迷宮の王 1
ミノタウロスの咆哮
支援BIS
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刊行日 2019/01/07 | 掲載終了日 2019/01/06
ハッシュタグ:#迷宮の王1 #NetGalleyJP
内容紹介
サザードン迷宮の十階層に出現したミノタウロス。
本来ならば中ボス程度の存在だったミノタウロスはなぜか、独自の行動をとり、迷宮内でその存在感を増していった。
こぞって「打倒ミノタウロス」に挑む冒険者たち。しかし、彼らは皆、ことごとく敗退していく。そんなミノタウロスを手練れの冒険者たちが放っておく理由はなかった。
「天剣」の異名を持つ剣士パーシヴァルもその一人で、彼は普通ならばパーティーで臨む階層にもたった一人で冒険に出て涼しい顔で戻ってくる、真の上級者だった。しかし、そのパーシヴァルですらミノタウロスの前に敗れ去るのだった。
もっとだ! もっと、もっと、闘いを! もっと、もっと、強い敵を!
ただひたすら求道者のごとく強さを追い求め、みるみる強大になっていくミノタウロス。ついには迷宮のルールすら超えた存在として、迷宮に君臨していく……。
出版社からの備考・コメント
校了前のデータを元に作成しています。 刊行時には内容が異なる場合がありますが、ご了承ください。
おすすめコメント
もしも池波正太郎さんがファンタジーを書いたら、こんな作品になるのではないか、と思った。ファンタジーで、男の生き方を描き切ることが出来るんだな、とも。小説家になろうというサイトのことをまったく知らなくても、この作品だけは読んでほしい。
■著者紹介 支援BIS(しえんびす) 岡山県倉敷市生まれ。2011年から『小説家になろう』に投稿を開始。以後、同サイト上で創作活動を続ける。代表作に『辺境の老騎士』(エンターブレイン刊)がある。
出版情報
ISBN | 9784065136911 |
本体価格 | ¥1,200 (JPY) |
NetGalley会員レビュー
戦うために生まれてきた。
というキーワードが全体を通して読んで真っ先に頭に浮かんだ。
正直なことを言うと、読み始めていかにもコンシューマゲームのような世界観に多少失望を覚えました。
この辺は自分の好みによる部分ですが、ドロップアイテムとかステータス表示などの法則が成り立つ世界観というものにはどうにも馴染めなくて、自分の場合web小説で読むのを避けるポイントの一つです。
まぁ、趣味には合わないけど仕方ない。と思いつつ読み進んでいるうちに、ミノタウロスが上層を目指し始めるあたりからそんなことは気にならなくなっていきました。
フロアボスとして迷宮に生み出されたミノタウロスが自我を芽生えさせて、もっと強い奴に会いに行く!! とばかりに研鑽を積んで強敵を打倒していくのはなかなかの爽快感でした。
逆の視点としても、普通じゃない存在が迷宮内を徘徊しているという未知の恐怖が断片的な情報としてじわじわと浸透していく様子も味わい深い物がありました。
終盤近くになって、ミノタウロスの驚異を維持するため補給線としてののドロップアイテム設定なのかと気がついて、なるほどと思ったりも。
迷宮内での戦いのが詳細に描写されていて、頭の中で殺陣を組み立てながら読むのも近年味わっていない楽しみでした。
バトルジャンキーたちが戦う作品が好きな人には、割ととっつきやすい作品のように思います。
一方で、終盤近くになると描写が駆け足になって、ダイジェスト感が増したのがちょっと残念でした。
特に人間サイドはもう少し描写をふくらませる余地もあるような気もしましたが、タイトル通り「迷宮の王」の物語であるのならばちょうどいい匙加減であったかとも思います。
総じて満足できる作品でした。食わず嫌いは良くないな。
ファンタジーであれば、誰もが知っているモンスター「ミノタウロク」。ただ、有名ではあるが、決してラスボス的な存在ではない彼が、ラスボスになったら?そんなもしもの世界のお話。
端的に言って超ハラハラする話です。希望を持つと裏切られる。だからこそ先が気になってページをめくる手が止まらない。まず、はじめの戦いで気になった事はポーションの容器が脆過ぎ…という。剣士のパーシヴァルがカッコいい。ミノタウルス同様彼の剣技に魅せられる。
ミノタウルスが成長していく。人間は警戒するも確信には到らない。ミノタウルスの強さは本人と読者しか知らないから。人間が挑む事で逆にモンスターであるミノタウルスに経験値を与えてしまい仇となっている。これからどうなるかと思えば、ある少年の登場で話の雰囲気がまた変わる。パーシヴァルと同じ目をした少年。いつか成長したこの少年と戦えると、ミノタウルスは予感した。のシーンでミノタウルスも成長してると感じた。