ランドルトの環

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刊行日 2019/03/22 | 掲載終了日 2019/03/26

ハッシュタグ:#ランドルトの環 #NetGalleyJP


内容紹介

いくら身体を重ねても、完全に満たされることはない。

だから俺は、今日もまた会いに来てしまう――。


高校二年生の瞬の前に現れたのは、20歳以上の年の差がありながら、まるで魂を分けあったかのように心が通じる女性、那知だった。那知がかつて諦めた夢を叶えるため、気持ちをひとつにした二人はしだいに強く惹かれあう。だが、それは互いを失うかもしれない怖さを孕んだ日々の始まりでもあった――。

運命的な愛に揺れる少年の姿を、繊細な筆致で描いた著者会心のデビュー長編。

長年、フリーライターとして執筆活動をしてきた著者の、圧倒的な筆力が光る青春恋愛小説です。 タイトルの元になった「ランドルト環(かん)」は、視力検査で用いる「C」マークのこと。ラスト、タイトルに込められた想いが、胸にじんわりと沁み渡ります。


【著者プロフィール】

八幡橙(やはた とう)

1967年東京都生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。出版社に勤め、教科書や雑誌の編集に携わった後、25年間フリーライターとして数々の雑誌、書籍等に寄稿。本作が初の小説となる。

いくら身体を重ねても、完全に満たされることはない。

だから俺は、今日もまた会いに来てしまう――。


高校二年生の瞬の前に現れたのは、20歳以上の年の差がありながら、まるで魂を分けあったかのように心が通じる女性、那知だった。那知がかつて諦めた夢を叶えるため、気持ちをひとつにした二人はしだいに強く惹かれあう。だが、それは互いを失うかもしれない怖さを孕んだ日々の始まりでもあった――。

運命的な愛...


おすすめコメント

湊かなえ、住野よるなど、新人作家を世に押し出してきた双葉社が、次にお勧めする≪実力派大型新人作家・八幡橙≫のデビュー長編小説です!

湊かなえ、住野よるなど、新人作家を世に押し出してきた双葉社が、次にお勧めする≪実力派大型新人作家・八幡橙≫のデビュー長編小説です!


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あなたの【おすすめコメント】大募集!!

帯や拡材に使わせていただきます!!


お読みいただき気に入っていただけましたら、是非ご感想をお聞かせください!お戻しいただいたレビューを、帯や拡材に使わせていただきたいと思っています(もちろん一度ご連絡させていただき、掲載許可を取らせていただきます)。

製作上の都合で、帯に使用させていただくコメントは【2月8日まで】にいただいたものから選ばせていただきます。何卒よろしくお願いいたします。


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製作上の都合で、帯に使用させていただくコメントは【2月8日まで】にいただいたものから選ばせていただきます。何卒よろ...


出版情報

発行形態 ソフトカバー
ISBN 9784575241587
本体価格 ¥1,400 (JPY)

NetGalley会員レビュー

若さゆえの熱を持った恋と満たされることのない渇き。そして大人の女性の求められる悦びと背徳感。惹かれ合う二人の揺れ動く感情にこちらまでヒリヒリとした痛みを感じる。

男子高校生の目線で語られることで、年上の女性への恋や爽やかな男同士の友情がピュアで微笑ましく、性の表現をも瑞々しく感じさせる。そしてその目に映る彼女はとても可愛らしくしっとりと潤んでいてとても魅力的なのだ。
大人でもなく、かと言って子供でもない男子高校生の青春の通過儀礼のような恋は、少し懐かしく、羨ましくもあり気恥ずかしさもある。
そして、ラストに彼が見た「ランドルト環」に見出した意味に切なくも深く頷く。
青春を、そして恋を忘れた大人にぜひおすすめしたい。

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平坦な毎日を漕ぐ男子高校生が、年上の女性に恋慕を抱く。

ブレーキを開放し自転車で坂道を下っていく高揚感に吼え、しがらみの風圧を割っていく爽快感に酔いしれながら、突き刺さる分別を満身創痍で受け止めようと人知れず覚悟を決めていく。

作者は彼を思慮深く描く一方で、彼女と母親のそれぞれの立場で注がれる愛情を俯瞰する。

粛々と帰結させた通過儀礼は、背徳であり神聖でもある。
その曖昧さは、近視の瞳に映るランドルト環に似ている。

矯正を必要としない愛は素直だった。

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16歳の男子高校生が生まれて初めて恋をした相手、それは22歳も離れた不思議な人だったー。

読者をストーリーの世界に惹き込む没入感を冒頭から自然に味わえる。

読んでいてむず痒くなる感覚は、思春期特有の揺れ動く恋愛心理描写が繊細に瑞々しく描かれている証拠だ。

「大人になるということは、矛盾を一つ一つ積み重ねていくことかもしれない。積み重ねて、そのうち矛盾を矛盾と思わなくなることなのかもしれない。」

とても、とても良い小説だった。

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デビュー作とは思えないくらい面白かったです。
高校生男子と38歳バツイチ子持ちの元漫画家女性。
どっちかというとこの女性側にイライラしてしまいました。歳も近いからか。

高校生男子・瞬はほんとまっすぐで、まぶしいなと思いました。
彼の周りの人間関係もとてもよく描かれていると思いました。
彼の友人も、瞬のことを好きな女の子も、めっちゃ高校生っていう感じでキラキラして見えました。

瞬のお母さんもいいですね。まさかの読者モデル母。
アラフォー、アラフィフ女性誌の読者モデルママさんの生活ってこんな感じだったりするのかなと妄想。

個人的に、雨でずぶぬれになるシーンと、漫画が完成して結ばれるシーンとてもよかったです。頭の中で映像化されてました。

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心から求め合う人に出会ってしまった、その人が同級生の母親だったとしたら、あなたならどうしますか?飛び込んで溺れて後悔してもしなくても人生に無駄なんてない。読み続けた先に光を感じました。

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青春と、笑いと、初恋と、涙。
この小説の魅力は、実は会話から溢れるユーモアと、ディテールへのこだわり(例えばマカロニほうれん荘といった選択)にこそあると思う。作者の手練れ感と惹きつける力は並々ならぬものだ。
しかしユーモアから始まる物語は、やがて主人公・瞬の初恋と共に、読み手の感情を大きく揺さぶりはじめる。初恋を“合体”よりも“合作”という形に結ぼうとする瞬や那知さんに共感し応援したくなる中盤、そしてままならない二人を切なく見守るしかない後半へ。
一気に読み終えて残るのは、切なさ以上の爽快感。ランドルトの環の切れ目に見出した意味は、奥深く、美しい。

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自転車で坂道を登るような焦燥感と苛立ち、そして自転車で坂道を下るような衝動と性欲。まだ何者でもない16歳の男子高校生の内面描写が匂い立つ。
坪内くんってクラスにいそう!登場人物の誰にも感情移入はできなかったけど、坪内くんはいいヤツだ。

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透明な心で、
無心で読んだ。
空気感が全てだと思った…
同じ空気の中で漂いながら…
このストーリーの先には、
無限の可能性がきらめく。

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子どもの頃「早く大人になりたい」と思っていた理由を思い出した。大人はどこまでも自由で、親や学校といったしがらみがなくて羨ましい、と。大人になって思う、子どもの頃に戻りたい、学生の頃はなんて自由だったんだと。会社や社会のしがらみがなくてどこまでも自由だと。結局、人は手に入らないものを貪欲に求めてしまうものなんだなと思う。

「逃げる」という言葉の語義は、対象から遠ざかる、という意味だと思う。自分が手に入らないものを夢想するとき、きっと逃げているんだろう。子どもでも大人でもそれは変わらない、年齢なんて関係ない。それは単純に視点の問題だ。だから逃げずに進むためには、自分がどこに向かっているのかを理解するのが重要だ。向かう先がわからないというのは、「向かう先を定める」ということから逃げているのだ。子どもが未来を夢想するのは自分にとっての過去が少ないから可能性をうらやみ、反対に大人が過去を美化するのは現在から目を逸らしているからだと言える。

本書の中で重要なモチーフとなっており、またタイトルにも採用されている「ランドルト環」を、瞬は切れているのになぜ「環」なのだろうかという。視力の悪い人にとってはぼやけて「環」に見えるという解釈に瞬は深く納得させられるが、それが意味することは明白だ。本書は瞬がこの「環」をくっきりと見るための物語である。そして本書の読者も、この「環」について考えさせられるに違いない。

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あらすじだけ触れるとちょっとありがちな青春恋愛ものになってしまいそうなのですが、これは一読の価値はあったかな、という読後のじんわり感。
ランドルトの環 というタイトルがまた良いなと思いました。

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親子ほど離れた2人が出会い、時間を共に過ごすうちに惹かれ合うという、なんともほろ苦いストーリーを、ギャグ漫画という場違いなものを上手く絡めて展開される作品。
きっとこうなると予測してしまうのだが、どんどん惹き込まれて一気に読んでしまいました。
家族、友人が言わずもがなで、理解してくれるところが羨ましく感じますね。

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誤解・偏見・非難を恐れずに言うと、ニヤニヤが止まらない作品。
そして本音ではうらやましく懐かしい作品です。
眼鏡屋の息子・高二の白砂瞬が大人の女性・一村那知と知り合い、
共通の趣味から恋に落ち成長する、青春恋愛物語です。
あの作品をリアルタイムで読んでた世代としてニヤニヤが止まらないし、
また主人公のもどかしさ、純粋さ、鬱屈さが懐かしくうらやましく感じられます。
そして、ふと輪っかの部分の切れ目はいつ気づいたのだろうと自分を振り返らせます。
お奨めの一冊です。

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高校生の主人公の心の揺れが瑞々しくリアルに感じられた。息子と同学年の子を好きになるって自分に置き換えるとあり得ないと思うんだけど、この二人に限ってはアリなのかなぁ?年の差婚も偏見を持たれない多様性のある社会を目指すべきなのかもね。色々な人を巻き込んで心配かけてしまったけど、いつかみんなの理解が得られて、二人で作品を作っていけたらいいな。

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我が息子が高校生だからか、どうもシラクミ目線で彼を見てしまった。
だから、何熱に浮かされてるんだろう、とどんどん冷静になって行く自分がいた。このような恋愛は、きっと当事者でないとわからないんだろうな。でも、どんなときも自分を応援してくれる友だちがいるのはありがたい事だ。坪内くん、いいやつだ。

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横浜の高校2年生・瞬。
将来のことなんて何もわからない。とりあえず大学進学を目指すそこそこの進学校に通っている。

中学生の時から、自宅兼店舗の眼鏡店を手伝っている「店長代理」。
ここまでさまざまあって市内に三店舗を経営している父が、他店の用事のため留守番をしていた。

そこに、その人はやってきた。

まずは、眼鏡を作ってあげるお客さまとして。
そして、従業員として。

同じ時間を過ごすうちに、22歳も年上の那知さんとの共通項が見つかる。

昭和の名作「マカロニほうれん荘」のマニア同士だったのだ。

爆発的な大人気を誇ったが、突然連載が終了してしまった幻の名作、伝説の漫画家。

彼女は、その後のトリビュート作家のアシスタントでもあった。

ここまで誰にもあけていなかった自分の大事な部分を共有する人がいた!

心と身体の距離が近づくのは、時間の問題だった。

だが、彼女は同級生の実母であり、その同級生は妹のボーイフレンド。

普通に考えたら、ありえない。だから、その先が読みたくなる。

瞬と、那知と、クラスメイトと、それぞれの家族と。

一人ひとりの心が、うまく表せない心の動きと声を、きっちり描ききっているから、一気に読み通せる。

真剣に何かにぶつかったときに、本当のものが見えてくる。

父の強さ。
母の強さ。
青年の純粋さ。

読んでよかったと思える小説に出会えた爽快感。


#ランドルトの環
#NetGalleyJP

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メガネ男子・白砂瞬は、大学受験が近づく中父親の経営する眼鏡店で店番をするのが放課後のもっぱらの過ごし方だった。あるときそこに来た、メガネを作りに来たひどい視力の38歳女性・一村那知がパートとして働くことになる。絵のうまい彼女と古いマンガで意気投合し、そしてマンガアシスタントをしていたと知った瞬は、マンガ賞へ応募することを提案し手伝うと言い出して執筆がはじまるが・・・

白砂家は、恋愛結婚だったのに母が父をこきおろし、妹は生意気。その長男が瞬。どこにでもありそうな家族だが、なんだかいびつに読者は感じるはずだ。
一村家は、昔仕事していた那知が結婚し子どもを産んだときに、子供を守り切れず悔やんで離婚する。
その2つの家族にはさまれる瞬の、思春期最中の葛藤やうっとうしく思う感じは、なんだか懐かしくさえ感じるのではないか。友達にいたとか、自分もそうだったとか。
白砂家のいびつさは、最後に破裂する形で明かされるが、そこまで読者の興味をひっぱってやまない。

瞬がある女性に惹かれてしまうが、それはなぜだろうか。家族にヒントがあるのかもしれないが、瞬の家庭での抑圧、やりたいことを見つけられていない苛立ち、瞬のやさしさ、すべてが複雑に絡み合って、物語を作り上げる。

ここに紹介していない様々な登場人物のエピソードも面白く、高校生が「哲学」する様を見せつけられながらも、ずっと飽きずに読ませる小説になっていると思う。
結論は残念だったが、登場人物それぞれが成長できたという点ではハッピーエンドなのでは?

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そうか、同級生のお母さんに惚れてしまったか・・・高2の白砂俊(17)は、父の経営する眼鏡店に店長代理としてアルバイトしていたが、那知と言う客のメガネを販売し、かなり視力が悪いのに今までメガネ無しだったことに驚く。更に店のパート募集に応募して、店員となった。その後、那知が同級生の畠山(瞬の妹の彼氏)の母親であることが分かってくる。眼鏡店での仕事で那知と接触しているうちに、瞬は、那知に惹かれていく!・・・家を出て、那知の元に駆け落ちしようとする時の瞬のお母さんは、命がけの抵抗でした。息子を取られてしまうと思ったかな・・・母だものな・・・楽しめた!

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父親が経営する眼鏡店で店番をしている時に客として出会った瞬と那知。那知が瞬の店で働くことになり、ふたりの距離は近付いていくのだが、それには問題があった。瞬は16歳の高校生で、那知は38歳バツイチ子持ち。しかも彼女の息子は瞬と同じ高校に通う同級生で瞬の妹の恋人という……ツインフレームなら何歳差だろうが仕方ない、しかし出会った時期が悪かった。そりゃ、高校生が38歳の女性と付き合うなんて世間が放っておかない。それでも止められない恋心、彼女へと突っ走る青年の心理描写が甘酸っぱく、面白かった。

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この「瞬くん」と、この「那知さん」だからこそ成り立つ恋愛だと感じました。
漫画、それに震わされたお互いの魂が結びつく時、世代、年齢は関係なくなるんですね。
不思議と、2人が新たな作品作りに情熱を燃やす部分に「ロマンス」を感じました。

惜しむらくは、2人を強く惹き合わせる土台の『マカロニほうれん荘』が、
作中で丁寧に説明されているのに、読者として実感まではできなかった点でしょうか。
これは世代もありますし、仕方ないことですね。

「ツインフレーム」というキーワードも、多義的に響いていました。

そしてランドルトの環…こちらも、1つの円を描けそうで、
でもどうしても埋めていけない「欠落」を示すようで、切なかったです。

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自分に正直になれるなら、あとで後悔したってかまわない!

一生他人と分かち合うことがないと思っていた自分の嗜好を受け入れられた瞬間。それは高校生の彼にとっては、相手がどこの誰であろうと関係なく、惹かれるものがあった。

まだまだ子供なのかもしれない。でも彼にとっては今見えている世界が全てであり、それに対して、危険を顧みずに貫く彼の真っ直ぐな思いに、目が離せなくなり一気読みでした。

大人になるにつれて、現実がはっきりと見えてしまい、若かった頃の勢いや思い一本で突っ走ったあの熱意を忘れがちになる。
自分の奥深くで眠っていたそんな熱さがフツフツとこみ上げてきました。
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