スイート・マイホーム
神津 凛子
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刊行日 2019/01/10 | 掲載終了日 2019/01/10
ハッシュタグ:#スイートマイホーム #NetGalleyJP
内容紹介
第13回小説現代長編新人賞受賞作!
選考委員 全員戦慄。
「イヤミス」を超えた、世にもおぞましい「オゾミス」誕生。
スポーツインストラクターの賢二は、寒がりの妻のため、たった1台のエアコンで家中を暖められる「まほうの家」を購入する。ところが、その家に引っ越した直後から奇妙な現象が起こり始める。
我が家を凝視したまま動かない友人の子ども。赤ん坊の瞳に映ったおそろしい影。地下室で何かに捕まり泣き叫ぶ娘――。
想像を絶する恐怖の連鎖は、賢二の不倫相手など家の外へも波及していき、ついに関係者の一人が怪死を遂げる……。
人間が抱えるおぞましさや闇を描くホラー・ミステリー。
出版社からの備考・コメント
校了前のデータを元に作成しています。 刊行時には内容が異なる場合がありますが、ご了承ください。
おすすめコメント
【担当編集より】
選考委員だけでなく、小説現代編集長をはじめ、編集部員も口を揃えて「とにかく怖い!」と脱帽した期待作です。
特にラストは「読まなきゃよかった!」と思わず後悔してしまうような衝撃に満ちていますので、ぜひご注目ください!
【担当編集より】
選考委員だけでなく、小説現代編集長をはじめ、編集部員も口を揃えて「とにかく怖い!」と脱帽した期待作です。
特にラストは「読まなきゃよかった!」と思わず後悔してしまうような衝撃に満ちていますので、ぜひご注目ください!
出版情報
発行形態 | ソフトカバー |
ISBN | 9784065141779 |
本体価格 | ¥1,500 (JPY) |
NetGalley会員レビュー
読後直後だが、今も背中がざわざわしている。暖房をきかせた部屋のはずだがなぜか背中が寒い・・・
子どもが生まれたばかりの幸せな若夫婦が、中部地方の特有の底冷えの寒さに耐えかね、暖まる我が家を求めて住宅展示会に行くところから物語は始まる。
新居を建て、希望通り暖かい我が家を手に入れたはずが、不可解な出来事が起こりはじめ・・・
不可解な出来事と主人公の家族の付き合いが明かされるにつれ緊迫感が増していった。
事件の真相(犯人)、主人公の過去は後半予測はできたのだが、もしかしたら違うのかもと、ページをめくるのがとまらない・・そして最後のシーン・・・読みたくなかったです。
理想ってなんなのでしょうか?
小さな女の子がいる幸せな夫婦が、「あたたかい家」と呼ばれる一軒家を買うところから始まる物語。
最初から、少しずつ怪しげな雰囲気。
旦那の賢二は浮気してるし、旦那の兄は統合失調症でなんか妄想などを口にしていたり、そして家を買った会社には「甘利さん」というおかしなセールスマン。
しかし、物語の途中から賢二の近くで不可解な出来事が起こりだす。
家の中に巣くうのは幽霊なのか、それとも妄想なのか、はたまた人なのか。
読んでいくうちに怖さが止まらない、けど面白くてページをめくる手も止まらない。
お兄さんの優しさに少し涙ぐんだあと、事件や過去の真相を知ってエンディングへ向かい収束していく気分。
からの衝撃のラストシーン。
すごかったです。
真冬でも家中どこでも暖かい。子供が裸足で走り回れる暖かなわが家。それはまさに夢のマイホーム…のはずだった。
得体のしれない何がが家の中にいる。
マイホームに巣食うものは一体何なのか…!?
幸せの象徴のような暖かな家で暮らす家族。それに反して読みながら感じる居心地の悪さや違和感。真っ暗闇を手探りで進むような不安と、その中に何かが潜んでいる恐怖。それが何者なのか。 ページをめくるにつれて明らかになる真実。その『真実』に向かって読んでいたはずなのに、それが明らかになってもなお終わらない。
これはまさにおぞましい『オゾミス』!『いいとこ取り』ならぬ『怖いとこ取り』で様々な怖さが味わえます!
最後の1ページ、待ち受ける恐怖は『イヤミス』どころではない!背すじのぞくぞくが止まりません。
あたたかな『まほうの家』がもたらしたものは…このラストの衝撃といったら…言葉を失う、とは正にこのこと。よく「衝撃作!」と謳われますが、この作品にこそふさわしい。
=小説家で詩人の滝川寛之による書評シリーズ=
書評 @神津凛子「スイートマイホーム」
本当ならば、この作品の書評を記するのは間違っているのかもしれない。私は何を知りたいのだろうか? この作品を読んだところで何を感じるのだろう? 実に様々な思いが交錯した。己に困惑した。
まさに、おぞましい、ですね。
ずるりずるりと這い回る状況を想像すると、思わず身の毛がよだちます。
グロテスクなホラーがお好きな方は楽しめるかと。
いやー、最初から最後まで、すべてが好みでした!特にラストシーンはストライクど真ん中でした。また凄い作家さんが出てきましたんで~。名前覚えておきたいと思います!
これ面白いっ!
ホラー度が強いけど、怖いけど読んでしまう。止まらない!!!!!この先どうなるの?えっ?この人が犯人じゃないの??イヤミスはんぱねぇって!になる。
結婚、家族、新築って聞くと幸せの象徴のように感じるけど、本当にそうなのか?その裏に闇が広がって無いのか?闇が闇を呼ぶ。
家に帰ったら取りあえず、屋根裏確認しなくては。
うそ~最後の奥さんの行動はあんまりじゃ無い?・・・マイホームに取り付いた女と死闘を繰り広げた事で解決に向かうと思いきや、まさかの最終劇。装丁帯の『おぞましい』とは、この事だったのか・・・最終に近づくにつれて、主人公の過去のDV父親とのストーリーと、現在の新築平屋に取り付いた女のストーリーがうまく融合されていました。・・・まさしく、おぞましい!・・・楽しめた!
冷え性の私にとっても「まほうの家」は理想の家だなぁなんて呑気に読み進めていったら・・・。圧倒的な恐怖で選考委員を驚愕させたとありますが確かに、納得です。常に纏わりつく不安なザワザワする感じがなんとも言えないのですが先が気になって一気読みでした。
油断してました。イヤミスって書いてありましたが、間違いありません。
著者の女性ならではのやわらかな文章がこちらを油断させてきますが、じわじわと怖いです。気持ち悪いです。
読み終えた時、体温が下がっているのは間違いありません。
そして次の瞬間、誰かに読ませたくなる本です。
厳冬の長野で斬新な暖房設備が売りの注文住宅を購入した主人公家族。やがてその家の中で家族を震撼させる異様な現象が起こり始める。統合失調症を患った兄、自身の閉所恐怖症など原因の解らぬ現実問題に、主人公が抱える負い目や後ろめたさなどの心理的圧迫を織り混ぜ、一体何が起こっているのかと頁を捲る手を止めさせない筆力が見事。ホラー部分の種明かしはもう少し引っ張ってほしいように感じたが、サスペンスとして全ての設定を無駄なく生かした収束が好印象だった。ただ個人的にラストは狙い過ぎの感が否めず。サプライズというよりも、そこだけが作品の中で妙に浮いた印象になってしまった。だが新人さんのデビュー作としてはかなりのハイレベルではと感じたので、今後の作品が楽しみ。
内容が良いのは間違いないです。それよりも新人とは思えない質の高さ。無駄な文や登場人物が出てこない。テンポよく読めるし、緊張感もある。小説全体にわたってミステリーが散りばめているので、先へ先へ読み進めたくなる。こちらの予想を上回ってくる展開力と言い、本当に新人作家なのかと驚いてしまいます。ベテラン作家でも中々、このレベルのものを世に出すことが出来ていないと思います。恐らく注目を集めるし、ベストセラーになる。
怖かったー!
人って暗くて狭いところは誰でも苦手ですよね。
家中の狭いところに嫌悪感を抱くようなそんなお話でした。
主人公に同情はできないけど、奥さんと子供達が可哀想でした。
ラストはなんだかいたたまれない感じ。
幸せな家族が手に入れた冬でも暖かい『まほうの家』。
理想の家で次々に起こる怪異と、夫の秘密。
天井から垂れ下がる黒髪、屋根裏を這う音、スマホの画面に映りこむ顔は何なのか――。
広げた風呂敷をどう畳むのか知りたくて一気読み。読みやすいし面白かった!
刑事の柏原の相棒のエピソード等、緩急のつけ方もデビュー作とは思えない上手さ。
それだけに、ミスリードにページを割いたためか、本筋が些かあっさり気味だったのは惜しい。
なんでもかんでも精神疾患で片づけるのも安易すぎる。ラストは筆が走りすぎたかな。
おぞましいと言うか、厭らしい小説(褒めてます)。次作に期待。
幸せな一家がモデルハウスで出会った、一台のエアコンで家中を同じ温度で暖める「まほうの家」。寒い長野で妻と娘のためにその家を建てた家族が経験したことは…。主人公の閉所恐怖症、更には年老いた母と引きこもりの兄なども絡み、気になって一気に読み進めました。少し視点の変化に紛らわしい部分を感じましたが逆にこれが計算だったとしたらそれはすごい作家さんだと思います。ラストに待っていたものは想像以上で、これ以上は説明しなくていいから!と思うほどでした。凄い新人さんだと思います。この先の作品がとても楽しみです。
怖い!怖すぎる!!!
序盤から、ザワザワしたものを心に感じながら読み進めたが、中盤に至る頃には、自分の心臓の音がバクバクと聞こえるほどに鳴り出し、家のすべての物音に怯えながらラストまで読み切った。
視点や時系列を変えながら、進む物語に全くダレることなく、最高の読書体験を味わえました!
真冬でも裸足で過ごせるくらい家中暖かい『まほうの家』に引っ越した賢二一家。夫はモデルのような容姿で幼い娘もいて新築の家で暮らすなんて、傍目には理想の家族のように見えるのかもしれない。しかし、家族というものは概ね外から見ただけでは計り知れないものがありがち。冒頭から何かの事情が隠されている不穏な空気にぞわぞわしながら読み進めた。統合失調症を患う兄、消息不明の父、怪しげなハウスメーカーの社員に、浮気と要素が複雑に絡み合い先へ先へと読みたくなる抜群のリーダビリティ、最後には背筋が凍るような事件が待ち受けていてまさにオゾミス!
幸せを絵に描いたような家族。しかし夫には決して妻に言えない秘密があった。妻は表面的には良い妻、良い嫁、良い母親であろうとしている。そんな家族が新居を購入。その家はいつも暖かだった。だが、入居後まもなく夫の友人や、妻の友人の子供から家が怖いと言われる。家族の周りで起こる殺人事件、そして暴かれる秘密。平和な家族を襲う不気味な影・・・。家に潜む狂気が、妻・子どもたち・夫の兄弟までも蝕んでゆく・・・。冒頭から漂う怪しげな不安感。その不安感は読み進めると恐怖に変る!家に潜む何かは人間の狂気か、それともモンスターか?最後の最後まで気が抜けない。イヤミスもホラーも超えた、おぞましいミステリー。新人離れしたストーリー展開に脱帽です!
こ、こっわーーーーっっ!!!
なんだこれなんだこれ・・
いい意味で全く共感できるところがない!
ぞぞぞっが止まらないのですが!
幸せなとある一家のマイホーム計画から始まる物語。
冬でもあたたかい「まほうの家」がもたらしたものは一家の崩壊だった。
地下から響く何かが這いずりまわるような音、天井から垂れ下がる黒い髪、赤ん坊の瞳に映る人のような影。
家を訪れる人たちが告げる、我が家で起きた幾つもの〝奇妙な現象〟
彼らの家に潜むものの正体とは?怨霊?それとも・・・
じわじわと主人公とその家族を追いつめる展開がページをめくる手をどんどん早めていく。
一体この家では何が起きているの?
この気持ちの悪い現象を引き起こしているものの正体はなんだろう?
その真相を知るまでは止まることができなかった。
正体不明ということがなにより恐ろしいということを本書を読んで実感した。