中国はここにある

疲弊し衰退する農村社会の記録(仮)

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刊行日 2018/09/19 | 掲載終了日 2018/11/10

ハッシュタグ:#中国はここにある #NetGalleyJP


内容紹介

都会(北京)で暮らす著者が10数年ぶりに訪れた故郷の農村「梁庄」は、目を疑うほど変わり果てていた。

中国の問題は突きつめれば農民問題と言われて久しいが、近代化の影で荒廃し疲弊する農村の問題には経済指標や事件報道では到達できない領域があると感じた著者は、文学的手法でアプローチすることを決意する。

ただし従来的な文学ではない。世界が複雑になるにつれ、文学も、人類学や社会学と往還する学際的なものへの変貌を迫られていると著者は言う。

本書では、知人や親族へのインタビューを通して著者自身の故郷が、「村に生を受け、村の道と池と畑を知りつくし、村の入口に横たわっているあの青い石畳を一日また一日と渡り、そこでいくどとなく足を痛めた者でしか体験できない」真実と矛盾が、フィクションとして描かれる。

「中国は梁庄にある」。人口2000人弱、平均年収6万円未満のこの小さな村は、中国そのものである。大きな感情のうねりと論争を呼んだ、新しい文学の試み。


梁鴻(リョウコウ)

中国人民大学文学部教授。1973年生まれ。北京師範大学文学博士。人民大学ポストドクター。米国デューク大学客員教授を経て現職。本書の舞台である農村に生まれ、二十歳までそこに暮らす。著書多数。


鈴木将久(すずき・まさひさ)

東京大学大学院人文社会系研究科教授。1967年生まれ。東京大学文学部中国文学専攻卒業。同大学文学博士。明治大学准教授、一橋大学教授を経て現職。著書に『上海モダニズム』(中国文庫2012)『竹内好セレクションII』(共著日本経済評論社2006)。共訳書に『毛沢東と中国――ある知識人による中華人民共和国史』銭理群(青土社20012)『中国メディアの現場は何を伝えようとしているか』柴静(平凡社2014)『誰も知らない香港現代思想史』羅永生(共和国2015)ほか。

都会(北京)で暮らす著者が10数年ぶりに訪れた故郷の農村「梁庄」は、目を疑うほど変わり果てていた。

中国の問題は突きつめれば農民問題と言われて久しいが、近代化の影で荒廃し疲弊する農村の問題には経済指標や事件報道では到達できない領域があると感じた著者は、文学的手法でアプローチすることを決意する。

ただし従来的な文学ではない。世界が複雑になるにつれ、文学も、人類学や社会学と往還する...


出版情報

発行形態 ハードカバー
ISBN 9784622087212
本体価格 ¥3,600 (JPY)