サーラレーオ
新庄 耕
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刊行日 2018/08/21 | 掲載終了日 2018/09/18
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内容紹介
この小説には「最低最悪の奴」しか登場しない。というか存在しない。いや、よく考えてみれば、おれたちの世界だってそうか。言ってやれ新庄耕。この世界に向かって。「くそったれ、サーラレーオ!」――高橋源一郎さん
ひょんなことから手に入れた大量の大麻の種子。落ちぶれた男にとって、それはギフトかトラップか?
『狭小邸宅』著者による、圧倒的悪漢小説(ピカレスク・ロマン)!
日本人のカセは、バンコクでケチな外国人に大麻を売り日銭を稼いでいる。恋人は浪費家のホステス。観光客を脅して小遣いをせびる強盗まがいの行為も慣れっこだ。
あるとき幼馴染のマサから、出張でタイに来ているので会いたいとメールが届く。
「こっちでもバリバリやってるの? 聞いたよ、六本木で豪遊してたって」
ああ、そうさ。あそこでヘマをしなければ、おれをコケにしてきた奴らを全員見返してやれたのに――。
金もツキも度胸もない、逃げ足だけは速い究極のダメ男が、タイと日本を疾走する!
出版社からの備考・コメント
刊行時には内容が異なる場合がありますが、ご了承ください。
校了前のデータを元に作成しています。
刊行時には内容が異なる場合がありますが、ご了承ください。
おすすめコメント
【著者からのメッセージ】
清廉潔白がもてはやされ、「正義」がはびこる今日において、悪を描くことにどれほどの意味があるだろう。しょせん悪は悪でしかなく、小説の世界からも締め出されてしまうものなのか、どうか。異国の地でもがきつづける男の眼を通して、そのことを確かめてみたかった。
【担当編集者より】
新庄耕さんは2012年に『狭小邸宅』ですばる文学賞を受賞しデビューされました。ブラックな不動産営業を生々しく描いて話題となり、続く『ニューカルマ』ではマルチ商法にずるずるとハマっていく男の闇を鋭くとらえました。最新作の文庫書下ろし『カトク 過重労働撲滅特別対策班』では、ブラック企業を取り締まる監督官を主人公に、住宅メーカー、広告代理店、IT系企業などのハラスメントを冴えた筆致で描き、発売前重版となっています。
そんな、救いようのないダメ男を書かせたら天下一品の著者が生み出した新たな主人公は、「サーラレーオ」、タイ語で「最低最悪の奴」です。一攫千金を狙いますが、自らの愚かさにさまざまなところで足をすくわれます。憎み切れない悪漢の足掻きは、爽快でもあり、愛おしくもあります。カセの行く末をどうか見守ってください。出版情報
発行形態 | ハードカバー |
ISBN | 9784065124574 |
本体価格 | ¥1,500 (JPY) |