想いであずかり処 にじや質店
片島麦子
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刊行日 2019/04/05 | 掲載終了日 2019/04/04
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内容紹介
満月の夜だけ開店する「にじや 質店」。そこはある条件を満た せば、お金を貸してくれる代わ りに「願いを一つだけ叶えてく れる」質屋だという。そんな不 思議なお店で働くことになった 女の子・いろはと、どうしても 叶えたい願いを抱えるお客たち が織りなす、優しく温かい物語。
満月の夜だけ開店する「にじや 質店」。そこはある条件を満た せば、お金を貸してくれる代わ りに「願いを一つだけ叶えてく れる」質屋だという。そんな不 思議なお店で働くことになった 女の子・いろはと、どうしても 叶えたい願いを抱えるお客たち が織りなす、優しく温かい物語。
おすすめコメント
こんな質屋があったらいいのに……読み終えるとそんなことを考えてしまいます。優しい登場人物たちに心癒される、優しい物語です。大事なものを質入れする代わりに願いが叶うなら、あなたはどうしますか?
こんな質屋があったらいいのに……読み終えるとそんなことを考えてしまいます。優しい登場人物たちに心癒される、優しい物語です。大事なものを質入れする代わりに願いが叶うなら、あなたはどうしますか?
出版情報
発行形態 | 文庫・新書 |
ISBN | 9784591162873 |
本体価格 | ¥660 (JPY) |
NetGalley会員レビュー
人は見かけによらない。強がったりいい格好をしたり、嘘をついたりする。そして、思い出の続きを知りたいと思う。謎を解きたいと思う。それには覚悟が必要だ。今ある大切なものを失ってでも知りたいか?無条件に幸せになることはできない。そもそも幸せになることも保証してくれない。それでも、知りたいと思うとしたら、それは、そうしないと前に進めないと思った時。それまでは、いつか頼ればいいと思いつつ、自力で頑張り通すしかない。
願いを叶えてもらうために質に入れたものがどう関わっていくのか。それを想像するのも楽しい。
いくつか伏線が残されているのでシリーズ化されるのでしょうか? 続きが読みたいです。
質屋さんとは、モノを預けてお金を借りるところなのだと知らない人が増えているのでしょうね。このお店はかつて、普通の質屋さんでした。でも今は改装してカフェとして営業しています。ただし、満月の夜だけは「にじや質店」として特別な営業をしています。
質草を入れて、何かをお願いします。質草を返してもらう時には利息が必要です。その利息とは「自分にとって大事な何か」なのです。その条件が揃えば願いは叶うのですが、あなたにはその利息を払うだけの覚悟がありますか?とお店の人に確認をされます。
そこまでして知りたいこと、会いたい人、そういうものを求める人って、世の中にはたくさんいるのかな?でも、その希望が叶えられて満足できる人がどれほどいるのか、それは分かりません。
失くしてしまった大切なものがあるので満月の夜に開店する条件をクリアすればひとつだけ願いを叶えてもらえる質屋さんに自分の場合はと考えながら読んで、何を利息として支払えば釣り合うのか自分では答えが出なくて優しいお話な反面切なくなりました。
普段営業している喫茶店も静かで居心地が良さそうで近所にあれば通いたいですね。
内容紹介を読んでリクエストを投げてみました。
質屋さんという舞台は比較的珍しい部類かなと思いますが、雰囲気的には喫茶店モノに似てるかなぁと思います。まぁ、満月のよる以外は喫茶店だから当たり前といえば当たり前ですね。
ボーイミーツガールというか主人公の女の子とにじやの店長が出会うことで始まる物語ということで導入は王道的。にじやを訪れる人たちと交流しながら過ごすことで二人も少しずつ成長するという流れも王道的です。
舞台設定に魅力は感じますが、登場人物がやや薄味に思えます。続編があるならもう少し掘り下げたエピソードや、二人の仲を引っ掻き回す役が増えると盛り上がるかなと思います。
個人的には教授が好きなので、教授がメインのエピソードも読んでみたいですね。
読み終わってしまうのが もったいなくて 一章ずつ読んでは 本を閉じて 余韻に浸りました。ゆっくりゆっくり ずっと読んでいたい!と こんなに 強く思った本は 初めてかもしれません。
「おふくろの味」私も わが家の味を我が子に残してあげたいな…
満月の夜にだけこっそり開店する質屋「にじや」。
そこは普通とは違うちょっとちがう不思議な質屋さんです。
願いを一つ叶える代わりに、その人にとって大切な何かを失う、というものでした。
願いは謎の答えを知りたい、ある人にもう一度会いたい、懐かしい味をもう一度、と人それぞれです。
世の中にはどうしようもないことはたくさんあって、だからこそ、
こんな奇跡のようなお店に出会えたらどんなにいいだろう。
まるで月が願いを叶えてくれるような、幻想的な物語でした。
淡くとも色とりどりの光に包まれたような優しい作品。
大事な物を預け、さらに利息としてなにかを失うことを覚悟すれば、なんでも願いが叶うという満月の夜にしか開かない不思議な質屋「にじや質店」を舞台にした連作短編集。
月の明かりに照らされて淡く色とりどりの人、願いが流れていきます。
何かを失ってもかなえたい願いとは、いつも気づかず側にあり気づかないだけかもしれません。
そんな思いにもとらわれる優しい作品です。
満月の夜に願いを叶えるという質屋があるらしいという噂をもとに、にじやの元には様々な思いを抱えたお客さんが訪れます。
連作短編として描かれるこの物語の中で、願いが叶えられることによって、いきなり100点満点の人生になることはありません。
それでも登場人物の決意に満ちた言葉や仕草から伝わる、きっとこの先緩やかに物事が好転していくだろうという予感にあたたかな気持ちになります。
にじやを訪れた皆が、最後には確かな足取りで未来に向かって進んでいく。
悩みを抱えた人たちの背中を押すような不思議な力の在り方が、とても素敵だと感じました。
中でもいちばん私が好きなのは、いろはが亡き母に託された鍵の正体を巡る物語。
いろはが父にかつて母と結婚した理由を問う場面にて、父が口にしたその響きを噛みしめるようないろはの姿がとても印象に残っています。
不思議な箱が起こす奇跡。少しずつ依頼人が人生の軌道修正をしていく優しい物語でした。色々まだ分からない事もあるし、今後の展開がとても気になります。文章も物語同様とても優しくて読みやすかったです。いろはのまだまだ若い考え方や、話し方に時折こちらが不安になりましたが、縫介の変に冷めた所と併せれば丁度良いのかもしれません。常連の教授が勝手に縫介の過去をべらべら話したのがちょっと気になりました・・・。
願いを叶えてくれるという、満月の夜にだけ開く「にじや質店」。
ふとしたきっかけで訪れることとなったいろはと、不思議な店長との優しい物語。
願いはささやかだけど当人にとっては大事なもの。
願いが叶うことがゴールではなく、これからのためのきっかけとなるものでしょう。
にじや質店を訪れた人々が、今後どうなっていくのか気になりますが、忘れていた思い出たちと共にあたたかな道を歩んでいくのではないでしょうか。
続編を期待したい作品です。
満月の夜に開く、にじや質店。
大切なものと引き換えに願いを叶えてくれるという。
過去の後悔。隠された真実。
「本当のこと」を知ったとき、自分がいかに愛されていたかを知る。
後悔も懺悔もない方がいい。
けれど、取り返しのつかないことはきっとない。
満月の夜。
今宵もひっそり、にじや質店の扉は開く。
満月の夜にだけ開く願いを叶える質屋。忘れられない人との大切な思い出。いまを生きるために本当に叶えたい願いを託す。不思議な、そして心温まるお話。