エンド オブ スカイ
雪乃 紗衣
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刊行日 2019/04/22 | 掲載終了日 2019/04/21
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内容紹介
23世紀、人々はごく一般的になったゲノム編集技術によって老いや病から緩やかに遠ざかりつつあった。ただ、ひとつ、”霧の病(ダークフォグ)”と呼ばれる原因不明の突然死をのぞいて。
世界最高峰の頭脳が集まる香港島で、遺伝子工学の権威、ヒナコ・神崎博士は、海から現れたひとりの少年と出会った……。
23世紀、人々はごく一般的になったゲノム編集技術によって老いや病から緩やかに遠ざかりつつあった。ただ、ひとつ、”霧の病(ダークフォグ)”と呼ばれる原因不明の突然死をのぞいて。
世界最高峰の頭脳が集まる香港島で、遺伝子工学の権威、ヒナコ・神崎博士は、海から現れたひとりの少年と出会った……。
出版社からの備考・コメント
校了前のデータを元に作成しています。 刊行時には内容が異なる場合がありますが、ご了承ください。
おすすめコメント
【担当編集者より】
累計発行部数が650万部を超える『彩雲国物語』の雪乃紗衣氏が本当に書きたかった物語をお届けします。「健康でいつまでも若い肉体を持ち、頭脳も明晰」そんな人類の願いが叶う未来が舞台のSFファンタジーです。
圧倒的質量のあるこの物語は、「人とは何なのか」「生きるとは何なのか」を問いかけてきます。
その熱源にある「愛」とともに楽しんでください!
【担当編集者より】
累計発行部数が650万部を超える『彩雲国物語』の雪乃紗衣氏が本当に書きたかった物語をお届けします。「健康でいつまでも若い肉体を持ち、頭脳も明晰」そんな人類の願いが叶う未来が舞台のSFファンタジーです。
圧倒的質量のあるこの物語は、「人とは何なのか」「生きるとは何なのか」を問いかけてきます。
その熱源にある「愛」とともに楽しんでください!
出版情報
発行形態 | ソフトカバー |
ISBN | 9784065139936 |
本体価格 | ¥1,700 (JPY) |
NetGalley会員レビュー
約200年後の未来を描いた物語が、読者の背中をそっと押す。例えば思春期の頃、他者と違う自身の特徴(精神的なものもあれば、肉体的なものもあるでしょう)を自覚して怖くなったことはないでしょうか。その自覚と内から競り上がってくる恐怖に耐え切れず、他とは《違う》自分に蓋をし(場合によっては変化を与え)、周囲にとけ込む努力したことはないでしょうか。
遺伝子の書き換えが当たり前となり多くの難病とは無縁になりつつある世界で突如猛威を振るいだした謎の難病《霧の病》と《幽霊少年》と呼ばれる少年をめぐる本書『エンド・オブ・スカイ』は少年が遺伝子を一度も書き換えていないことと一言もしゃべらないことを絡め、周囲と《違う》ものを拒絶することの違和感を読者に抱かせてくれます。例えばこんな文章が作中出てきます。《人が違って見えるのは普通だが、それを「普通じゃない」と思うことは変なのだ》こういったまっすぐな言葉が、今を悩みながら生きる読者の背中をそっと押します。とても普遍的な物語だと思います。
《正常》が可視化されるようになった世界で、普通の意味を問う切なくも温かい希望が残るSFファンタジーです。物語の後半、登場人物たちの行動に受け入れがたいものを感じたのも事実ですが……。
不思議な読み心地の近未来のSFファンタジー。
病気や障害の原因だけでなく容姿も自由にデザインするために遺伝子を改変するのが当たり前になった世界で、不思議な少年に出会ったヒナ(自身も最高位の科学者)。病は克服しているはずなのに突然死を迎える霧の病を調べる彼女の思いを通して違いとは何か、障害とは何か、ひいてはヒトとは何かを考えさせられる。
物語のラスト近くにどんでん返し的な出来事が待っているが、ここら辺りはちょっと納得できなかった。
しかし、病気の原因などはこれから実際に起きてきそうな問題を取り上げているようで面白かった。
少し前に中国でゲノム編集された双子について話題になった。科学が進歩し、遺伝子操作が現実のものに近づいている。遺伝子操作が当たり前になり、オプションで様々な機能を強化できる世界。 人がヒトでなくなる時代は案外近いのかもしれない。
未来を舞台にして、だれもが遺伝子レベルで設計された正常さを持ち得るようになった世界で、主人公ヒナは周りからどこか浮いており、常に自分は正常であるのだろうかと問い続けている。
彼女が出会った少年との物語は、近未来SFであると同時に、今に向けてのメッセージをたくさん投げかけてくる。
普通ってなに。正常ってなに。人間ってなに。幸福ってなに。
持って生まれた性別や民族、障害で区別し、差別することの愚かさを指摘しながら、生きるという戦いの物語です。
あらゆるヘイトに対する凛とした反論であり、すべての生を全肯定する力強い応援の物語です。
まぎれもなく、これは雪野紗衣さんらしい物語だと思いました。
遺伝子の書き換えが一般的になり病死とは無縁に近い未来で、人が何を優先し守りたいと思うか、命より大事なものが存在するのかを問われた気がした作品。序盤話が難しく片仮名語ルビの多用に目も滑り、世界観を掴むのに少し時間が掛かったが、慣れたら現実に起こっている事のように身近に感じられるほど入り込めた。 “本の中身は書き換えられても、頁数は変えられない”という喩えが非常に人生において的確だと頷けて面白かった。細胞にまで人間的な考え(感情)があるのかと考えた事がなかったから、その発想が凄く興味深かった。SF、恋愛小説好きの方にオススメ。個人的には恋愛面は少し女性向けかと
正常って何だろう、命って何だろう、生きるって何だろう、性別って何だろう、私って何だろう、そんなこと言ったら、病んでるって言われる。
でも本当は考えたいし、気になってる。気になってたまらないけど考えないことにしてる。
世界屈指の遺伝子工学博士。外見なんか誰もがお手軽に美容デザインできるのに、少しもいじくってない外見年齢27歳くらいのヒナコ神崎。最高位の頭脳を持っているのに、自分が正常じゃないかもって不安定な気持ちをしまい込んでるヒナコを見ていたら、考えないことにしてたのに気持ちが動いてしまう。
この頃「鬱」って単語に疑問を抱いてる。それってわざわざ名付けなきゃいけないのかなって。誰のために名付けるのかなって。そんなふうに選別するよりも、”あぁ今はしんどいときやね、そっとしとこ””、ってそのほうがいいんじゃないのかな。
そんな気持ちでいるところだったから、遺伝子単位で異常を選別していく世界で惑うヒナコに同調した。選別しなくていいのに選別していること、結構たくさんある。その流れをふだんの振舞いでほんの少しでも変えられるようになりたいなぁ。この本は、そんな気持ちの後押しもしてくれました。どうもありがとう。
この作品は、生命科学ディストピアものの「型」に忠実なだけに、最初さすがに食傷気味な感じがして、ノリが悪かったけど、そこは雪乃さん。うまいね。途中からドライヴがかかっておもしろかったです。
科学的なあれこれについては仕事柄、首を傾げるところもあれこれあったけど、そもそもハードSFではなく、要はア ボーイ ミーツ ア ガールだから、そのあたりはスルー。
ただそうは言っても、「理想社会」の理不尽さとか、人としてあるべきこととかは、「正しい」生命科学ディストピアものとして、ポーズとしてであっても必要だったんでしょうね。まぁ、雪乃さんの場合、彩雲国物語でもレアリアでも、そのあたり重視なさってたので、今回も実は割とコアだったなかもしれんが。
雪乃作品は、とにかくしちめんどくさいというか、わかりにくい。でも、今回は、レアリアであまりに捻り過ぎた反動か、かなりわかりやすかったです。
遺伝子操作が発展し、産む側も生まれる側も重い障害に苦しまずに済み、老化も克服したと言えるような近未来。感情の揺れを制御するのが普通の社会で「正常でない」と言われる主人公。言語機能障害があり、異常があれば遺伝子書き換えでそれを「正常」にするのが当たり前の社会でそれを行なっていないから「普通でない」少年。
何が正常なのか、人はどうして生きるのか、自分が生きる理由はなんなのか。主人公の視点・考えを通して考えさせられる作品です。
誰でも自由に遺伝子を改変し、病気にならない体、完璧な容姿を手に入れることができるようになった近未来が舞台のお話。
最初はヒナが何がしたいのか、物語がどこに向かっているのかわからず、なかなか入りこめませんでしたが、読み進めていくと途中で本を置くことができなくなり、結局夜更かしして一気読みました。
この物語で起こったこと、ヒナやジーンが語ったことを、誰もが考えずにはいられない、人間の根幹に訴えかける話だと思いました。
終盤は読む人によって好き嫌いがありそうですが、私は好きだな。
遺伝子改変によって人が病や老いから解放されたように見える未来の香港を舞台にした小説。
SF風味のロマンス小説、という印象です。
本格SFを期待するとがっかりします。軽い恋愛小説が好みなら、一寸変わった作品として一読の価値はあるかもしれません。
残念ながら私の好みではありませんでしたが・・・。
出生前に遺伝子異常がみつかればDNAの修正を行い、住民の正常遺伝子への書き換えは義務化。
容姿はお好みでデザインが出来て、精神的に病めば矯正施設送り。
そんな非現実的で、でもいつかは実現可能になってしまうかもしれない未来の物語。
主人公のヒナコ・神崎博士もまた親から書き換え済みのDNAを受け継ぐ正常遺伝子をもつ人間だ。
ある日、彼女は海から現れたひとりの少年と出会う。
言葉も通じず、〝異常〟と判定された少年〝HAL〟だったが、ヒナコは逢瀬を重ねるうちに少しずつ惹かれてゆく。
そして、HALはその身体に世界を揺るがすある秘密をもっていた。
ゲノム編集技術の発達により人類が老いや病を恐れることなく生きる世界を私はおそろしいと思った。
ここに描かれる世界は今を生きる人間からすれば異常で、でも、そのうち正常になっていってしまうのかもしれない。
科学の発達がもたらすのは決して全てが過ちではなく、人類が受けてきた恩恵もやまほどある。
しかし、どこかの時点で線引きはしなくてはならない。
どこまでが正解で、どこからが過ちか、を。
今ですらデザイナベビーにクローン技術など人間は禁忌とされている領域を侵そうとしている。
その一歩を踏み出してしまうことを人間は許してはいけない。
新しいだとか便利だとか、そんな耳障りのいいものに身を任せ続け、
〝異常〟な世界に疑問をもつこともなく流され続けた結果が本書のような結末をもたらした。
異常とは、正常とは、何か。
私たちは誰にとって、〝正常〟に生きなければいけないのか。
人のもつ過剰なまでの欲と無関心がいつか人類を滅ぼすのかもしれない。
SFファンタジーでありながら、命の在り方、行き方について考えさせられる1冊だ。
いきなり、ジェンダーバイアスがかかっている自分を意識することになる。最初苗字だけだったので優秀な遺伝子学者は男性だと思っていたのだ。ところが神崎ヒナコは若い女性。見た目ほど若くはないとわかるのはもう少しあと。
謎の少年との出会いが偶然にしてはできすぎていておかしいと思った。
途中までもどかしい展開もあったけど、最後は、すっきり。
運命的な出会いには人種とか地位とか育ちとか障害とか関係ないのね。
周りが、社会が、国家が正しいと決めたことでも、疑ってかかるのが科学者。
すごく近未来的な物語なのに、なぜか読むのは文庫本なのね。
ハルは窪田正孝くん、ヒナは榮倉奈々さんが似合いそう。
そう遠くない未来の香港島、遺伝子を操作することで、人々は病からも、老いからも解放され、ゲノムコードで管理された社会の中でなんの問題もなく暮らしていたはずだった。
幽霊少年と呼ばれる正体不明の少年と、どこか社会と馴染めないまま暮らす遺伝子工学博士ヒナとの出会い。
物語は壮大ではあるのだけれど、実はものすごくシンプルなテーマについて描かれている作品だと思う。
こういう、とっつきやすい感じのSFは好きです。とても読みやすいしすっと中に入り込める。
香港が舞台の、ヒトゲノム改造が’日常の、病気などのない世界。姿かたちも遺伝子操作で好きなものに変えられる。
そこにいた「幽霊少年」ことまったく遺伝子操作を行っていないオリジナルな人間のハルと、研究者であるヒナコの物語。
日菜子の母がある病気を発症し、それについて研究するヒナコ。そしてハルのゲノムがもしかしたら病気の研究に役に立つかもという期待。
最終的にハルがしたことについて、気持ちはわかるが展開としてはややついていけない感があった。