前立腺歌日記
四元 康祐
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刊行日 2018/11/27 | 掲載終了日 2018/12/17
ハッシュタグ:#前立腺歌日記 #NetGalleyJP
内容紹介
がんの話がこんなに面白くてよいのだろうか…!? ドイツ在住の詩人が、自らの体験を飄々と綴った、ユーモアあふれる闘病私/詩小説。
【あらすじ】
長年ドイツ・ミュンヘンで暮らす「私」に、ある日、前立腺がんが見つかった! 現地での、手術、がんのリハビリセンターに滞在しての「機能回復訓練」、その後の放射線治療、そして得たものは、臍の下の空洞と……。
【柴田元幸さん推薦!】
「前立腺を除去してみれば、おくのほそ道、ダンテの宇宙。 詩と散文の、どこか怪しげな、にもかかわらず(否、だからこそ)胸に迫る融合。」
【本書より】
手術の場合の後遺症って、なんなんですか? と私は訊いた。 主に尿漏れと性的不能です、と彼は答えた。 あはははは、私は笑った。生きるか死ぬかの話をしているときに、漏らすか立つかの話はあまりに次元が違っていると思えたのだ。 漏れと萎えマフラーのごとく靡かせて三つ子の魂冥途の飛脚 じゃあ切りますか、と私は言った。どれくらい仕事を休むことになりますかね?
出版社からの備考・コメント
校了前のデータを元に作成しています。 刊行時には内容が異なる場合がありますが、ご了承ください。
おすすめコメント
日本と少し異なるドイツのがん治療事情が垣間見えて、興味深いです。前立腺がんについても、ここまで詳しくユーモラスな体験記はあったでしょうか。
詩の賞を数々受賞、「現代詩の旗手」と称される四元さんならではの手法で、自作の詩から万葉集などまで、絶妙に織り交ぜながら綴っていくのですが…、グルーブ感あふれる語りは、声に出して読みたくなること必定!
日本と少し異なるドイツのがん治療事情が垣間見えて、興味深いです。前立腺がんについても、ここまで詳しくユーモラスな体験記はあったでしょうか。
詩の賞を数々受賞、「現代詩の旗手」と称される四元さんならではの手法で、自作の詩から万葉集などまで、絶妙に織り交ぜながら綴っていくのですが…、グルーブ感あふれる語りは、声に出して読みたくなること必定!
出版情報
発行形態 | ハードカバー |
ISBN | 9784065138069 |
本体価格 | ¥1,850 (JPY) |
NetGalley会員レビュー
私も海外在住で入院したことがあるので、なんかその時の経験を思い出しながら読みました。
最初の方は文章になれなくて読みにくかったんですが、なれたらサクサク読めます。
途中途中に歌や詩がなどが挟まれていて、面白いです。
全体的には面白いんですが、なんていうか、プチ浮気みたいな、妻子いるのに女の人誘ったりするところは、嫌悪感が湧きました。私が女だからかもしれませんが。
あり?これってガンのお話ではなかったかしら?
闘病記・・・ですよね?
読み始めて数ページでそんな疑問が頭をよぎった。
だって、そんな深刻なテーマにしては随分とあけっぴろげで陽気なんですもの。
ちょっとした日常の違和感から病院へ行くと、前立腺ガンが発覚した。
その後の手術、リハビリ、放射線治療。
この過程を追う限り、しっかり闘病の記録なのに著者の軽快な語り口に気がついたらニヤニヤしている。
手術や術後の治療だって決して楽ではなくて、辛いことだってあるし、治療を終えた後だって
数ヵ月毎の検診を受けて、これからもガンの再発に怯えて生きていかなければならない。
だけど、著者はどこまでも飄々とマイペース。
泰然とかまえていて悲壮感なんてどこへやら。
ドイツ在住の著者ならではの海外での闘病模様、闘病の合間にもポロポロと綴られていく詩の記録、
手術前後の下半身事情、素敵な女性に出会うとむくむく膨らんでしまう妄想と下心。
病人らしくなくていいなあ・・・。
リハビリ施設での同じ病名の男性陣の目下の懸案事項が尿漏れやら男性特有の生理現象のことというエピソードも、
もちろん当人にしてみれば大切なことではあるのだけれど、生死をさ迷うような病気を治療している人たちが
熱心にそんなことを話し合っている姿を思い浮かべたら笑えてきてしまった。