カササギ殺人事件

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刊行日 2018/09/28 | 掲載終了日 2018/09/30

ハッシュタグ:#カササギ殺人事件上下 #NetGalleyJP


内容紹介

ミステリ界のトップ・ランナーによる、アガサ・クリスティの完璧なオマージュ作×イギリスの出版業界ミステリ!

この秋、東京創元社が絶大な自信をもって刊行する傑作!

 

1955年7月、パイ屋敷の家政婦の葬儀がしめやかにおこなわれた。鍵のかかった屋敷の階段の下で倒れていた彼女は、掃除機のコードに足を引っかけたのか、あるいは――。その死は小さな村の人々へ徐々に波紋を広げていく……。現代ミステリのトップ・ランナーがによる、巨匠クリスティへの愛に満ちた完璧なオマージュ作品と、英国の出版業界ミステリが見事に交錯する傑作。全ミステリファンへの最高のプレゼント!

 

■著者紹介

アンソニー・ホロヴィッツ/Anthony Horowitz

イギリスを代表するベストセラー作家。ヤングアダルト作品や『刑事フォイル』の脚本で人気を博したほか、コナン・ドイル財団公認のシャーロック・ホームズの新作長編『絹の家』や、イアン・フレミング財団が公式に認定した007 逆襲のトリガー』で、翻訳ミステリ界の話題をさらった。

ミステリ界のトップ・ランナーによる、アガサ・クリスティの完璧なオマージュ作×イギリスの出版業界ミステリ!

この秋、東京創元社が絶大な自信をもって刊行する傑作!

 

1955年7月、パイ屋敷の家政婦の葬儀がしめやかにおこなわれた。鍵のかかった屋敷の階段の下で倒れていた彼女は、掃除機のコードに足を引っかけたのか、あるいは――。その死は小さな村の人々へ徐々に波紋を広げていく……。現代ミステリのトップ・ランナー...


出版社からの備考・コメント

校了前のデータをもとに作成しておりますので、刊行時に内容が変わる可能性がございます。
上下巻をひとつのデータにまとめております。
 
※上巻
ISBN9784488265076 / 税抜価格 ¥1,000 (JPY)
 
※下巻
ISBN9784488265083 / 税抜価格 ¥1,000 (JPY)

校了前のデータをもとに作成しておりますので、刊行時に内容が変わる可能性がございます。
上下巻をひとつのデータにまとめております。
 
※上巻
ISBN9784488265076 / 税抜価格 ¥1,000 (JPY)
 
※下巻
ISBN9784488265083 / 税抜価格 ¥1,000 (JPY)


おすすめコメント

原書で読みおえた瞬間、早くみんなに読んでほしい! と、はやる気持ちが抑えられなくなりました。

(訳者 山田蘭)


「これが翻訳ミステリの最高峰!」と胸を張ってお勧めできる超自信作です。

(担当編集者K)


ラスト一行で思わず「ここで終わるの!?」と叫びました。そのまま下巻を結末まで一気読みし、上巻に張られていた見事な伏線に呆然……。

(編集部S)


読み始めたら最後、先が気になって気になって、仕事をしている場合じゃない、早く帰って続きを読まなきゃ、と思ってしまいました。

(編集部K)

原書で読みおえた瞬間、早くみんなに読んでほしい! と、はやる気持ちが抑えられなくなりました。

(訳者 山田蘭)


「これが翻訳ミステリの最高峰!」と胸を張ってお勧めできる超自信作です。

(担当編集者K)


ラスト一行で思わず「ここで終わるの!?」と叫びました。そのまま下巻を結末まで一気読みし、上巻に張られていた見事な伏線に呆然……。

(編集部S)


読み始めたら最後、先が気になって気になって、仕事をしている場合じゃ...


出版情報

発行形態 文庫・新書
ISBN 9784488265076
本体価格 ¥1,000 (JPY)

NetGalley会員レビュー

編集者の主人公が読み始めたゲラは、自社の人気シリーズ名探偵アティカス・ピュントの最新作「カササギ殺人事件」。
最後まで読み進めた主人公が目にした衝撃的なものとは……。

現実と作中作「アティカス・ピュント」と、一粒でふたつ美味しいミステリ!

開幕でアティカス・ピュントは作中作だと告げられているのに、読んでいる最中にそんなことは頭から吹っ飛んでいって、なんでシリーズの前作を読んでいないんだろう?って自然と疑問に思ってしまった。
そして上巻を読み終わった後、下巻を読み始めて受ける衝撃と言ったら。
書きたい事はいっぱいあるけど……書けない!

何を書いてもネタバレになってしまいそうな気がするので下手に感想をかけないのが辛いところ。
面白いので是非読んでくださいとだけ言いたいです!

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この衝撃と言ったら!上巻を読んで下巻になった途端にこれ⁉︎そしてこう⁉︎書きたいけれど、書けないもどかしさ。
読んでいる私と主人公と、作中の登場人物が、トライアングルの一角にそれぞれ向かい合ったままぐるぐる回っていく。そんな錯覚に捉われ、そのスピードが増しながらエンディングに向かう快感。
時々出てくるミステリーの主人公の名前や、俳優さんの名前からの由来など、ツボツボでたまらない。英国ミステリードラマにどっぷり浸かった事のある人には、どのシーンもまた目の前で繰り広げられるような現実感におそわれることだろう。
著者アンソニー・ホロヴィッツ氏ならではの贅沢さを味わえて、まさに至福の時を過ごせた。

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≪サクスビー・オン・エイヴォン≫という村にある大きな屋敷≪パイ屋敷≫の家政婦が亡くなり、その葬儀が行われる。村の事情に詳しいお節介焼きの家政婦の死は事故としか思えないようなものだったが、彼女は死の三日前に息子と激しい口論になっており、それが原因で息子は周囲から疑いの目を向けられる。≪頭蓋内腫瘍≫を抱え、残された時間がわずかしかない私立探偵アティカス・ピュントのもとに訪れたその家政婦の息子の婚約者は、その疑いをピュントの言葉で晴らして欲しい、と訴えるが、ピュントは介入するのは困難な問題だと断る。しかしその後≪パイ屋敷≫の主人が殺害されたことにより、最期の時が近付く名探偵はこの最後かもしれない事件に関わってゆく。
 内容紹介に≪アガサ・クリスティの完璧なオマージュ作≫と謳われている通りアガサ・クリスティの作品を思わせるような(クリスティ作品に精通しているわけでは無いので、自信を持ってクリスティの世界観を語ることはできないのですが)世界が描かれていくわけですが、それだけで終わり(これだけでも凄いのですが)というわけではなく、徐々に独自の、驚くべき世界が広がっていく。
 後半、物語の印象はがらっと変わります。正直に言うと、最初に『カササギ殺人事件』というタイトルのみを見た時、物足りないな、と感じました。しかしその感情さえも、作者の術中にはまっていただけなのだと途中で気付かされます。詳しくは書けない部分ですが、ある人物のミステリへの愛憎半ばする感情も印象に残りました。読み終えた人は≪愛憎≫という言葉に首を傾げるかもしれませんが、それでもこの人物の屈折した感情の中に、愛と憎しみの両方を見たような気がしました。
 偉大な先人のオマージュ、というと、敷居が高く感じられてしまうかもしれませんが、本書に関して言えば、ミステリ好きはもちろんですが、普段ミステリをあまり読まないという人にも手に取ってもらいたくなるような作品です。アガサ・クリスティが『アクロイド殺し』や『そして誰もいなくなった』で多くのミステリ好きを生み出したように、本書がきっかけで新たなミステリ好きが増えたら、とても良いなと思いました。

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夢中で読んだ。「カササギ殺人事件」は作中に出てくるミステリ小説であり、本筋は作家の死をめぐる編集者の奮闘という二重構造。そうわかっていても、編集者がメインに戻った下巻の初めは、ああアティカスの続きが読みたいと焦れてしまった。作家の性、編集者の思い、読者の気持ちがどれもわかる展開。一気読みしてしまったけれど、またすぐにじっくり読み返したい。

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私は極力ネタバレしないようにしますね。頑張ります。

奇妙なプロローグから始まり、15ページで早速ニクい演出が。
これは何かあるぞ……ときな臭さをプンプンさせながらも、本当に素直に『カササギ殺人事件』が描かれていく(出たな、限嗣相続制!)。
詳しくは言えないけれど、二分冊されているのに、十二分に元は取れる(せこい考えだけれど)。

さて、ミステリ(殺人事件)において最も重要な要素は何だろうか?
魅力的な探偵役?鮮やかなトリック?それともやはり単純に描写の巧みさ(=文章の上手さ)だろうか?

僕には、同じくミステリ好きな母親がいるのだけれど、彼女はそれを「動機」だと定義している。
曰く「誰かを殺したいほど強く憎むってコトには、それだけの理由が必要だ」というのだ。
「そこまでのコトがあったのなら、それだけの仕打ちを受けたのなら、コイツは殺されて当然だ」と読者である自分に思わせて欲しいのだという。
「犯人を許せるか」これが、ひとつの指標になっているようだ。
本作を結末まで読んで僕もそんなコトをふと思った。

僕にも、とても好きな作品(コンテンツ)がある。
(残念ながら)小説ではなく、複数の人間が制作に携わっているワケだけれど、例えば監督や脚本家、キャラクターデザイナーなどの誰かが「この仕事(作品)は本当にイヤでイヤで仕方なかった」と語り、それをまさに、ファンを裏切り、侮辱するような形で暴露するような事態が、もし、仮に起きたとして、僕はその相手を許せるだろうか、とふと考えた。

本作は一粒で二度美味しいミステリではあるけれど、それと同時に、物語を、創作を愛する全ての人に問いかけたい深い想いが込められている。何度だって読み返して欲しいし、何度だって問い続けて欲しい。
そして、自身の「好き」な気持ちには、正直で、誠実でいて欲しい。

ミステリとしても、ドラマとしても超一級の作品だ。

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【上巻】
世界中で愛される『名探偵アティカス・ピュントシリーズ』。その第九作のゲラ原稿を読んだ編集者からのいわくありげな警告から、作中作品である『カササギ殺人事件』が始まる。きな臭い住民達と、増していく村社会の閉塞感を、余命宣告された名探偵ピュントが切り裂き、打ち破りそうなところで上巻終了。メタフィクションなのかな?と思ったけど、ピュントの他のシリーズも読みたいな~などとうっかり思ってしまうほど夢中になってしまったからどうでもいい(笑)。ポアロやホームズを彷彿とさせる名探偵物。

【下巻】
文句なしに面白かった。クリスティを読んだのは遥か昔、最近は本格ミステリを避けているわたしをも夢中にさせる衝撃と構成。散りばめられた作家や作品の引用とトリビアにも、ミステリへの愛を感じる。とりわけクリスティファン、筋金入りのミステリファンならもっと楽しめると思う。これ以上は何もいえないのが本気でつらい。この面白さをどう伝えたらいいんだろう。「これ以上は何もきかずに黙って本を開け」そう言うしかない。

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このお話は、ロンドンの女性編集者の回想で幕を開ける。スーザンは『カササギ殺人事件』の原稿を読もうとしていた。たいそう頭の切れる小柄な外国人の男性探偵が主役の人気ミステリ、<アティカス・ピュントシリーズ>の最新作である。

『カササギ殺人事件』は私の人生の全てを変えてしまったという、スーザンの意味深な言葉と共に独白は終わり、次に始まるのは『カササギ殺人事件』の原稿だ。作者紹介、既刊の案内や登場人物一覧の他に“本シリーズに寄せられた絶賛の声”のページもある。「気をつけろ!エルキュール・ポワロよ!(中略)君のお株を奪おうとしている!」に、思わず笑ってしまう。1955年の英国の村を舞台に描かれる事件は、まさにアガサ・クリスティーの世界なのだ。

由緒あるお屋敷の家政婦が階段から落ちて死んだ。家政婦はとても詮索好きで、村の住人はそれぞれに小さな秘密を抱えている。事故死か殺人か?続いて第二の事件が起き、ロンドンから名探偵アティカス・ピュントがやってくる。装置も雰囲気もちょっとした台詞もクリスティーへのオマージュに満ち、「完コピ」という言葉さえ浮かぶ。しかも滅法面白い!そして、この原稿の最後の方で「あれれ?そんな!」と、読者は急に現実に引き戻されるのだ。原稿に謎が勃発・・・ちょっと意地悪しないでよ、アンソニー・ホロヴィッツさん!書きながらウインクして笑っているあなたの顔が目に浮かぶ。

本書はこの「ミステリ原稿をめぐるミステリ」であり、スーザンも殺人事件を追いかける。売れすぎたために作者に憎まれる登場人物などの逸話も、クリスティーがポワロをどう思っていたかなど、書き手の心情が伝わり興味深い。
何よりも本書の魅力は、非常に凝った設計で構築されているところだ。『カササギ殺人事件』の物語と、殺人事件を追う編集者の現実は鏡像のように呼応し、どちらも夢中でページをめくらせる。ふたつの魅力的なミステリを一冊で堪能できる贅沢な作品である。

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