私はあなたの瞳の林檎
舞城 王太郎
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刊行日 2018/10/25 | 掲載終了日 2018/10/24
ハッシュタグ:#私はあなたの瞳の林檎 #NetGalleyJP
内容紹介
舞城王太郎新PJ(プロジェクト)発動! 2ヵ月連続作品集刊行、1冊目恋篇。
10代で炸裂した恋心は、大人になった「私」をまだ脅かしている。
ずっと好きで好きで仕方がない初恋の女の子。僕の告白はいつだって笑ってかわされる。でも、今好きなものを次なんて探せない! (「私はあなたの瞳の林檎」)
いいものは分かる、けど作れない。凡人な美大生の私が、天才くんに恋しちゃった! 憧れの人と付き合う楽しさと苦しさを描く。(「ほにゃららサラダ」)
僕が生きていることに、価値はあるのだろうか。僕は楽しいけど、他の人にとっては? 答えを教えてくれたのは、勇敢な二人の女の子だった。(「僕が乗るべき遠くの列車」)
思春期のあのころ誰もが直面した壁に、恋のパワーで挑む甘酸っぱすぎる作品集。
11月26日刊行予定、作品集2冊目家族篇『されど私の可愛い檸檬』、ご期待ください。
出版社からの備考・コメント
校了前のデータを元に作成しています。 刊行時には内容が異なる場合がありますが、ご了承ください。
おすすめコメント
【担当編集より】
お待たせしました! 舞城王太郎さんの五年ぶりの短編集、テーマはずばり「恋」です。芥川賞候補作であり大学読書人大賞受賞作でもある『好き好き大好き超愛してる。』で、苦しくて切ないけれど、やっぱり幸せな恋愛というものを、真正面から書いてくださった舞城さん。思春期の苦悩に寄り添いつつも、甘酸っぱい恋の楽しさを描いた本作、ご堪能ください。
【担当編集より】
お待たせしました! 舞城王太郎さんの五年ぶりの短編集、テーマはずばり「恋」です。芥川賞候補作であり大学読書人大賞受賞作でもある『好き好き大好き超愛してる。』で、苦しくて切ないけれど、やっぱり幸せな恋愛というものを、真正面から書いてくださった舞城さん。思春期の苦悩に寄り添いつつも、甘酸っぱい恋の楽しさを描いた本作、ご堪能ください。
出版情報
発行形態 | ソフトカバー |
ISBN | 9784065132555 |
本体価格 | ¥1,500 (JPY) |
NetGalley会員レビュー
恋愛ドラマになるような出来事も、突拍子もない主人公がいる訳でもない。
だが、それが逆に自分の身近にあるようなストーリーなため引き込まれる。「似たようななことあった」「聞いたことある」でもあったようでない。聞いたことあるようでない。不思議な感覚。
好きってどういうこと?こういう好きもあるよね!って自分以外の感情を覗き見する感覚。今まで読んだことのないタイプの本です。
難しい言葉や表現はなく、まるで友人の恋愛話を聞いているような感覚になる。他人事だけど甘酸っぱくてどこか懐かしい。日常のようで、決して日常ではない。彼らの言葉に、妙な共感を持ってしまう。
3話目で、主人公が自分の存在価値、人の生と死の意味、ひいては全てのものの存在価値について悩み続けるシーンがある。そこから彼が結論にたどり着いたときに交わされる言葉のやり取りが、私の心を大きく揺さぶった。まさに自分自身に放たれた言葉のようだった。
自分の悩みは誰かにとってはとるに足らないもので、話してみたらいとも簡単に乗り越えてくれる友人や恋人というのがいるのかもしれない。
そんな身近な友人に出会ったような気分になる一冊だった。
“好き”という感情はいつ自覚するものだろう?
戸ケ崎くん、いい人。
林檎ちゃん、可哀想な人。
お願いだから、そんな瞳で見ないで。
まっすぐに私を見て。
戸ケ崎くん、林檎からのお願いよ。
行間を読む煩わしさを極力排除し、会話文だけで起動させる小説。
舞城作品の定石健在。
/「私はあなたの瞳のりんご」
◆表題作他二篇収録
「恋」その中でもおそらく「初恋」をテーマにした作品集。
どこにでもありふれてるような、学生期にあったような、今もあるであろう恋物語。
だからこそ共感するし、甘酸っぱさを感じる。
恋をしている人も、自覚はないけどしている人、していない人、達観している人、
それぞれがそれぞれの視点で楽しめる作品。
個人的には「僕が乗るべき遠くの列車」がおススメ。
屁理屈の固まり(今となってはそう思えるのだが)倉本君が自分にそっくりで・・
ああ、イタイ、イタイ・・
3つのこじれた恋の気持ち。こんなお年頃(あったか⁈)とっくに過ぎた私からすると正直イタイ。でもこうやって悩んで、意味のわからないことをして、夏は過ぎ、春に惑い、歳を重ねていくのか、と遠い目になる。「気持ちなんて反転する。意味は変わる。」でも今のこの恋は、確かに恋だと気圧された。
会話文と主人公が考えているあれこれで、まるで友達の話を聞いているみたいな感覚で話が進み、付き合っているとか、付き合っていないとか、あんなこと、こんなことで悩んでいるとか、アオハル真っ只中にいる頃の甘くて苦くて酸っぱい気持ちを思い出させてくれた。
きゅんきゅん炸裂☆
甘酸っぱくて切なくて、今の私には懐かしい。
若いときって、こうやってぐるぐるいろんなこと考えたなぁ、と懐かしい。
いろんな人に出会って、いろんな出来事に出会って、大人になる。
大人になる前の話。
3つのストーリーは、そんなに特別なものではありません。若いころってこんなこともあったよな、と思いつつ、でも、心の奥底に刺さった刺を意識せずに引っ張られていたりします。そんなお話でも、舞城氏は「好き好き大好き~」と同様に、読み手の心にガツンと愛を打ち込んできます。愛を下地にして、大人になる前のほろ苦さをたっぷり思い出させてくれる作品でした。
舞城さんを読んだのははじめてですが、著者の「世界の見方」みたいなものがとてもわかりやすくピュアな恋愛に乗せられていて、しかもそれがすっと入ってきます。
みずみずしい恋愛と爽やかな知性に目が醒めるような一冊でした。
3つの短編に登場する、主人公たちはそれぞれ全然違うタイプの人間に見えるのに、なんでこんなに共感して感情移入してしまうんだろう、惹きつけられるんだろうと読後思いました。
ちょっと考えて、それぞれの主人公にちょっとづつ共通点を見つけたりして、なんだか得意げになりもして、でもそこに共感してしまうってことは。
そんな自分って、、とも思いましたが、それでこの作品をより楽しむことが出来ていたならそれもそれで良いのかなと思います。笑
特に印象的なのが、二つ目の美大が舞台の話『ほにゃららサラダ』でした。
一応ちょこちょこと僕も絵を描いていたりしているので、ところどころ耳が痛いなと思うところがありましたが、創作のキラキラを小説として読むことが出来て良かったと本当に思いました。
人を好きになるときは何でもない日常の中に、ドラマのような漫画のような劇的なものはそうはない。頭で考えてもしょうがない心はもう恋に落ちてるんだから。
読んでて独白と会話のリズムが小気味よく何でもない日常だけど所々の言葉の使い方とかのセンスが流石だなと思いました。