すべては救済のために

デニ・ムクウェゲ自伝

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刊行日 2019/04/08 | 掲載終了日 2019/05/28

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内容紹介

本書は、2018年度ノーベル平和賞を受賞したデニ・ムクウェゲ医師の自伝である。ノーベル平和賞では、「戦争や武力紛争の武器としての性暴力の撲滅を目指す取り組み」が評価された。

ムクウェゲ医師はこの20年間、紛争が続くコンゴ東部で性暴力被害女性の支援に取り組んできた。彼が設立したコンゴの病院で治療を受けた被害女性は、4万2千人以上になる。

背景には、複雑な民族・部族間の対立と鉱物資源の支配権をめぐる武装勢力の抗争があり、鉱山周辺にある村々を恐怖で制圧するために安上がりな手段として性暴力が行われているという。

「コンゴでは女性への性暴力が最大な武器になっている。私の仕事は、被害にあった女性たちの身体を可能な限りもとに戻すことだ」

本書は、世界を動かした医師の告発であり、性的テロ撲滅のために命をかけて闘う医師の衝撃のノンフィクションだ。 今回の公開は、プロローグと第1章までとさせていただいているが、プロローグの段階で、彼が命がけで被害女性の支援に取り組んでいることが伝わってくる。

本書は、2018年度ノーベル平和賞を受賞したデニ・ムクウェゲ医師の自伝である。ノーベル平和賞では、「戦争や武力紛争の武器としての性暴力の撲滅を目指す取り組み」が評価された。

ムクウェゲ医師はこの20年間、紛争が続くコンゴ東部で性暴力被害女性の支援に取り組んできた。彼が設立したコンゴの病院で治療を受けた被害女性は、4万2千人以上になる。

背景には、複雑な民族・部族間の対立と鉱物資源の支配権をめぐ...


おすすめコメント

デニ・ムクウェゲ 著

1955年、コンゴ民主共和国(旧ザイール)東部ブカヴ生まれ。隣国ブルンジで医学を修め、病院勤務とフランス留学を経て産婦人科医に。1999年、ブカヴにパンジ病院を設立、4万人以上の性暴力被害者の治療と支援にあたってきた。また、コンゴ東部に蔓延する性暴力の撲滅と女性の地位向上を国際社会に訴える活動にも取り組み、国連人権賞(2008年)、サハロフ賞(2014年)など数々の賞を受賞。2018年にはノーベル平和賞に輝いた。


ベッティル・オーケルンド 著

1954年、スウェーデン生まれ。記者や編集長として雑誌や新聞の制作に携わったのち、フリーランスのジャーナリストとして、スーダン西部ダルフール地方など紛争地帯の取材にあたる。これまでにアフリカ22ヵ国をまわり、7冊の著作を刊行。


加藤かおり 訳

国際基督教大学教養学部社会科学科卒業。訳書にガエル・ファイユ『ちいさな国で』(内戦下のブルンジとルワンダ大虐殺を描いた自伝的小説/早川書房)、アンヌ・フルダ『エマニュエル・マクロン フランス大統領に上り詰めた完璧な青年』(プレジデント社)など。

デニ・ムクウェゲ 著

1955年、コンゴ民主共和国(旧ザイール)東部ブカヴ生まれ。隣国ブルンジで医学を修め、病院勤務とフランス留学を経て産婦人科医に。1999年、ブカヴにパンジ病院を設立、4万人以上の性暴力被害者の治療と支援にあたってきた。また、コンゴ東部に蔓延する性暴力の撲滅と女性の地位向上を国際社会に訴える活動にも取り組み、国連人権賞(2008年)、サハロフ賞(2014年)など数々の賞を受賞...


出版情報

発行形態 ハードカバー
ISBN 9784751529355
本体価格 ¥1,600 (JPY)

NetGalley会員レビュー

コンゴでの女性への性暴力がこんなにひどいとは知らなかった。組織立っていて、鉱物資源という資金源をめぐっての武力抗争の犠牲になっている。心身ともに傷ついた被害女性は、家族とも断ち切られ孤立していくしかなかった。そんな中でムクウェゲ医師の活動がノーベル平和賞に輝いたことは、世界の注目を集めた結果である。販促素材では35ページまでとあとがきしか読めなかったが、国連での演説を機に賛同者、協力者が現れたようである。強運の持ち主ムクウェゲ医師のその後の活躍を辿りたいと思う。

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正義とは何か。救いとは何か。あまりにも平和な社会で生きている私たちは、本当の意味での正義を知らないのかもしれない。医師として牧師として、傷つけられた女性をひたすらに助け、自分や家族の身が危険にさらされてもなお真実を訴える。この圧倒的な愛に、言葉を失う。

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このようなことが現実なのか。
人間の持つ残虐性による蹂躙を、文字から、行間から、しかし淡々と伝わってくるこの本。

国ぐるみと言っても良いのではないか。
集団で女性虐待をしているのを、黙認しているのだから。
それも、鉱物資源による国内経済の活性化を狙う政策、内戦の影響だなんて。

著者は淡々と、治療に励む。
そして訴える。惨状に目を瞑る事なく、対峙していく。
暗殺されそうになって、国外に逃亡せざるを得ない状況になっても、そのパワーは衰えないし、それを支える人たちの存在。
まさに何かの力によって、動いているかのようだ。

私たちにできることは何か、自分を問い詰めても
答えが見つからないけれど、まずはこの本を読み現実を知ることだ。
偉大な行動がとれる彼だけが、特別なのではない、その心を持ち続けて動くことを継続できるかどうか、と問われている一冊。

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30ページ分読んだだけでも酷い状況がひしひしと伝わってくる。この問題の原因の一つであるレアメタルを使用した電子機器を利用しているからには、知らなければならないと思う。

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性暴力の犠牲になった女性たちを、修理し続ける医師が、性暴力の撲滅と女性たちの地位向上のため闘い続ける自伝。国連で演説をし、ノーベル平和賞も受賞した医師が闘っているのは、他の誰でもなく祖国コンゴということに驚きました。国連の演説を欠席した、コンゴの大使。国内の性暴力に興味を示さない大統領。国民を守る医師がその活動で、命を狙われているとは、理解できません。これからも続くであろうこの問題に、私たちは何ができるのでしょうか。

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