さんのアイデンティティだったり、周りの人達との関わりに、やはり母親側の目線で読みながらハラハラした。
が、若い子達は親世代よりもずっと逞しく、新しものを吸収していく。古い、彼らいわく″クールじゃない″ものをガンガン壊していく。
それを絶妙な距離感で見守る両親に好感が持てた。
どうしよう、だれかれかまわずおすすめしたい……
平常、お薦めの本は?と聞かれたときは、相手の好みや求めているものをまずよく聞いて、それならこんなのどうかしら、と対応します。自分の好みを全面に出すことはできるだけせずに、相手の”今”にほどよくハマるものを手渡したいなぁと思っています。
それなのにどうしよう、この本を誰彼かまわずおすすめしたい。傍若無人自己満足強烈押売をしたい。
でもそれはやっぱりしたくないなぁ……なので、相手の話をよく聞いて、髪の毛一本分でも、この本に結び付きそうなものがあったら、こんなのどうかしらと手渡す本の中に、この本を必ず入れよう、と思います。
ブレイディみかこさんは、以前からしばしばお名前を拝見し、気になっていました。
本作では息子さんの中学校生活を通して、英国での生活が描かれています。
あまり予備知識もなく読み始めましたが、教育制度自体が日本とはかなり違う事に驚くとともに、
リアルな格差や差別、アイデンティティとは何かという事について、考えさせられる部分が多くありました。
息子さんから発せられる素直な問いと、それに向き合う著者の考え方には、
これからの世界を生きる上での大切なヒントが詰まっていると思います。
イギリスで暮らす著者が、地元ブライトンの元底辺中学校に通う自分の息子の日常を軸に綴ったエッセイ。
「多様性とは何か?」「差別とは?」「多文化共生社会とは?」など今、日本でも考えるべきトピックがたくさん含まれたエッセイでした。「答えのない問い」として優れたものも多く、エッセイの一部分だけを配布して、「解決策を考えさせる」、「自分の意見をまとめる」などの授業にも使えると思いました。
最近大学から求められているのか、図書館に「グローバルに関する本はないですか?」とやって来る生徒がとても増えました。しかし「グローバルの何が知りたいの?経済?社会?文化?」と聞いてもほとんど答えられる生徒はいません。そんな「グローバルについて知りたいけど、よく分からない」という生徒にぜひこの本を手渡してやりたいです。
個人的には「学校の先生の仕事として福祉的なものが増えている(食事にも事欠く家庭に対して、先生が自腹で食料を買ったりしている」という話と、筆者ならびに筆者の息子さんが日本に帰国した際に受けた差別の話が特に印象に残りました。
息子さんがノートに書いていた言葉から拝借した「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」というタイトルもとても素敵です。理知的で好奇心旺盛な息子さんの今後が気になります。
本書では著者がイギリス人と結婚し、イギリスで子育てする中で見えてきた多様性、差別、格差について紹介している。
「多様性、差別、格差」と書くと身構えてしまうのだが、元「底辺」中学校に進学することになった息子さんのエピソードを通して語られているので、サクサク読めてしまった。それも一気に読んでしまった。読み終えた後、息子さんと一緒に成長させてもらったなぁと充実感を感じている。いや。息子さんに教えてもらったんだな、これは。
多様性に関しては先進国というイメージ(実際そうだろう)のイギリスだが、だからこその差別があったり、思っていた以上の格差社会だったりで驚いた。一方で、他国の様子を知ることで自国の課題も見えてきた。
多様性、差別、格差という言葉を見たり聞いたりしない日はない。近年は外国人労働者も増え、また海外からの観光客も増加し、日本にいても異文化やいろんな価値観と触れる機会が増えたせいもあるだろう。裏を返せば、課題は以前からそこにあったが、人々の意識が成長することで気づくようになった、または声を上げられるようになったということでもある。
息子さんと同じく「これはどういうことだろう」と素直な心で思考することを忘れないでいたい。そこからチェンジ、または前進のチャンスにしたいと思う。1人でも多くの方に読んでもらいたい。
タイトルと著者を見て、迷わずリクエストしました。
アイルランド人の父親と日本人の母親を持つ息子が遭遇するさまざまな出来事が、英国の格差社会「ソーシャル・アパルトヘイト」と呼ばれる社会問題を提起しています。
息子の成長を通して、どのように生きるべきかを模索する家族の姿に、平和ボケした日本にも同じような問題があり、ライフスキルを学ぶ必要があると感じました。
とても興味深く読めだけど、私の語彙力ではその素晴らしさは伝えられないので、例えるなら
ケン・ローチ監督作品の原作を読んでる感じです(ケン・ローチって名を出せば格好つくと思ってる)!。
息子君が映画の中の登場人物としても良いくらい素敵な感覚を持っている子で、ブレイディさんの素晴らしいさがそこからも伺える気がしました。
紹介文を見て,非常に読みたくなって,ネットギャリーに申し込んだ。プレイディみかこさんの名前は知っていたが,著書を読むのははじめてだったが,イギリスのブライトンに住む家族の日常を中学生の息子さんを中心にえがいている。その描写が瑞々しく,読み始めてから,1日で読み切ってしまった。非常に面白かった。多民族の地域におこる様々な問題に,息子さんがたくましく取り組む様子が素晴らしい。日本ではそれほど,顕著には現れていないが,いじめの問題など通底することがらが,書かれている。何より楽しかったのは,著者の郷里に里帰りした際の福岡の祖父の博多弁が生々しかったことであった。
教育現場で最近よく見かける多文化共生、SDGsなどの言葉。どうやって子どもたちに教えようと思っていたら、どうかこの本を読んでほしい、手渡してほしい!
異文化に触れる機会があまり多くない日本の子どもたちにとって、この息子くんの学校生活はまさにカルチャーショックだろう。
日本でも人種差別は存在しているし、多くの子どもたちが貧困に直面しているのは、現実。でもそれは見えないし、あえて見せないようにしているし、見ようともしていない。
そんな中で、この本はわたしたちにとても大切なことをたくさん示してくれている一冊だと思う。ひとりでも多くの人に読んでほしい。
"イエローでホワイトな子どもがブルーである必要なんかない" んです。
アイルランド人の父親と日本人の母親を持つ息子が英国の元底辺中学校で起こる様々な問題や出来事に衝突する。人種、階級、性的指向…。人は"違う"ものに敏感だ。
その人の色は外見なんかじゃ決まらない。それぞれの内面から溢れ出す色は違っているのに、無理にグループ分けをしようとする。されそうになる。私たちはその問題について、"考える"ことをやめてはいけないのだ。当たり前のことを12歳の男の子に改めて教えてもらったような気分になりました。
私も今現在いろいろな人種、宗教、貧富の差もある社会で暮らしているのでとても勉強になりました。
本当に中学生かな?と思うくらいこの息子さんはいろいろなことを考えている。
カトリック小学校から元底辺中学に行ったことは、きっと彼にとっていろいろなことを気付かせたんだろうなと思いました。そのあたりこの息子さんは賢いので悪い方に迎合せず自分なりにきちんと考えて行動するということができる子ではないと実際難しいのではないかとも思いました。
多様性を受け入れる、違いを尊重する。なかなか難しいことですがとても考えさせられました。
ハーフアンドハーフとはうまい表現だ。ダブルとは聞こえはいいものの、本当の意味でのダブルかと言われればおそらく違う。負の意味の方が強いかもしれないとさえ思う。貧困や階級による差別はどこでもあることとはいえ、多民族からの多様性に溢れる国でのそれとは格段に違うのだと思う。日本は甘い。そして愚かだと恥ずかしくもなったが、そういう事実を受け止め、日本人として恥ずべきことのないよう生きたい。
社会の分断化や人種差別が,身近に,というか生活の場のすぐ近くにある,という状況は,日本に住む日本人にはあまり感じないだろうことなのだろうけれど,世界にはそれは確実にあり,現在進行中,ということがよくわかります.連載が継続中とのことで,なにかの結論が提示されているわけではありませんが,考えるきっかけを与えてくれる本です.
多文化共生や多様性など、いろいろな人達と共に暮らす時に大切にするべきこととして聞くことが多くなっている。日本で暮らすと、日本人がほとんどで実感することが少ない。この本を読んで、異文化の中で暮らす、多様な価値観の人達と生活することがどんなことなのか、考えさせられた。
分かりやすい言葉で書かれていて、中学生でも読めそうなので、様々なことについて考えてくれるキッカケにして欲しいと思った。
なんとなく難しい内容かと思っていたけど、全然そんなことなく。
とっても読みやすくて、私のカチカチに凝り固まった思考がすこーし柔らかくなった気がする。
私の子育てはやり直すには遅すぎるけど、今から思春期を迎える方や、YA世代にはオススメの1冊です。
イギリスのブライトンに住む親子とそのまわりの人や出来事の物語。日本人の母とアイルランド人の父の間に生まれた息子。小学校を卒業し、親子で学校を選び、アイデンティティーや人権、貧困等の問題も親子で考え、成長していく。親子の会話や出来事への対処で、読者も考えさせられました。素敵な親子にであえたこの本は是非、皆に読んでほしいなと思いました。
ピュアで聡明な息子と、パンクでクールな母ちゃんが、絶妙な距離感で共に成長し合う、理想の子育て。
子を育て、子に育てられるということが「子育て」であるというのが適切な見解であると感じずにはいられないような、お互いの「気付き」が見える素敵な親子だ。
彼らをのせて地球が回ってるなら、世の中捨てたもんじゃないな、と希望すら感じる。
格差社会、差別、分断化、多様性……
生活している地にしっかりと足をつけ、問題に向き合い、自分なりに思考を巡らせ、解決の糸口を見出していく。
自分は日々のくり返しばかりで、普段目を向けられていない問題が、多々あることを認識した。
難しい課題もスッと提起し、グッと提示する。その見解に何度でもハッとさせられる。心に響く。
これこそが今、現代社会に必要な教科書のように思う。ありとあらゆる人に届けたい。
題名の「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」
途中でその言葉が出てきて、ドキッとさせられました。
この息子くんの賢さたくましさ、公平さを信じる強さ、優しさが大袈裟でなく自然体で描かれていて、感嘆!
母の子供時代の先生の、差別問題のことでの教えがとても心に響きました。
大切なことを教えてもらいました。
現在の英国の教育現状、子供を取り巻く社会の問題を教育者としての批評的な見方だけでなく、親として地域の大人として、子供達を見守る視線で書かれていて、日本の教育現場に投影しやすかったです。経済格差の問題は日本の子供達にも通じるものではありますが、多人種、階級社会の英国ではより複雑なものであると感じました。しかし、本書に登場するシティズンシップエデュケーション、アイデンティティの問題など英国の教育に日本も学ぶべきことがあり、日本の子供達が国際社会で生きていくスキルとして必要な事が沢山あることを実感しました。是非、先生や中高生のお子さんを持つ保護者に読んでもらいたい一冊です。息子と政治的な問題や学校でのいじめなども率直に話しあう著者の子供達を見守るまなざしは温かく、たくましく母親としても大いに学ぶことがありました。
日本人の母親とアイルランド人の父親を持つ息子の、イギリスでの暮らしを、母親の目線で見る物語。エッセイか、と思いきや、分類は社会なんだ。内容は人種差別や格差社会のことが書かれているが、語り口がポップな感じなので、決して暗くはない。そして、中学生の息子がしっかりした考えを持って成長して行っている姿が微笑ましい。なかなかの良書。
あまりに頷けることが多くて、一生を通して折に触れ読みたい本。
みかこさんの視点と言葉が育てた息子さん。
自分の位置のようなもの....アイデンティティーという言葉もちょっと違うと思うので使いにくいけれど....から、ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルーだったのが、だんだんとグリーンであることに変化していく日々。
英国の教育体制と、階級社会と、人々の様々な意識、思惑。全てを冷静に観ながらそのなかで生きているみかこさんの経験から生まれてくる言葉は、母親としても頷けることばかり。私がその立場だったら?と常に自問しながら読んだ。
それなのに、日本に里帰りした時の知らない人達の反応には、恥ずかしくて苛立って悔しくてたまらない。私たちはそんな意識のなか、生きているのだ。この21世紀に!
まずは自分が変わろう。周りを見回すこと、エンパシーを身につけるように努力していこう。下を向きがちな自分を、少しでも前を遠くを見られるように、この本を読んで力をつけよう。
話題の書をかなり出遅れて読む。
イギリスのエリート小学校を卒業したにもかかわらず、あえて荒廃した元・底辺中学に入学した息子。その日常を見て思うところを記したエッセイ。
イギリスがEU離脱を含め滅茶苦茶になっていて、日常生活も荒廃している。そんな中でアイルランド人の父親と日本人の母親に間に生まれた子供は差別や暴力、いじめ、犯罪、格差などの中、自我を持ってサバイブしていく。
子供と交わす言葉がいい。
世にはダイバーシティなどとよく言われるが、格差社会は必然的にダイバーシティコミュニティになっていく。デイバーシティというよりは「カオス」のほうが近いかもしれない。
子供は気張って生きていくのではなく、実は淡々とごく普通に日常を送っている。そこがいい。日常だからこそ見えてくる真実を母に語る言葉が、素直で、しかし的確に刺さってくる。
異国の地で生活しているからこそ得ることのできる新しい発見に満ちた書。読み進める手は止まらない。
その発見が示すのが、かのイギリス帝国の没落という悲しい真実というところはちょっと物悲しいけれども。
話題になる本には話題になるだけの理由があるということを再実感させてくれた一作。
読まず嫌いはよくないということ。
「ノンフィクションってなんだか食指が伸びない」なんて思ってる人、読んでください!って思いました。
日本とは違う風土の国で、まだまだ色に染まっていない子供のぶち当たる日常に
ハッとさせられました。
これは人ごとではない。
数年後の日本も、こういった問題を抱えるのではないでしょうか?
その時が来たら、私はこの少年のようにフラットな目で見て、
柔軟に受け入れることができるかな。
今の私はイエローでイエローでグレーです。
この息子さんはすごい
ごく普通の日常で直面する人種差別や経済格差にほれぼれするほど真っ直ぐ向き合い、悩み、乗り越えていく
もちろん、彼からの問題提起に強くあたたかく答えるブレイディさんと、なんとも味のあるアイルランド出身のお父さんの存在も欠かせない
おかしくもありせつなくもある彼らの日常から、これがイギリスだけではなく世界の現実だと気づかされる一冊だった