こうしてイギリスから熊がいなくなりました

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刊行日 2018/08/10 | 掲載終了日 2018/09/10

ハッシュタグ:#こうしてイギリスから熊がいなくなりました #NetGalleyJP


内容紹介

電灯もオイル・ランプもなかった時代、夜中に森を徘徊する悪魔だと恐れられた「精霊熊」。死者のための供物を食べたせいで、故人の罪を引き受けてしまった「罪食い熊」。サーカスが流行した時代、人間の服を着て綱渡りをさせられた「サーカスの熊」。19世紀、ロンドンの下水道に閉じ込められ、町の汚物や溜まった雨水を川まで流す労役につかされていた「下水熊」。20世紀、人間に紛れて暮らし、潜水士として働いていた「市民熊」。――皮肉とユーモアを交えて独特の筆致で描かれる8つの奇妙な熊の物語。ブッカー賞候補作家がイギリスで絶滅してしまった熊に捧げる、大人のための寓話。


■著者紹介
ミック・ジャクソン/Mick Jackson

1960年、イギリス生まれ。20代の頃はアメリカのロックバンドで活躍、その後短編映画の監督・脚本を手がけ、1997年に『穴掘り公爵』(新潮社)で作家デビュー。同書はイギリス最高の文学賞であるブッカー賞と、イギリスまたはアイルランド在住の作家に与えられるウィットブレッド賞(2006年からはコスタ賞)処女作賞の最終候補作となった。主な著作に『10の奇妙な話』(東京創元社)、Five Boys(2002)、The Widow' s Tale(2010)などがある。

■訳者紹介
田内志文/Simon Tauchi

埼玉県在住。翻訳家、物書き。訳書にカウフマン『銀行強盗にあって妻が縮んでしまった事件』『奇妙という名の五人兄妹』、コナリー『失われたものたちの本』、ジャクソン『10の奇妙な話』、ロバートソン『ギデオン・マック牧師の数奇な生涯』、(東京創元社)、ストーカー『吸血鬼ドラキュラ』、シェリー『新訳 フランケンシュタイン』(角川文庫)など多数があるほか、小説の執筆や朗読も行っている。元スヌーカー選手で、チーム世界選手権、アジア選手権日本代表。

電灯もオイル・ランプもなかった時代、夜中に森を徘徊する悪魔だと恐れられた「精霊熊」。死者のための供物を食べたせいで、故人の罪を引き受けてしまった「罪食い熊」。サーカスが流行した時代、人間の服を着て綱渡りをさせられた「サーカスの熊」。19世紀、ロンドンの下水道に閉じ込められ、町の汚物や溜まった雨水を川まで流す労役につかされていた「下水熊」。20世紀、人間に紛れて暮らし、潜水士として働いていた「市民熊...


出版社からの備考・コメント

校了前のデータをもとに作成しておりますので、刊行時に内容が変わる可能性がございます。

校了前のデータをもとに作成しておりますので、刊行時に内容が変わる可能性がございます。


おすすめコメント

(担当編集より)

本書は『穴掘り公爵』(新潮社)や『10の奇妙な話』で高く評価されたブッカー賞候補作家、ミック・ジャクソンの新作です。とてつもなく奇妙で、すこし切ない、8つの熊の物語が収録されています。

タイトルの「熊」という言葉の通り、本書の主人公は紛れもなく「熊」です。正確には「熊」と「人間」、「熊」と「イギリス人」との関係を描いた作品です。本文中にも「英熊関係」という言葉が登場します。

ヨーロッパ全体で狩猟がブームとなった中世、熊狩りでイギリスの熊は絶滅してしまいました。また、「熊いじめ」といった、今からすればとても残酷な遊興も行われ、多くのイギリス人は熱狂していたといいます。本書は、そんな悲しい熊たちに捧げる寓話なのです。

森の悪魔、精霊と恐れられた熊や、人の罪を背負わされた熊、闘牛ならぬ闘熊で犬たちと戦いをさせられた熊、ロンドンの下水道で過酷な労働につかされた熊、こっそり人間に紛れて暮らしていた熊……本書にはさまざまな熊が登場します。彼らの奇妙な物語を通して、人間の持つおそるべき一面を感じるかもしれません。ユーモラスで可愛い熊の姿に、ほっこりするかもしれません。いろいろな読み方ができる、奥深い作品です。どうぞお楽しみください。

(担当編集より)

本書は『穴掘り公爵』(新潮社)や『10の奇妙な話』で高く評価されたブッカー賞候補作家、ミック・ジャクソンの新作です。とてつもなく奇妙で、すこし切ない、8つの熊の物語が収録されています。

タイトルの「熊」という言葉の通り、本書の主人公は紛れもなく「熊」です。正確には「熊」と「人間」、「熊」と「イギリス人」との関係を描いた作品です。本文中にも「英熊関係」という言葉が登場します。

ヨーロッパ...


出版情報

発行形態 ハードカバー
ISBN 9784488010829
本体価格 ¥1,500 (JPY)

NetGalley会員レビュー

各章、なんともユーモア溢れる出だし。リアルなのに人間味が溢れていて、あれ?クマ?ヒト?となる魔訶不思議さがとても面白い。そしてこのクマたちがいるからこそのシュールさが戒めを訴える。これは紙で手元に置きたい。大人向けの童話でもある気がする。

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熊たちが可愛くて怖くて哀しい。
不思議な世界だけれど、すぐ隣にある世界のようでもある。
挿画も、とてもとても魅力的。

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「10の奇妙な話」のミック・ジャクソンが帰ってきました。たとえば「蝶の修理屋」で少年が標本の蝶を甦らせるシーンのような、「地下をゆく舟」で舟がついに水上を行くシーンのような、美しいイメージも健在。ただし、今回はどのシーンにも熊がいます。ロンドンの通りを闊歩する熊の行列、老人を抱き締める熊、服を着た熊、川を泳ぐ熊たち……どこか滑稽で、おとぎ話のように残酷で、さりげなく奇妙な8つの物語は、まさにミック・ジャクソンにしか書けないものばかり。これまでに一度も聞いたことがないけれども、どこか慣れ親しんだ昔話にも似た話のトーンに、「10の奇妙な話」でもイラストを担当していたデイヴィッド・ロバーツはぴったり。「10の奇妙な話」に夢中になった人には間違いなくおすすめできます。まだ「10の奇妙な話」を読んでいない人には2冊ともおすすめします。奇妙な味の短編が好きな人、ここ!ここにあなたのための作家がいますよ!

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