清らかな、世界の果てで
北里紗月
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刊行日 2018/07/10 | 掲載終了日 2018/07/03
ハッシュタグ:#清らかな、世界の果てで #NetGalleyJP
内容紹介
医療ミステリーの新星・北里紗月、待望の第2作!
前代未聞の寄生虫殺人に
天才毒物研究者・利根川由紀が挑む!
ミステリー評論家・杉江松恋氏、激賞!
「今度の北里紗月は寄生虫による連続殺人!
アイデア奇抜、プロットは緊密で申し分なし。
しかも探偵が凜々しいぞ(変人だけど)
<あらすじ>
「身体の中を小さな虫が這っている」と訴えながら死んだ父親。
その友人も転落死し、死体から大量の虫が発見された。
前代未聞の寄生虫殺人が進行しているのか?
続発する噛みつき通り魔事件との関係は?
犯人の巧妙な意図を天才毒物研究者・利根川由紀は看破できるのか。
迫真の医学サスペンス!
おすすめコメント
デビュー作『さようなら、お母さん』で医療ミステリーの新星として注目された
北里紗月さんの日々は多忙です。
昼間は生殖補助医療胚培養士(体外受精コーディネーター)として勤務し、
帰宅後は主婦として、3児の母として、家事に子育てに奮闘。
プロットを作成したり、執筆を行うのは毎夜2時間のみ。
しかし、この粘り強い積み重ねが、第2作『清らかな、世界の果てで』に
結実しました!
家族の絆を守ろうとするラストの衝撃と感動を、ぜひ味わってください
出版情報
発行形態 | ソフトカバー |
ISBN | 9784065121436 |
本体価格 | ¥1,600 (JPY) |
NetGalley会員レビュー
身体中を虫が這っているなんて、想像しただけでもゾッとしますが、そんな寄生虫を使った医療ミステリーです。
まずは探偵役の由紀がとても魅力的です。少年のような外見と歯に絹着せぬ物言い、専門的な知識を持つオタクっぷり。
その相棒は語り手にもなっている由紀の後輩の、背ばっかり高くヒョロヒョロとした少しシスコン気味の院生。
由紀の性格からか、フットワーク軽く事件を追って様々な場所を次々と訪れ、聞き込みをしたり調査検証をしたりします。
飽きずに読み進めます。犯人はそんなに意外な人物ではないですが、動機はなるほどというものでした。
「身体中を虫が這っている」と苦しんで死んだ男が二人。想像するだけで不気味な寄生虫を扱った医療サスペンス。次々に犠牲者が出る中で一向に見えてこない原因と治療法。刻一刻と迫る緊迫したスリリングな展開で一気に読了。犯人の動機はなるほどと思わせられるものだった。とても面白かったです!
あの利根川由紀の活躍が再び見られる!
イヤイヤそんな偶然無いだろとか思いながらもスルリと読めるスピード感。抗菌や滅菌で清らかになっても、イジメや不倫がありふれている汚い世界では不幸が起こるのは止められません。
最後は友達って何だっけと考えさせられる良本でした。
面白く、続きが気になってあっという間に一気読み。ページをめくる手が止まらなかった。生物学を研究している直哉は、妹から、妹の友達の父親の不幸を知る。そしてその父親が「虫がいる」といったことにより、妹はその友達に、兄が生物学を勉強しているから専門家だからと死因究明を安請け合い。そして直哉は先輩、由紀と寄生虫について調査することになる。犯人の意外な事実や犯行のやり方、そして妹が寄生虫に感染した伏線。とても見事でした。
清らかな、世界の果てで何がおこる?
タイトルからは想像もできない展開に一気に引き込まれる。
研究室の先輩、大学院生の利根川由紀。
独特なキャラクターの持ち主であり、周りの人間を不快にさせる彼女だが、大変優秀な毒物研究者。
「体の中に虫がいる」と言って亡くなった妹の友達の父と、人身事故で亡くなった男性の背中から湧きでた虫は一体何なのか?噛みつき通り魔とのつながりは?
利根川由紀が、豊富な知識と行動力、あらゆる可能性を探り犯人に迫る!
過度な清潔、滅菌、抗菌、除菌…
この世が清らかさを増すほどに、人間は自然界に敵を増やすのか?
清らかな現代日本では耳にする事も少ない寄生虫が原因の死亡事件(?)が発生。変人にして天才の利根川由紀がその感染経路を探っていくと・・・。寄生虫に関する描写、少し想像するだけで鳥肌ものです(泣)。選ばれてしまった3人の中年のおじさん達が不憫でなりません。
身体中を虫が這っていると苦しんで死んだ男性の死因を調べることになった直哉と天才毒物研究者の利根川由紀。寄生虫と殺人事件を絡ませるという着眼点が新鮮で冒頭から引き込まれて一気読みでした。寄生虫についての説明は読んでいるだけで皮膚がぞわぞわする気がした。この分野の作品は少ないので、これからの作品にも期待したい。
表紙からラノベだと思ってたけど読みやすいしページ数にしては内容がしっかりしてて良い意味で裏切られた。常々、公衆衛生は無知だけど除菌過剰になったら免疫が落ちるんじゃないかと思ってたのに自分が無自覚に陥っていたのかとカルチャーショックでした。
「身体の中を小さな虫が這っている」と訴えながら死んだ父親。その友人も転落死し、死体から大量の虫が発見された。普通ならありえない寄生虫に、天才毒物研究者・利根川由紀が挑みます。読んでいるだけで身体中がぞわぞわとしてきます。何が起きているのか、どうやって彼らは寄生虫に感染したのか。現代は除菌抗菌が進み、まさしく清らかです。だからこそ、何かが起こったとき、現代人には抵抗力がない。つくづくとそれを思い知らされました。由紀の活躍は乱暴ながらも見事で、ミステリとしての動機や伏線のはり方、プロローグとの繋がりなども綺麗で読みやすかったです。今後の作品も楽しみです。
虫が人間の体に巣食い死をもたらした?その正体と原因を追う生物学研究者"利根川由紀"シリーズ2作目。専門分野ならではの真相の意外性、事件のミッシングリンクとその動機が非常に秀逸で、菌や寄生虫という身近で奥深いテーマへの蘊蓄もとにかく興味深い。略歴を拝見すると著者ご自身も生物学を専攻されていたそうで、なるほどの説得力がある作品だったと思う。デビュー作では主人公の由紀が川瀬作品の赤堀と被るという意見がチラホラ見受けられたが、個人的には口の悪いプチツンデレタイプという印象が強く、気になるほどではなかった。研究肌、学者肌のタイプは変わり種が多そうという印象もあるし(笑)、このキャラ立てだと若干雰囲気が似通うのは致し方ない気も。それよりも今後もシリーズ続く予定ならばストーリーの専門性に大いに期待したいところ。日本は世界でも有数の衛生大国と言われているが、同時にその過度な除菌による抵抗力の低下や既存の病の重篤化もまた衛生仮説として発表されている。悪いものを排除すれば全てが良くなるわけでは無いというのは、物事万事に共通して言えることなのかも知れない。