僕の母がルーズソックスを
朝倉 宏景
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刊行日 2019/02/26 | 掲載終了日 2019/02/26
ハッシュタグ:#僕の母がルーズソックスを #NetGalleyJP
内容紹介
朝起きたら、母親が17歳になっていた――。
外見はアラフォーの専業主婦なのに、 16歳の息子の俺に向かって
「ねぇ、君さ、ウチのピッチ知らない?」と言い放ったのだ。
一人息子の俺が、昨日あんなことをしでかしたからなのか。
原因はともかく、女子高生に「逆戻り」してしまった 母・芽衣子(めいこ)の不安を除くため、 息子・潤平(じゅんぺい)は、両親の過去を探ることに。
家族の奥底に埋められた謎が明らかにされる。
出版社からの備考・コメント
校了前のデータを元に作成しています。 刊行時には内容が異なる場合がありますが、ご了承ください。
おすすめコメント
目覚めたら母親がコギャルに戻っているという、 突拍子もない状況に、あわてふためく一人息子。
コミカルな展開の中に、自分がこの世に存在する 現実を自然に考えさせられる小説です。
島清恋愛文学賞作家らしく、恋愛要素も盛り込み 一時代を気持ち良く振り返るポップ&クールな 「家族愛」小説をぜひ!
――担当編集者より
目覚めたら母親がコギャルに戻っているという、 突拍子もない状況に、あわてふためく一人息子。
コミカルな展開の中に、自分がこの世に存在する 現実を自然に考えさせられる小説です。
島清恋愛文学賞作家らしく、恋愛要素も盛り込み 一時代を気持ち良く振り返るポップ&クールな 「家族愛」小説をぜひ!
――担当編集者より
出版情報
発行形態 | ソフトカバー |
ISBN | 9784065147016 |
本体価格 | ¥1,600 (JPY) |
NetGalley会員レビュー
タイトルからもっとコミカルな作品かと思っていましたが、裏切られた!
芽衣子さんとほぼ同世代。「分かる分かる!」ネタを懐かしみつつ、庇護される中で爆発する自我と親への不信、そして人の親になった時に我が子からぶつけられる自我と不信…共感しました。思わずルーズ履いて、ピンクキルティングのキティを持って街を闊歩…したくなります。
ラストシーンは爽やか。潤平、飛べたかな?
潤平くんは16歳の高校生です。彼の母、芽衣子さんは普段は怒ることもなくフワフワっとした感じの普通の主婦でした。ところがある朝、いきなり変なことを話し始めたのです。「わたしは何故ここにいるのか?」「ピッチはどこにあるの?」そして、自分は17歳だというのです。
どうにも訳が分からないし、自分1人ではどうにもならないので、従妹の帆乃夏に助けを求めて芽衣子さんの話を聞いたり、病院へ行ったり、右往左往するうちに少しずつ芽衣子さんの状況が分かってきたのです。
芽衣子さんの17歳の時の記憶、それは今まで聞いたことも、想像したこともないような話でした。潤平くんにとっては面倒くさい母親としての認識しかなかった芽衣子さんにも、高校生だったころがあったんだって初めて気が付いたのです。
そして、芽衣子さんのことだけでなく、自分に関わるいろんな人のことが分かってきて、今まで知らないことがたくさん分かってきて、潤平くんは、なんて自分は思い違いをしていたんだろうって思うのです。
両親との関係がイマイチだった潤平くん、この事件のおかげで今までよりも優しい気持ちで彼らと接していけるのでしょうね。
子供にとっての親って、いきなり大人から始まってますからね。彼らにも子供時代や青春があったってこと、気付かないままなんですよ。どんな形であれ、親の若かったころのことを知ることができるってステキなことだなって思います。
#僕の母がルーズソックスを #NetGalleyJP
タイトルに裏切られた作品。
高校二年生の潤平が女装して下着を売るという衝撃のシーンで始まるこの物語は、いい意味でタイトルに裏切られます。
潤平の母親・芽衣子が記憶喪失になってしまい、高校時代の格好(39歳での制服にルーズソックス!)で渋谷を闊歩したり、そのままで息子・潤平の陸上部の練習に乱入する姿はまさにコメディ。潤平の「勘弁してくれ」がよく伝わります。
しかし記憶を取り戻すために従姉妹の帆乃夏と母親の足跡をたどると、母・父・叔父の若かりし姿が明らかになり想いが変わっていきます。
最後「潤平」という名前に託された想いが明かされたときは感動しました。
ここに記されているほど熱い激動の青春時代ではありませんでしたが、学生時代の友人に電話でもしようかと思わされました。
日常のさまざまな足枷、重力からほんの少し逃れるための気晴らし。
それはそれぞれの好みや得意なことによって違う。陸上の棒高跳びのバーを超えた瞬間に無重力を感じるかもしれないし、歌や絵という表現かもしれない。
気晴らしはあくまで気晴らしで基本にあるのはしんどい毎日。そしてもしや自分が相手の足枷になっているかもしれないという想像。
この話は昔ちょっとやんちゃだった大人が封印していた過去を思い出さざるをえなくなっちゃって、蓋をするより辛くても思い出した方が前に進めるって話なのかな?
今、夏目漱石著の小説を読むと、あの時代の文化を知ることが出来るように、この本を読めば何十年もたってから、“今”の文化を知る手がかりとなるサブカルチャーが盛り込まれてると思う。
安室奈美恵さん引退とか、ピッチとか、DVD、液晶テレビ。もっともっと進化して、そういえばそういうのあったよね。懐かしい。と、なるだろうな。
タイトルからタイムスリップものかな?と、思って読んでみたけど、そうではなかった。
記憶が手がかり。
最後、グッときました。
どこかへ逃げたいと思っていた潤平。
ある日、母親の芽衣子が記憶をなくし、コギャル時代に戻っていた。
潤平ははじめは困惑し、芽衣子のことを受け入れるのが難しかったものの、
話を聞いていくうちに両親の過去について知らなかった事実が判明。
90年代のなつかしさに「あー!あったあった!ピッチとかルーズソックスとか懐かしい!」とくすっと笑えたり、
グラフィティについて何も知らないので、「なるほど、こういうルールがあるんだ」と感心したり、
芽衣子の過去を探っていくうちにほろりと涙したり。
コミカルな設定の中にもグッとくるものがあり、とてもよかったです。
丁度自分もアラフォーの年なので、所々『こんな事もあったなぁ』というなんだか懐かしい気分で、芽衣子さんと一緒に17歳に戻った気分で読みました。
思ったよりもコメディ感はなくて、いい意味で裏切られた感じでした!
年齢が近い人に是非オススメですね!
設定が面白くって最後まで一気に読みました。
優しくて甘々の母親が高校生の時はコギャルだった。
「チョベリバ」「ルーズソックス」「ピッチ」
懐かしい言葉のオンパレード。
大人しく母親が買ってくる洋服を着ていた芽衣子が
両親に反発し茶髪し、コギャルになっていく。
読んでいて芽衣子が羨ましかった。
私は自分の殻を破ることができなかった。
そんなことをすれば「見捨てられる」
それが怖くて自分らしく出来る様になったのは40歳を過ぎてから。
当時の高校生の姿をする母と一緒に行動する。
潤平はとっても素直でいい人だ。
最後に潤平がふと疑問に思うこと。
まさかと思って読み直してみると潤平の疑問は当たっている…きっと。
朝倉さんの他の著書も読みたいです。
朝、目が覚めたら、アラフォーの母・芽衣子が
外見はそのままに中身だけがコギャルになっていた!!
他人事なら笑い事だろうけど、我が身に降りかかったなら、
その場に母を置いて逃げ出したくなること間違いなしだ・・・(笑)
小さい頃から息子を溺愛する優しかったあのお母さんに
日サロでこんがり焼けた肌×茶髪×だるだるのルーズソックスなコギャル時代があったなんて、
反抗期真っ盛りの息子・潤平にしてみればあまり知りたくはなかった黒歴史なのかもしれない。
はじめのうちはそんな母の変わり様を受け入れることが出来なかった潤平だけど、
コギャルだった頃の芽衣子と過ごすうちに彼女が抱えてきた家族との確執や父との出会い、
思い出を辿って、それまで知ることのなかった母や父の姿を知ることになる。
幼い頃に芽生えた小さな疑惑から親と子の距離がひらいてしまった潤平親子だったけれど、
芽衣子の記憶喪失事件のおかげで再び親子の絆は繋がった。
両者の間に足りなかったのはほんの少しの言葉だ。
親子だから言わなくてもわかる部分もあるのかもしれないけれど、
言わなければわからないことだっていくらでもあるのだ。
タイトルからてっきりコミカル要素ばかりを思い浮かべてしまったけれど、
夫婦の絆や親子の愛情を描く素敵な家族の物語だった。
最後に潤平の名前の由来を知ったとき、ああ、この家族は本当にいいなあと思った。
親から子への溢れんばかりの愛がそこには詰まっているから。
ママがコギャルになるって言う現象が面白かった。
そして、読んでいて芽衣子が羨ましかった。
自分の殻を破ることができる人、そんなことをすれば「見捨てられる」
それが怖くて自分らしく出来る様になるのは幾つになるだろうか。
潤平はとっても素直でいい人だ。そして、潤平の疑問は当たっている…きっと。楽しめた!
読みやすくてスラスラ読めました!芽衣子の辿る過去がそんなことあったなーと懐かしく思いながら読めました(*^^*) 突然のこつしょしょうしょうに吹きました(笑) 自分の存在意義を考える年頃って誰でもありますし、子が親に疑念を持つ時期もあります。 色んな事を乗り越えて家族も友達も絆を深めるのでしょう。